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冒険のような出勤

タイヤ交換する前に雪が降ってしまった。
出勤どうしよう。
頭の中で色んなことが巡る。
有給……忙しい時期だし却下!
夏タイヤのまま出勤……法令違反だし事故りたくない!!
タクシー……出勤するのにお金払いたくない!
誰か送ってくれる人……そんな人いない!
職場のバスが近くを通るから迎えに来てもらう……これは最悪アリだけど、上司に何言われるかわからないから(ヾノ・∀・`)ムリムリ
徒歩……朝から体力使って仕事になるのか?いや、タクシーよりはマシだ!これで行こう!!

そうと決まれば、極力近道をしたい!!!
車で7分って徒歩だと40分はかかるよね……。
子ども達に近道を聞き出し、もたもたしていたら7時57分!!8時半までに出勤しなければならないのにかなりのんびりしてしまった!!
走らなきゃ!
家の前はガリガリと道が凍って銀世界。絶対これは運転ムリだ。走れば息子に追いつくかな?と数メートルしか走っていないのに息が切れている。
息子から去年ジョギング中に登校ルートを教えてもらい「こんな道を通ってたのね!」なんて驚いたけど、あの近道なら遅刻はまぬがれるはず!
遠くに男の子が見えた。あれ息子っぽいな〜!絶対追いついてやる!と白い息を吐きながらなんとか追いついた!
階段を降りたり信号のないところを突っきったり、これは車では絶対行けない道だ。
小学校の敷地を突っきった方が絶対早いと教えてもらった。
「一緒にいるの見られたくないから」と、それまで仲良く話していたのに敷地では他人のフリをキメこむ息子に可愛さを覚えた。
次は娘から聞いた近道では中学校の前を通るルートが1番の近道らしい。
方向音痴の私に息子からも中学生達について行けば迷わないよとアドバイスをもらった。
ゆっくり歩いて登校している学生集団の中、1人ゼェゼェ走っている姿は恥ずかしいものがある。
多くの中学生が同じ坂を通っている中、1人の男子が公園の中を突っきっていた。
これは近道の予感!!!私はそのカンを信じ、1人はぐれる男子の後に続いた。
えっ、めっちゃ急な坂やん……!雪で見えずらいけど一応階段がある!でも確実に近道!行くしかない!!なんなら私はこういう道を求めていた!!
後ろから来た男子学生集団にあっという間に追いこされたけど、男子達も雪の斜面に「ヤバい!ヤバい!」と叫びながら走っていた。
転ぶことなく無事に下まで駆け下りた。校門前では生活指導の先生らしき人が立っているが、この道を通るのは車か先生か生徒くらい。走っている一般人はめちゃくちゃ浮く。生徒会副会長の母が遅刻しそうで走っているなんて誰が思うだろうなか。娘の友達に気づかれませんようにと思いつつマスクで顔を隠し突破成功!!
マスク内部が息でびちゃびちゃになる前にはずし、走り続けた。
大きい道路まで来て気づいてしまったが、雪が溶けて夏タイヤでも走行可能な状態になっていた。
大きい道路だけを車で通っていれば大丈夫だったのだろう……。
7時と8時では道路状況が変化するのはよくあることだが見極めは難しい。
信号待ちで時計を見たら8時20分!!
さすがに10分あればギリ間に合うだろか?
ラストスパートをかけ、職場の横まで来たらパートさんがいたので挨拶をした。
いつもと違う場所から登場したから他人だと思われスルーされた。
近づいてもう一度挨拶したら「Mさん?!全然気づかなかった!歩きですか?!健康的ですね!」と驚かれた。
職場のタイムレコーダーに打刻したのが8時27分!!ギリギリセーフ!!!!
近道を教えてくれた子ども達ありがとう!!!
上司と先輩に「走って来ました!」と報告すると、めちゃくちゃ爆笑されるのがこの私。
朝から笑いも取れたし、息子と走って登校するなんて初めてだったし、近道もワクワクしたから結果最高な思い出になったじゃないか!と、とても満足している。
職場のバスに乗っていた先輩からは、こういう緊急事態は全然頼ってくれていいから!と言われたので、車が雪でハマった時にはド派手なデザインのバスを召喚し、引っ張ってもらうという羞恥プレイをキメてやろうと思う。


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