伝説の作家サリンジャーが登場する映画「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
映画(マイ・ニューヨーク・ダイアリー)
原題が「My Salinger Year」という伝説の作家、サリンジャーが登場する映画です。作家(詩人)志望の女性主人公は、西海岸から旅行で訪れたニューヨークでそのまま出版エージェントへ就職します。
そのエージェントの作家リストにサリンジャーの名前があり、彼女の初めての仕事は、彼の代表作「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ世界中の読者から送られてくるファンレターの処理でした。隠遁した作家はファンレターを読みもせず、ましては返事も書かない訳ですから、その趣旨の定型文を送り返す作業です。
勿論ファンレターを一切無視してシュレッダー処分することもできますが、ジョン・レノンをピストルで撃ったマーク・チャップマンが事件直前に読んでいたのが「ライ麦でつかまえて」だったとの報道から、内容をチェックするようにしています。
こうした単調な作業は、いつかは限界が来るものであり、作家志望の主人公も当然のことながら、ファンの切実な内容を読んでいく内に、自分のコメントを書きたくなります。
また出版エージェントに就職する際に、上司からエージェントは作家を目指すべきではないと忠告されます。つまり物を書くべきではないということですが、時折電話口で話す機会があるサリンジャーからは、1日15分でもいいから文章を書き続けるようにとのアドバイスがあります。
入社後、作家をサポートする立場のエージェントとしてのキャリアを積みながらも、様々に葛藤する主人公でしたが、最後に結論を出して、この作品のエンディングとなります。
舞台はニューヨークですので、様々なシーンで様々なスポットが登場します。ホテルのカフェテリア?では、バックに「ティファニーで朝食を」のムーンリバーが流れますし、ニューヨークに詳しい人ならそれぞれわかると思いますが、何せ観光で1回しか行ったことがない自分には、よくわかりませんでした。
あと上司役のシガニー・ウィーバーが、「ワーキング・ガール」のイヤな上司とは対照的な包容力のある上司を演じていたのが、印象に残っていました。
あらゆるジャンルで世界最先端のニューヨークで働く女性を描くには、従来のバリバリのキャリアウーマンはもはやステロタイプとでも言いたげな、主人公の悩みながらも肩肘張らないフラットな姿勢が印象的でした。(写真は公式サイトより引用しました。)