私が雪国の交通インフラを構築したい理由(シーズ編)
こんにちは株式会社CuboRexの寺嶋です.今回は前回の記事に引き続き私達が実施している「雪国での交通インフラを構築」について記載します.ただ今回,前回と違うのは「私達」ではなく「私」が雪国での交通インフラを構築したいと思う内容についてです.
私自身が株式会社CuboRexを設立した意図としては「雪国で手軽に使える移動手段を確立したい」という願いもあります.しかしもう一つ大きな理由が「クローラ(通称:キャタピラ)を使った乗り物を作って社会実装したい」という願望があります.これは私自身が和歌山高専の卒業研究から長岡技術科学大学の学部生時代に開発したクローラロボットの開発をしていたことに原点があります.下記の動画はそのときに開発したものです.
これらはレスキューロボット(rescue robot)を略してキューボ(Cubo)と名付けました.大学の学部時代は学生ロボコンの活動と匠の駅の設立・運営(http://takumi-no-eki.rgr.jp/blog/)そしてCuBoの開発を行っていました.そんな中あるときに当時一緒に組んで活動していたFabmobiの嘉数から「クローラを使った乗り物を作ってみては?」という提案をうけました.そこで早速自分が作ったCuBoに土台をつけて僕自身が乗り込んで走ってみるという実験をおこないました.これが大きな転機になりました.
今まで「乗り物」というものは買って修理して使うものだったのが,「自分で作れるもの」になったのです.もちろん動画撮影当時作ったものは乗り物としてはとても実用面で使えるものではありませんでした.しかしそれでも今まで人が操縦するロボットしかつくってなかった自分に対して人が乗れる乗り物を作ることができるという可能性を示してくれました.さらにCuboを大学で作って初めて新潟で雪国の生活を経験して私の研究が雪国での環境において「強み」をもつことを知りました.そこから
「今まで私達が研究してきたクローラに関する研究を雪国で使える乗り物として社会実装したい」
という「志」が生まれたのです.それからはこの志を実現すべくその手段として株式会社CuboRexを設立し今にいたります.
ここまでの話は前回の話が「ニーズ」から「雪国における交通インフラを構築」するのに対し,自分が研究してきたシーズから志を達成したいという内容です.ニーズベースだけでいえば道路を自動で除雪するシステムを開発することのほうがイメージしやすく実際にそういった話をもらうこともあります.しかしながら私がそれをしないのはこういった「クローラを使った乗り物を自分たちの手で社会実装したい」という志があるからです.
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