営業職のみなさまへ。
先日、たまたま営業の仕事について考える機会があって、久しぶり(初めて?)今までの営業人生を振り返ってみました。
新卒から、基本的にはずっと営業職で、かれこれ10年以上経っていますが、仕事に対する考え方は歳を重ねるにつれてずっと変化し続けていました。
大学を卒業して、新卒で社会人になった当初は当然、仕事なんてものを真摯に捉えることが出来ず、もちろん、営業職を語ることなど考えてもいませんでした。
ただ、当時は当時の楽しさがあって、『仕事が出来る人』というキャッチフレーズに強い憧れを抱いていたとこもあり。笑
新卒の頃は同期入社の社員が何人かいて、やはり同期という括りの中である程度の競争はあったと思います。
『あいつが頑張っている』という噂を聞けば、内心焦る気持ちが生まれたり、逆に評価されれば優越感があったり、、当然今でもその感覚はありますが、今思えばそれが一番楽しかったなと感じたりしています。
それから10年以上経った今、改めて営業というものを考えてみると、全く違った楽しさを感じたり、営業職の本質的な部分を言語化したりすることが出来るようになったので、営業を仕事としている方にぜひ届いて欲しいと思います。
・自社が扱っている商品でお客様の人生を変えられるか
基本的に営業の方は何かの商品を売っているかと思います。
モノやサービス、情報など、何かしらの商品を商品を売っている方がほとんどではないでしょうか。
自身が商品を販売する時、どんな気持ちで販売しているでしょうか。
『営業』というと、世間のイメージとしては
・売りつけられる
・騙される
・高いものを勧められる
とか、あまりいいイメージを持たれている方は少ないように感じます。
実際、営業をされている方も、そういったイメージで入社して、そのまま働いている方がたくさんいると思います。
なので、営業の方も、『どう騙してやろうか』とか『どうしたら上手く言いくるめられるか』なんて、全然気持ち良くない方法で販売されている方もいます。
それが、楽しいという心の貧しい方は、心を入れ替えてもらえることを祈っていますが、そのマインドに疑問を持っている方は少なくないかと思います。
先輩、上司から『営業は騙してナンボだ』という可哀相な教えを受けて育ってきてしまった人もいるのではないでしょうか。
営業の仕事はお客さまを騙すのではなく、お客さまを助けることです。
世の中に出回っている商品は、どれも使う人のメリットを考えられて作られています。
そのメリットと、お客さまの要望や悩みをマッチングさせてあげるのが営業の仕事です。
自社の商品がお客さまに与えるメリットをしっかりと理解して、その商品を使うことによってお客さまにどんな幸せが待っているかを考えてあげなければなりません。
自分が勧めている商品を使って、お客さまの悩みを解決することが営業の仕事です。
もし、お客さまがあなたに何か相談したとすれば、その方は必ず何かを解決してほしいと願っているはずです。
・お客さまの代弁者になる
営業の仕事は多岐に渡りますが、その境目は非常に曖昧です。
ルールや、一般常識の上でその境目はありますが、一般論で全てを片付けてしまうと、そこで可能性は途切れてしまいます。
例えば、賃貸不動産営業で物件を紹介している最中、お客さまより『近所にコンビニはあるか』と聞かれたとします。
その質問に対してどう答えたら信頼を得られるでしょうか。
『近くにあります。駅の方に歩いて10分ほどのところにセブンイレブンがあって、駅から反対の方向に歩くと、5分ほどのところにローソンがあります』
こう答えたとします。
これでも決して間違いではないし、お客さまが待っていた回答としても、さほど期待外れではないかと思います。
しかし、この回答に加えて、
『帰りに車で回ってみましょうか?お客様は普段駅を使うのですよね?そしたら駅の方のコンビニを使うことが多いと思いますので、駅の方のセブンイレブンに行ってみましょうか』
と加えたら、お客さまの満足感が上がり、自分のことをしっかり考えてくれていると感じるはずです。
1つ目の回答だけの場合と2つ目を付け加える場合で違うのは、お客さまの質問の意図を汲んで、そこを代弁しているという点です。
お客さまは全てのことを教えてくれません。
それは、あえて言わない場合もあるし、自分でも気づいていない要望の場合もあります。
1つの質問から、当たり障りの無い無難な回答で済ませるだけでなく、お客さまの意図や隠れた要望を想像してもう1歩踏み込んだサービスをすることで信頼を得ることができます。
そして、その積み重ねが、お客さまの要望解決への近道となると考えています。
・お客さまを守る役目を担っている
自社で商品を扱っている場合、どの商品でも利益率を考えて販売しています。
自社オリジナルのものであれば利益率が良く、ナショナルブランドでどこでも扱っているものや大手ブランドのものなど、は利益率が低いことが多いです。
当然、利益率の高い商品を勧めることが会社として与えられた役割です。
ただ、その利益を追求しすぎることで、お客さまを騙したり、欺いてしまうと、後で自分の首を絞めることになります。
もちろん、会社の利益は大切なです。
自分の実績につながることも多々あるかと思います。
しかし、一番重要なのはお客さまの悩みや、問題を解決することです。
越えてはいけないラインを越えて、お客さまの望んでいないものを販売した場合、その場では円満に終わったように思うかもしれませんが、決してその方はリピートすることはありません。
それだけで済めば良いのですが、今の時代、口コミの力は強大です。
目先の利益を取るか、長い目で利益を広げるか、これは良く考える必要があります。
一個人の営業がそこまで判断するのは難しいかと思いますが、そこを考え、お客さまの本当の満足を得られた時に、きっと営業としても成長できるのではないでしょうか。
・営業職の次に目指すところ
営業という仕事は顧客の声を直接感じることが出来るため、顧客情報をたくさん積み重ねることのできる職種です。
なんの仕事をするにしても、エンドユーザーの声は非常に大事なとても大切な情報源です。
次にあなたが目指すところはどこですか?
僕は自分自身の商品を販売していきたいと思っています。
その為の経験値として、顧客の声は非常に価値のあるものだったと思っています。
ただ、日々の営業活動を自己中心的な考えで行っていたら、お客さまの正しい声が聞こえなくなります。
胸を張れる営業活動を続けていれば、きっと次のステージが見えてくるのだと思います。