経営者の孤独を知った日
サラリーマンと経営者が同じ目線になることはない。
開業税理士になったときに思い知らせらた思いである。
サラリーマンの時は、不満が多かった。独立すると不安が多くなった。もちろん、全体としては得たものの方が多い。
勤務時代は『いつでも辞めてやる』というカードを持っていたので、文句ばかりが心の中に溜まっていく。
独立すると、『来月は?来年は?お金は???』と将来に対する漠然とした不安と通帳を見ることが多くなった。
勤務時代は通帳を見たことが無かった・・・。ATMでお金を引き出すときに残高が分かる。通帳で履歴を見たところで、残高が変わるわけではないので、記帳をしたことがなかった。ただ、事実として残高がそこにある。残高が無くなれば、ちょっと支出を抑えよう、程度だった。
自分で事務所を経営するようになって、通帳の動き、残高の動きを確認するようになった。その増減の理由も無意識に追ってしまう。
この時に、初めて経営者って、こんな思いを抱えていたんだと実感できた。言葉としては聞いていても、体では理解していなかったのをその時に知った。顧問報酬という定額売上で、売上予測が立ちやすい我々は、その末席に座らせていただいた程度ではあるが、この何とも言えない不安な気持ちは辞めてはじめて実感できた。
あるサラリーマンが自営業者に対して『いつもお金の話をしている』という話をしているのを記憶している。マイナスのニュアンスで。
『お金の話=お金の亡者、お金に汚い』こんな風に考える日本人はまだ多いと思う。『借入金は悪』とイメージする人もいる。
僕もこの発言のサラリーマンと同じ思考だった。労働者とはそんなものかもしれない。税理士という仕事をして、そして独立して思うのは、この発言の『???』感だ。今、この発言を聞いたら全力で否定する。経営者にとっては『お金=回す』ものであり、もしきれいに回すことが出来なければ倒産してしまう。まさに血液と同じであり、人間の体も血液が詰まれば死亡する。
経営者は、その『回す責任』を負っており、その視点で話をする。会社の命を管理(預かっている)しているのである。だから、焦りもするし、不安にもなる。これが自分も含めてだが、サラリーマンからの立場だと中々理解しにくい。
一方で、サラリーマンが普段管理しているお金は、その回遊から外れた果実としてのお金である。どう処分しようが勝手である。
あぁ、経営者って孤独なんだなと思う。
ま、嫌ならサラリーマンに戻ればいいですけどね 笑
経営者の皆さん、頑張りましょーーーー
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