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CuGoの開発に至るまでの経験 ~高専編~

本記事では株式会社CuboRexが製造・販売を実施する汎用クローラユニットCuGo(キューゴー)についてそれが生まれた背景について説明する

CuGoについて下記のURLを確認してほしい。

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高専での経験と学び

寺嶋は和歌山の出身であり2009年に和歌山高専の知能機械工学科に進学している。高専のカリキュラムでは高校で学ぶ一般教養とは別に工学について専門的なことも学ぶ。特に工作機械の利用の習得や工法の習得、工学演習各種実験など座学で学んだことを活かして(または実学から入り、座学に活かすことも)実際に体験して学べることはとても大きな学びである.

1年の実習では手仕上げや数値制御を伴わない工作機械の学習、図面の作成を行った。

2年では主に上記に付随して各種自動工作機の習得や初歩的な工学実験の実践に既存機械のリバースエンジニアリングを実践できた。ただこの時の心残りとしては組み上げたエンジンを使った作品を作ってみたかったという思いがある。

3年では本格的な工学実験がはじまり、また演習の中でミニロボコン大会が開催され、そこでの競技成績が成績に加味された。私が所属していたチームはステアリング機構を搭載したラジコン的なものを一から作成し段差などを乗り越えれるものをつくった。結果は2位で1位は同じロボコン部で当時ロボコン部の部長をしていた宮口だった。悔しい。

4年になると自身で研究テーマを設定して課題研究やものづくりを行う実習があった。今思えば5年の卒業研究にむけてのプレ的なものであったと考えられる。下記のツイートは4年で開発した空き缶つぶされ機である。寺嶋が高専の佐野研究室に所属して半年間高専ロボコンを実施しながら作ったもので、力学モデルの計算を完全に間違えてしまい、空き缶をいれて動作させるとなんと機械が潰されるという代物になってしまったマシンである。正直これが高専のラウンジで飾られていた時は恥ずかしかった。

クローラ沼にはまった卒業研究

高専の5年には卒業研究と呼ばれる大学の4年に研究室に所属して研究活動を実施し、論文にまとめ発表することで単位を得るのと同様のカリキュラムが存在する。高専でも各課程に属する研究室に所属し卒業研究を実施し、この成果により卒業の合否判定を実施する。

私の場合はロボコンの顧問でもあり機械において電気制御の授業を行っていた佐野和夫教授に師事を願い卒業研究をスタートした。

佐野先生の研究室では主に学生の技術向上を目指した研究内容をとっており研究テーマは学生が比較的自由に設定することができた。

佐野研究室では私が5年生になる前年度においてクローラ走行装置とウィンチ機能を備え建物の屋根まではしごを伝って自力で上り屋根上での修繕及び清掃作業を実施するロボットの研究を実施していた。私自身はこれまで歩行ロボットを高専ロボコンで作っており、他の走行装置も作ってみたいという欲求があった。その中でクローラによる走行装置を備えた昨年度の研究成果はとても魅力的であり、自分たちもこれに類似する研究を実施してみたいとおもったため取り組むことを決意した。なおこのときは私ふくめ同期の山本と寺段も一緒のプロジェクトメンバーとして参加した。

完成品としては下記のものが完成した。この時につくったのは2010年に発生した東日本大震災をうけて災害地での探索ロボットの開発を実施した。この時に開発したものがRescue Robotから文字をとってCuBo(キューボ)と名付けられた

実際に屋外現場で被災地をもした環境で試した。結論からいうと役立てる環境がかなり限定的なマシンであった。言葉をかざらずいうなら現場ではやくたたずなマシンである。具体的にどう役たたずかというと単純に人が入れない環境というのは実際のところ災害地ではそう多くはなく、またロボットには探索能力はあっても直接的な救助の能力はないのである。このことが用途をかなり限定していた。私自身はロボットを創るのに夢中になるあまりそのあたりのコンセプトや用途をあまり大事にしていなかったことが問題となった。

そういった問題点から解決策として私自身が考案したのが動力システムのユニット化による現場環境への適応化である。これは現場状況にあわせて車体やシステム構成を現場環境で構築しなおすことで現場環境における継続的なロボットシステムの最適化を目指すものである。既存の重機などは求められる環境に対して過剰なスペックを有することによってできることを増やしている。反面運用にあたっての弊害はでやすい(災害現場までの運搬の困難など)

下記画像は最終的な発表についてまとめたポスターである。母が残してくれていた。

最終的には私達は高専の4学科合同卒業研究発表会において最優秀特別賞を受賞することになった。またこの時に発表した技術のクローラシステムにおいて特許を取得することができた。

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高専時代での学びを通じて

高専では技術の習得や習得した技術の活かし方など多くのその後の人生において基礎となることを学ぶことができた。おかげで2020年現在株式会社CuboRexが不整地のパイオニアとしてクローラ関係の研究開発に邁進できている大きな原動力となっている。というか研究内容を事業化することに成功したのもこのときの研究成果があってこそである。現在も高専での活動での縁で仲間や仕事を貰うことも少なくない。今後も高専での経験を原動力として「道なき未知を切り拓く」活動をつづけていく。

筆者:株式会社CuboRex代表取締役社長 寺嶋 瑞仁




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