サッカー日本代表は南アで世界の先端を先取りしていたのではないか論

ハリルホジッチ監督解任以降、憤慨した自分はよりサッカーを語れる様、下記の様な本を買ったりして戦術の勉強中です。

また、同解任、選考を経て、本田選手とは何だろうと考えています。

そう考える時、自分の記憶は当然の如く2010年南ア大会、カメルーン戦での本田選手の得点に遡ります。

壮行試合で韓国相手に0-2で敗北した岡田ジャパンは、その後3ボランチに切り替えてきました。

そう、自分の中で当時あれは3ボランチでした。ドイツ大会オーストラリア戦、2失点目のケーヒル選手のシュートなど、世界の舞台で二列目からあっさり決められるシーンを見てきた自分としては、リアリストな岡田監督らしく、やむを得ない、と思っていました。

しかし今考えると、あれを3ボランチではなく、1アンカー2インサイドハーフの4-1-4-1と捉えられないかと思うのです。

下記は「サッカー日本代表 歴代フォーメーション」と言う、これを考えていて辿り着いた、歴代の日本代表フォーメーションを図示してくださっている素晴らしいサイトへのリンクです(現在も更新中の様です)。

強固な阿部選手を1アンカーに、Jの最高傑作と言っても過言ではない遠藤選手、長谷部キャプテンの2インサイドハーフ、大久保選手、テクニシャン松井選手の左右両ウィングに、体が強く、日本人離れしたメンタルで得点を決める本田選手の1トップ。

感動的に編集してあるハイライト動画も見返してみましたが、これにブラジルの魂を持った闘莉王選手、ボンバー中澤選手等もおり、よくまとまった良いチームだったなぁ、と鳥肌が立ちました。

もちろん本番では守備に追われていたと記憶していますし、今は記憶を辿っているだけなので、詳細は当時の映像などを見返してみなければ分かりませんが、結果的に今で言う5レーン理論の真ん中と左右のハーフスペースを3人で守れていたのではないかと思うのです。

5レーン理論とは、2008年にFCバルセロナの監督に就任し、その後10年で完全に世界のサッカーを改革したグアルディオラ監督の戦術を元に定義された理論で、そう考えると岡田ジャパンが守備的なマイクロバルセロナに見えてくるのです。

当時、世間や関係者は自分の様にこの3ボランチを、急場凌ぎの守備的なフォーメーションと解釈した。それでベスト16に進出して、次は華麗なサッカーだ!と思ったのではないかと思うのです。

また、本田選手のインパクトが強烈で、その後のACミランの10番になるサクセスストーリーもあり、本田選手が我が家と呼ぶトップ下を配した4-2-3-1を多用する様になる。下記は前述のサイトのブラジル大会コートジボワール戦のフォーメーションへのリンクです。

しかし、このフォーメーションはどちらかと言うと下記、壮行試合の韓国戦に近いのではないかと思うのです。

現在西野ジャパンが同様のフォーメーションを採用したりして苦戦していますが、自分はその原因はトップ下の本田選手の守備が効いていないからではないかと疑っています。

現在2018年6月12日21時。あと1時間程でロシア大会最後のテストマッチであるパラグアイ戦が始まります。香川選手のスタメンが予想されていますが、自分は香川選手もトップ下1人で守備や攻撃をこなす選手ではないと思っています。

エチャリさんも下記記事で長谷部選手1アンカーの4-1-4-1を勧めていましたが、自分も本来南ア後に注目すべきだったのは本田選手だけではなく、あの3MFだったのではないかと思ったのです。

日本がブラジル大会、そして今回と苦しむ裏で、グアルディオラ監督に発した3MFを逆三角形に配置するフォーメーションは世界を席巻しました。

それに先駆けて、南アの日本代表はそのエッセンスに少しタッチしていたのではないか。

ハリルホジッチ監督も同様の4-3-3を採用していましたが、縦への速さにこだわった結果、選手からも視聴者からも不満を受けました。

最初から日本人はフィジカルが弱いからと諦め、「日本人らしいサッカー」と内に篭ってしまうのではなく、それで上手くいかないのに、もしかしたら世界に先駆けて先端のサッカーにタッチしていたのかもしれない、それを伸ばせばよかったのかもしれないとすれば、後者を採用した方が良くないでしょうか。

前述の通り、今日は香川選手も目覚ましい活躍をするのは難しいかもしれないと思っています。本当は活躍してもらって、初戦のコロンビア戦は香川選手で行った方が良いのかもしれない。

しかし、コロンビア戦を本田選手で行って、割と酷い負け方をして、そこから他の選手に切り替えて残り2戦で勝負するのも良い気もします。

西野監督はやり方を変えない方だそうですので、最悪なのは初戦に引き続き本田選手を1トップ下で起用し続けて、負け続ける事だと思います(必ず負けるとは限りませんが)。

巷では今回成功してしまうと無茶な監督解任が肯定されてしまうので純粋に応援できないとの声もあり、自分もそれに賛成ではあるのですが、一方であまりに大失敗しても次にどうして良いか迷走してしまう気もしています。

せめて何らかの光明は見せて欲しい。それが、例えば大島選手の調子が戻らないと言った消極的な理由だったり、今日香川選手がある程度の活躍をして、本田選手と同時に起用したいでも良いと思いますが、なんらかのきっかけで南アを発展させた4-1-4-1になるのでも良いのではないかと思うのです。

本田選手が最悪でも南ア時代の戦い方はできると言っていましたが、このフォーメーションならリトリートもできるし、攻める事も守る事もできると思うのです。

そうすれば、今回監督解任につながった様に、予選がつまらないと言う問題も回避できますし、1トップを本田選手の様な屈強なタイプに変えれば、本戦で南アの様な守備的な戦いもできると思うのです。

2インサイドハーフに建英君と中井君(中井君はウィングでも良いかもしれないけど)、ウィングに中島君や堂安君、1トップに小川君とかワクワクしませんでしょうか。

今回大会の秘策として、または今回失敗し、迷走しかけた時の試案として(今回成功する可能性はぎりぎり見えるのですが、大成功する可能性は見えません。成功したら、西野ジャパンの方向性継続という事になりましょうか)、一つの論考として記した次第です。

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