お母さんの心のケア
ちょっと前に病院の先生と障がいのある子どもの母親の産後の心のケアについて話をした。
わたしは妊娠27週でお腹の子どもの病気が分かり、なんらかの障害が残るでしょうというざっくりとした告知をされました。
当時はそれをどう受け止めていいか分からないまま、その後2ヶ月ちょいで出産。いざ生まれてみたら子どもはわたしの想像をはるかに超える状況で、産後自分自身のケアをする間もなく、毎日NICUに通う日々で、病院に行けば今起こっていることや子どもの予後についてなどを聞かされて、メンタルはボロボロ。
「お母さん分かってますか?」と医師から問われるたびに「分かるわけないだろ。わたしにどーしろと?」と憂鬱で、憂鬱でたまらなかった。これはわたしの性格のせいかもしれないけれど、わたしはそういう状況でもうまく泣けず、周りにもどう話したらよいか分からなくて、どんどん色んなことを溜め込んでいった。孤独だった。
もしかしたら、このまま子どもは死んでしまうかもしれないという状況で、子どものことは大好きなのに彼の病気や障害を受け入れられない自分がそこにはいて、どーしたらいいのか本当に分からなかったし、それが分からないわたしをわたしは責めた。
当時、すでに保育園に通う子どもが2人いたので、帰宅すれば家事育児に追われ、夕方の子ども番組をみながら踊る我が子を見て、次男はこの子達のようには育たないのか...と、家に帰ってきても落ち込むことがあった。
そんなこんなであれから16年経って、その間にも色々なことがあったけど、あの頃、誰かがわたしの話を聞いてくれていたらもっと違ったんじゃないかと思う。だから、病院はせめてNICUにはカウンセラーを配置をしてほしい。もちろん成長過程で子どもに病気や障害があることが分かった親に対してのメンタルケアも必須ではないかという話をした。
病院は子どものことは手厚く検査やケアをしてくれるけど、母親や家族の心のケアは置き去りで、それが当たり前になっているとわたしは感じてます。
「わたしは大丈夫」っていう人こそ、一番危ない。なぜならわたしもかつてそうだったから。だから、そういう人にこそ話せる場を作ってほしいし、母親だって一人の「人」で感情があると、きちんと認識して関わってほしい。
あの頃は平日の面会は圧倒的に母親一人で来てる家庭が多くて(今は少しは変わったのかな?)、わたし自身は家族に病院での出来事を逐一共有することは難しかった。それがさらに孤独に拍車をかけたように感じています。だからこそ、話し相手が必要だったと思う。
先生にうまく伝わったかは分からないけど、少しでも孤独を感じずにみんなが子育てができる環境になってくれることを願っています。