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愛あらばIT'S ALL RIGHT

台南での農園生活3週間が過ぎようとしています。
どうやら、ここでのテーマは「人」らしい。これまでの農園よりボランティア人数が多く、台湾、スペイン(カタルーニャ)、ベルギーの友達が増えた。お陰様で語学の練習になっているし、ベジ生活も楽しい。空き時間には書道をしてみたり、語学交換をしてみたり。良き仲間に巡り会えてうれしい。


ただひとつ。心に残った人物がいるので書き留めておきたいと思う。悪口になりそうなので書くのをずっと躊躇っていたが、考えさせられる案件が多く学びを与えてくれた人物なので、個人情報はやんわりと、所感を。

彼女はオーストラリア人でヴィーガン主義。年齢は30そこらとしておこう。昨日、農園を旅立っていった。予定より1週間ほど早い旅立ちだった。サヨナラのハグ直前の、0.2秒ほどの緊張は忘れない。悪い事をされた訳でも無いのに、躊躇いが生じたことを申し訳なく思う。

彼女の気になった特徴を述べると
・脱いだ物は脱ぎっぱなし、食べた食器そのまんま、共同スペースでペンキや酢の匂いをぶちかます
・ドアの開閉が大胆。足音迫力あり
・自分の興味のある事に時間を費やしたい
・お出掛けの誘いに乗らない。(交わる事を拒否している訳ではなく、自分のやりたい事の方が大事だから参加できない、というニュアンス。)
・食べ物が大好き
・ありがとう、ごめんなさいを言わない。

彼女が去ったあと、コモンルームの机上は見事に整理整頓され、物理的にも精神的にも風通しが良くなったのは皆語らないが明らかだ。

自分が完璧だからありえない!意味分からない!ではなく、私にも似た部分があるから気にかかったのだと思う。昔から片付け苦手だし、実家ではよくお菓子の袋を散らかして怒られます…

人に対しても物に対しても愛がないなぁ、というのが彼女の印象。
唯一?愛しているものが食べ物。超貪欲。みんなで協力して行っているキッチンの片付けよりも掃除よりも、自分のやりたい事が優先(誰よりも早く食事に手をつける、片付けが終わってないのに眠りに帰るor趣味のために帰る)。箒を持ったとしても「それ掃除になってないよ!」といったやり方で。でも、誰も注意する訳でもなく、気になった人が掃除をやり直す。彼女は何も気付かない。だいたい世界はそうやって回ってるんだね。。
「眠りたい」「次に何を食べようか」「好きな事をしたい」という思考だけが脳を支配している生き物に見えて、行動が動物的でたまに怖くなった。体型は普通だが、ちょこまか何かを食べていた(貪るという表現のが近い気がするが…)ので「何かが満たされてないんだなぁ」と思って眺めていた。

みんな好きな事すればいいし、心のままに生きれば良い。ウチはウチ、よそはよそ。って本当思うし散々書いてきたけど。なんていうかな、違うんだよな彼女の行動は。何も産まれないんだよな

彼女はヴィーガン料理に慣れているので、葉っぱやナッツ類を粉砕してソースを作り出した。豆のハンバーグも作ってくれたし、パスタも美味しかった。だが、感動は最初だけだった。だいたい同じメニューだから。憶測だけど、「昨日も麺だったから今日はご飯を炊こう」「みんなは何が食べたいかな?」という思考はおそらく無し。とにかく自分の食べたい物を作る。

おいしいし食べるけど、私は心からおいしいとは思えなかった。食材への愛のなさや、調理後のキッチンの汚さ、普段の行動を見ていると、なぜだか。「私が食べているんじゃなくて、心が食べて感じているんだなぁ。」それが、彼女の料理から得た学び。


Animals are friends. not food♡
カリグラフィにハマった彼女がある日、コモンルームに掲示していた。ヴィーガンの彼女がこれを書くことは理解できたのだが、何故か見る度にイラッとしていた。イラつくので私の書を上に重ねてみたら下方向に引っ張られた様子で床に落ちていた(風のせいだと信じてるよ!)。
「掲げなくて良いからヴィーガン実践してれば良いじゃん。」「植物はfriendsじゃないの?」という気持ちや疑問がイラついた要因だと思う。そんな彼女が【猫は嫌い】と言ったのは衝撃でしたね。猫も私達もAnimalsだから愛してね!

ちなみに私は、人間は何でも食べて良いと思っている。というか、ルールも正解もないので、愛を持っていただく事だけが必要だと思う。植物も動物も微生物も自然に境はないし、我々は食べる事でしか生きられないので。私の元にどのような過程を経て辿り着いたのか想像し、きちんと「いただきます」ができるのであれば。


彼女に関する仮説

彼女の身勝手で自己中心的な行動を見ていて、ある仮説を立てた。「ヴィーガンの彼女は何らかの栄養が足りていない。→腸が脳に栄養を補うよう指示→脳が食べ物に支配される→食べ物に貪欲」。
ヴィーガンに関するデータが少なかったので偏見気味の仮説を立てざるを得なかったのだが、ヴィーガン歴を尋ねたら1年くらいだと言うので、う〜ん、、、

んで、私が出した結論。

彼女には愛が不足している。


人は与えたり与えられたりする中で、互いの事が分かったり分からなかったりするものだと思う。

どうしたら彼女を含めてみんなが心地良く過ごせるのかずっと考えていたけれど、愛と語学力と勇気が足りず距離を縮められなかった。あの手の人間には得意な事をやって貰うしか対処法がないのだろうか。

サヨナラの時の、名残惜しみの無さといったら。みんな別れの言葉はかけるけど、あまり近付いて別れを惜しもうとはしていなかった。あんなに悲しくて悲しくない別れ方は初体験。

ありがとう、ごめんなさい が言えることの大切さ。
小さい頃から言われているけど、この歳でようやくちゃんと理解出来た気がする。

♪愛あらば〜IT'S ALL RIGHT
太陽は全てお見通しさ、ヘイ!

と、つんく♂さんも仰っておりますしそういう事です。
あ〜言葉にするの難しい!

台南生活も残すところ、あと10日。
いま当たり前な事は決して当たり前じゃなく、この生活を羨む時期もあるだろうけど。普通に生きますね。来月からも台南にいる予定。

#台湾 #workaway


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