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慎吾ちゃんはシンギュラリティ ダンスシーンの特異点
特異点(singular point) とは、ある基準を適用できない、あるいは一般的な手順では求まらない点。 文化的特異点とは、それ以前にはいなかったタイプの人物による革新的な行動や思想の表明などにより、その後の文化を一変させた事象。 Wikipedia
特異点とは、それまで人々に認識されてきた法則が通用しない環境のこと。 こういう場合はこうする、といったそれまでの基準や様式などあらゆるものが当てはまらない。それを過ぎると、一気に全く新しい世界が始まる。
特異点では全てが無限大に凝縮される。 … と言っても、私もよく分からないのだけど、とにかく、いろんなものがこれ以上ないってくらいにぎゅうぎゅうに詰まること。
慎吾ちゃんはぎゅうぎゅうに詰まっていました。 それまでの人生で見たこと聞いたこと、出会ったこと、感じたことが、細身の体の内側で収まることができないほどに。
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神童だった幼少期。駆け巡った故郷の野山、児童会長を務めた小学校、乱闘に混じった市民球場、独りで渡航したアメリカ。平和教育を受けた思春期。中高の超難関男子校、悪友らと繰り出した広島の街、女の子とデートした平和公園、英語に苦戦した受験戦争。憧れの地東京で過ごした青春。名門大学で垣間見た上流社会、それに馴染めず居場所を求めた原宿、ローラー仲間たちとツイストを踊ったホコ天の路上。そして、劇男零心会。
零心会の野心に満ちた男たち、大戸天童、哀川翔、小木茂光。 お笑い番組の厳しい稽古を共にした小西博之、佐藤B作、欽ちゃんファミリー。 そして、萩本欽一。
芸能界で出会うきらびやかな人々、大スターのトシちゃんや聖子ちゃん、仲良くなったマッチやキョンキョン、親友の嶋大輔。 番組などで出会う数々の海外スター、ボーイ・ジョージ、リマール。 そして、ジャッキー・チェン。
広島の魂そのものだったカープの戦士、山本浩二、衣笠祥雄、外木場義郎。 幼いころ胸を熱くしたサンダーバード、ウルトラマン、仮面ライダー。 憧れたカンフーのブルース・リー、ディスコのジョン・トラボルタ、大好きなデビッド・ボウイ。 そして、マイケル・ジャクソン。
思春期に聴いたロック、パンク、ニューウェーブ。 『スター・ウォーズ』をはじめ何百本も観た映画。 そして、『フラッシュ・ダンス』。
幼少時代からの利発性、尽きない好奇心、ものづくりの才覚、理系の思考型頭脳、力学的分析力、少林寺拳法の心得、カトリックの利他の精神、平和への願い、女の子へのときめき、我が道を行く自立心、東京への憧れ、魅力的な人物と出会う興奮、ファンに愛される喜び、芸能活動での悩み 、将来への不安。
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そして、広島の両親へ寄せる想い。 強くて偉大な父、故郷そのものの母。
「いま、おふくろにメッセージを送るとしたら、“現在、自分で納得して仕事をやっているし、これからも自分で納得できる仕事をやっていくからね、おふくろ!”ということかな。“ おふくろ、元気で! ”ということよりおふくろも喜んでくれると思うんですよ。」 風見慎吾 magazine h 1984
それらが全部、全部全部慎吾ちゃんの内側でつながって、溶け合って、膨らんで、みなぎって、弾けそうで。それを解き放たずにはいられない! 自分なりの方法で。
知性とは、感覚によって得られた素材を整理・統一して新しい認識を形成する精神のはたらき。 Bing 辞書
自分の中でぎゅうぎゅうに詰まっているものを、表現せずにはいられない! 自分の中で生じた素晴らしいものを、出して誰かに見せずにはいられない! ダンスの教育を受けてなくても、従来の踊りの原則を知らなくても、それらは一番に大事なことじゃない。 とにかく挑む。 自分なりの方法で。
「ボクは初めて大将にさからった。“やりたいことがあるんです、やらせてください” って」 風見慎吾 shueisha 1985
それが、日本のダンスシーンの特異点
「『涙のテイク ア チャンス』にはガキのころからの思い出、いっぱい
つまってる」 風見慎吾 shueisha 1985
従ってない、取りすましていない、むき出しの何か。それまでの法則にあてはまらないもの。
熱い衝動 冷徹な技巧 極限まで強く 極限まで軽く
湧きあがる 溢れ出る 迫りくる はしゃぎまわる 弾け飛ぶ!
「風見慎吾さんの『涙のtake a chance』の動画を見て、宇宙のビッグバンがハジけたみたいな、自分の中で。“コレだー!俺はコレがやりたいー!”」 TAKAHIRO/上野隆博 シューイチ NTV 2018年5月13日
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81449024/picture_pc_58727525b84facdf746113b0a7b1878e.png)
何にもとらわれることなく、引け目を感じたりせず、情熱を解き放つ喜び。
「ベストテン番組に出演したいとか、チャートを伸ばしたいとか、そういうことはあんまり意識していないんです。ただ、ひとりでも多くの人たちが "アッ、慎吾が何か変わったことをやってるぞ! " と言って見て下されば、それだけでいいんです。それだけで……」 風見慎吾 Oricon 1985
そして、その喜びを子どもたちにも感じてほしいという想い。
「ほんとはね、やろうと思ったら、もっとすごい技ができるんですよ。でもあえてそれをやってないのは、自慢げにすごいことを見せるよりも、簡単でもみんなで踊ればこんなに楽しいんだよ、っていうのをわかってほしいんです。」 風見慎吾 BP New Year 1985
果てしなく凝縮されたところで発生する、既存概念より高次元で、より文化的で人間的で、争ったり人を負かしたりして得られるものではない、もっとずっと大きなもの。
あなたの賢さは いつか大人になったときに 自分が得するためではなく
人を幸せにするために使いなさい
The Man for Others, with Others