「くもをさがす」
2023年、10月末仕事帰り、日ごろ糖尿病でお世話になっているかかりつけ医で
インフルエンザの予防注射をする時、前日にお風呂上がりに左胸の異変に気付き相談。翌日、再度診察に来ることを勧められ、超音波をとった。その結果を見て大学病院へできるだけ早く診察をしてもらう方がいいと、予約を取ってくださり紹介状を書いてもらった。作者と同じトリプルネガティブ乳癌。ステージ3。
作者の西加奈子さんはカナダで同じ病気に罹患する。私の癌の大きさは作者とほぼ同じであった。癌を小さくしてからの手術をするため、抗がん剤治療が始まる。本に書かれている同じ薬を投与された。全身脱毛、味覚障害、下痢嘔吐、倦怠感、そして発熱。同じ症状が手に取るようにわかる。
私は癌を告知された当初、一時は自暴自棄になり、何も手につかない時があった。乳癌は他の癌に比べると罹患する人も多いが、きちんと治療したら治ると聞かされていた。治療に専念するため、軌道に乗りかけていた仕事を辞め、家族に心配、負担をかけるなら、治療をせず残された日々を自分のしたいことをして過ごそうと思った時も度々あった。
ある日、ママ友に癌の話をした時、いろいろアドバイスを受け、インスタとFacebookで自分の癌を告知する決心をした。たくさんの友人から励ましの言葉をいただき、M先生が「この本を是非読んでください」と送って下さった。
同じ病気でも日本で治療するのと海外で治療するのは全く異なり、比にならい。
それよりも彼女が癌を受け入れ、乗り越えていく姿にとても勇気を与えられた。
この本と出会いで、心身共に安定し、自分自身を素直に受け入れることができ、これから残された日々前向きに楽しみを見つけながら生きていける。
この本との出会いに感謝である。