経産省の規制のサンドボックス制度を利用してみた
趣旨
本記事は経産省が実施する規制のサンドボックス制度について株式会社CuboRexが申請した際の経緯と結果についてまとめたものである。実施自体は2018年の内容になる。
規制のサンドボックス制度とは
プロジェクト型「規制のサンドボックス」・グレーゾーン解消制度・新事業特例制度は、企業の個々の事業内容に即して規制改革を進めていくことを狙いとして経産省にて創設された制度です。
詳細は下記のURLにて記載している。
申請理由
私達は申請当時、雪上電動モビリティ「CuBoard」(クローラユニットシステム:CuBoxの派生)という乗り物を開発していた。プロダクトについて下記の動画をみてほしい
このプロダクトの最終的な目標の一つは雪国における積雪時において歩道でも利用可能な新たなモビリティを社会実装することだった。詳細な内容については下記の記事で記載している。
しかしながら公道である歩道において動力車両であるCuBoardを利用することは規制の関係上難しい。そこで本制度を利用することによって雪国でも一般的に公道(歩道)において動力車両を利用できるようにすることを求めた。
ちなみに私は本件について歩道での利用に強いこだわりをもっている。それは実際に車道においてCuBoardを実験した際に判明した事実にもとづく。下記の動画がその証拠にあたる。
動画を見てもらえればわかると思うが、いわゆる路肩と呼ばれる場所が除雪された雪によってなくなっていることがわかる。そのことからいくら雪上走行に優れた車両であってもランダムに積み重なった路肩の雪の上をはしることは現実的ではなく、また車道において通常走行する車との速度差による危険性が高いと考えたからである。
申請方法
サンドボックス制度への申請については下記のURLから具体的な方法をしることができる。
基本的にはURL内の申請書を記載し、窓口となるメール宛に申し込みたい内容を打診する形である。
申請時のメール文面を添付しておく(2018年7月11日)。ちなみに本件については寺嶋ではなくおもに当時、弊社において事務作業などを担当していた野村が担当として行っている。
申請後のやり取り
上記内容について担当となってくれる方より返答があり、経産省で打ち合わせを行った。そこでグレーゾーン解消制度を利用して申請を行うことを取り決めた。そこでの打ち合わせから下記の資料を作成し、正式な申請の形となった。
その後経産省より当該管轄である警察庁に対して経産省の担当者より打診及び打ち合わせを行って頂いた。
結果
結果としては現行法で解釈される歩行補助車としてCuBoardを扱うことは難しく、原動機付自転車として扱われることになった。
詳細な項目について下記のやりとりを確認してほしい。このあたりの細目についても詳細に確認いただけてとてもありがたかった。
得た学び
今回結果的に現行の法規制の中でCuBoardを歩道で利用することは叶わなかったが、具体的にどういった理由に基づいてそれができないのかを掘り下げることができたことが大きかった。
また具体的な申請から最終結果の導出までが約1ヶ月という寺嶋の認識においてかなり短い時間でおえることができたのも寺嶋としてはとても素早い対応をしてくれた印象をもっている。
今度は今回の結果をもとに「プロジェクト型、規制のサンドボックス制度」を利用して挑戦してみたいと考える。比較的近い事例として和歌山に本社をグラフィット社のサンドボックス制度利用実例も存在する。
最後に
今回の経産省の規制のサンドボックス制度のようにこれからの時代に合わせて現行法の解釈を議論したり、小さな規模感から現行法を超えて実証実験を重ねることができる機会を日本が仕組みとして保有していることに寺嶋はとても感謝している。僕が目指す「ほしい者がほしい物を生み出し試せる社会」の実現にむけてとてもありがたい仕組みと考える。
寺嶋のツイッター
https://twitter.com/simakaze01