無謀な実験
仕事中、同僚が刈ったばかりの芝の上にカラスが16羽も集結して恐ろしいと訴えてきた。
フンの問題もあるし、出来れば追い払いたいけど為す術がないと。
「へーそうなんですねー。」くらいに聞き流して、同僚が帰った後、どうしようもなくやってみたい実験を思いついてしまった。
カラスを捕食する鳥の鳴き声を流せば、カラスがビビっていなくなるのでは?!
思いついたら抑えきれない好奇心から、YouTubeでオオタカの鳴き声を検索。
仕事中この実験を目撃されたら恥ずかしすぎるので辺りを伺いながらこっそり実行。
スマホの最大音量でオオタカの声を鳴らした!
カラスの様子は…皆刈りたての芝の昆虫を捕食するのに大忙し。
1番近くにいたカラスだけがこちらをチラっと見ただけ。
YouTubeのオオタカが妙な鳴き方を始めた。
交尾の時の鳴き声が流れ出したのだ!
電線に止まっていたカラスが「カーカー」と鳴いた。
何の効果もなかったという実験結果に自分は仕事中に一体何をやっているんだと恥ずかしさを覚えつつ、スマホを元の場所に戻しに行った。
すぐにまたカラスの様子が気になり見に行くと、
19羽に増えていた…!!!
きっと交尾の鳴き声が大音量で流れ出した時の「カーカー」は「おい、バカな人間がいるからお前らも来いよ」と言っていたに違いない。
実験はカラスになめられたあげく、仲間を呼ばれ終了となった。