公共バスから見える現金による料金システム
CuboRex代表の寺嶋です。今回はバスの料金システムを起点に現代の現金における支払いシステムを分類していく。今回の記事の起点となった出来事が下記のツイートの内容である。紐付いているコメントなどもとても興味深い内容になっているのでぜひ確認してほしい。
詳細な内容はツイート及び紐付けされた内容を見てもらうとして、思ったことが「なぜ僕はお金を支払うことが出来なかったのだろう?」ということだ。世間の常識がないからというのもあるだろうが、常識という言葉だけでこのもやもやを片付けたくないな。そんな思いがあった。最近になってある程度頭の整理がついたので以下にバスの料金システムを含んだお金の支払いの分類についてまとめていく。
条件
・本記事では現金以外での金銭のやりとり(クレジットカード)や現物でのやりとりについて考慮しないものとする。
・取引に関わる全ての工程が数日以内に完結するものに限定する。
支払い方式
本記事においては現金における製品やサービスの支払いの方法について「お金を支払うタイミング」と「対応する現金の種類」の2つの分類を組み合わせて述べていく。
①前払い方式(利用可能な金種に制約なし)
製品やサービスを受け取るまえに(所有権が移る前に)お金を支払う方式。代表例としては公共サービスにおいては医療、飲食関係ではマクドナルドがある。これらはスタッフへ直接金銭を渡すことが多く万額紙幣が使えないといったことは原則存在しない。
②前払い方式(利用可能な金種に制約あり)
上記の方式と支払うタイミングは同じだが利用可能な金銭の種類に制限があるタイプだ。代表例としては自動販売機がある。そのほかだと券売機システムにおける飲食店がある。これらは高額紙幣の利用ができないことが多い。基本的に金銭のうけとりを人間ではなく機械が行っているケースにおいて利用される方式だ。
③後払い方式(利用可能な金種に制約なし)
前払いに対して製品やサービスを受け取ったあとに支払いをする方式だ。代表例としてはレストランや居酒屋などの飲食店、ホテルやネットカフェなどの宿泊施設の利用、カラオケなどもある。あと弊社であったのはイベントアルバイトだ。これは会社でイベントに出展する際に一日だけ友人にスタッフとして手伝ってもらった際にイベントで手伝って貰ったあとに(サービスを受け取った後に)報酬を支払った。
条件からやや外れるが法人同士での取引の多くはこの方式による銀行振り込みであるケースが多い(最近はクレカも増えたが)
④後払い方式(利用可能な金種に制約あり)
さて最後に紹介する方式がこの扱える金種に制限のある後払い方式だ。前述で紹介した公共バスの支払い方式はこれに当たる。
そして公共バス以外でこの④のタイプというのがどれだけ調べても1種類しか出てこなかった。それはコインパーキングである。本当にこれだけである。(もしそれ以外に事例があればコメントで教えてほしい)
公共バスにおける料金システムの問題点と提言
④の支払い方式は他の①②③が多数の事例があるのに対し圧倒的に種類が少ないことがわかった。(④タイプの事例求む)更に④の事例で紹介したコインパーキングの事例は仮に支払うためのお金が足りなかったり、高額紙幣しかなかったとしても、一度支払いをやめ近くのATMに行きお金をおろしたりコンビニでお金を崩すといった選択肢がある。しかし公共バスと言う閉鎖された空間ではそういった選択肢も原則としてとることができない。結果”常識のない”(根にもってる)人はバスへの乗車前に金種の確認を怠り、高額紙幣や交通系ICカードしか持たない状況で公共バスを利用して、金銭が払えないといったトラブルを発生させる。
改めて公共バスの金銭の支払いに関する状況をまとめる。
・後払い制
・高額紙幣が利用不可
・原則全ての取引作業をバス内という閉鎖空間の中で行う必要がある。
上記の3つの状況と同じ要素を持った支払いシステムは現在寺嶋がしる限り公共バス以外に存在しない。確かに公共バスにおいては現在、支払い可能な現金をもって乗ることが常識かもしれない。しかし上記の3つの要素が存在する支払いシステムは公共バス以外に存在せず、一つの事例しか存在しない”支払いシステム”を常識として扱うことに私は違和感を感じる。
現在、都内の公共バスの多くは(すべて?)現金以外に交通系ICカードでの支払いに対応している。おかげで料金の確認や財布の小銭の確認、両替でのもたつきなど気にすることなくストレスフリーで支払いが可能だ。
また海外において仕事で出張にいきバスを利用した際にも助かった。事前にその国で発行されている交通系ICカードを持っていくことでなれない金種でのやりとりやわからない金額などでまごつくことなくワンタッチで支払いができたのは感動ものである。
香港で利用可能な交通系ICカード(オクトパスカード)
観光地域等で外国人や東京からの観光客が多い地域の場合、または今後受け入れを狙っており公共バスを利用してもらいたい場合には上記の内容を気にかけるといい。
謝罪
地方公共バスの運営事業者さん。今回支払い可能な金種をもっておらずご迷惑をおかけしてごめんなさい。
提言
上記のこともあるので公共バスを今後より利用しやすくしていくためにも交通系ICカードでの利用を可能にするなどしていただけるととても助かる。最初からすべての路線で実装するのは難しいと思うので利用者数の多い路線から順次更新していくと支払いのタイムロスや僕のような事例も防げる機会がふえると考える。
最後に
本記事を読んでくれた読者の皆様ありがとうございます。ぜひ今回の記事を機会に既存の”常識”に疑問をなげかけるきっかけにしてもらえればありがたいです。