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あの~節税したいんですけど・・・


節税の効果と副作用

税理士という仕事上、節税をしたいという相談をよく受けます。
要するに『税金払いたくないんだけど、どうにかならない?』ということ。

ほとんどの会社は、こんなこと考えない方がよい。というのが答え。

何故か?

会社が潰れるから。厳密にいうと潰れる可能性が高まるから。

節税して、会社が成長したり、会社の財務基盤が強くなるのであれば、僕も賛成する。
だけど多くの場合、このような作用は無く、副作用の方が大きい。

多くの節税に共通する特徴が2つ。

  • キャッシュアウトを伴う

  • 純資産の部が増えない

お金は会社を運営していくうえでの貴重な運転資金である。中小企業で手持ちのキャッシュが潤沢にあるという企業は少ないはずである。利益が出て少しでも税金を抑えたい気持ちはよく分かるが、それには貴重なキャッシュの流出を伴うことになる。

手元のキャッシュを減らしてまで行うことではないと思う。これが節税に反対する理由の一つである。

節税に反対の理由の二つ目が純資産の部が増えないという点である。節税という行為は、キャッシュを減らす行為であるとともに、最終利益を減らす行為である。

純資産は、最終利益の蓄積である。最終利益が増えなければ、純資産は増えていかない。

純資産をイメージできる経営者はとても少ない。イメージできないから危機感を持つことができない。自分事と捉えることができない。話はズレるがよい例が『死』だ。

健康体の人で、自分の死を意識して普段生活しているひとは少ないのではないか。大病すると自分の寿命というものを意識するが、普段はそんなものは意識したくないので蓋をして生活している。

死を意識的に避けていても、生活スタイルは千差万別である。健康診断を受け、体を動かし、体調管理に気を使っている人もいれば、不摂生をしている人もいる。同じように死に対して蓋をしていたとしても、結果は変わるのではないだろうか?

会社経営も同じである。税金を払いたくないからと節税をしていると、会社の体力は弱まっていく。会社としての死が近くなるのである。

それを税理士知っているから『純資産を増やした方がよいよ。節税なんてやめて、税金を払った方がよいよ。』と言う。

純資産については、話が長くなるので、別の機会に書こう。


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