今日はD-DAY💿１周年記念日

わたしはそもそも誕生日以外の記念日的なものにはあまり興味がなく、加えて記憶の容れ物がちっちゃいのであれこれを覚えていられないし、年齢と共にちまちまと覚えようとすること自体もめんどくさくなってきている身だ。
だけど、今日が何の日だったかは覚えている。
ちょうど１年前の今日、Agust Dの３つめの〝アルバム〟『D-DAY』がリリースされた。
偶然にも自分の親の誕生日だったこともあり、はっきりと覚えている。
そこで、今日という日に、昨年のこの日の日記を読み返しながら（リアルなわたしの日記はこのnoteよりも更に書き散らし感の強い文だけど、内容自体はほとんど似通っている）、あの日に感じたインパクトについて思い返してみたい。

１年前の今日、わたしは落ち着かない気持ちで日がな一日仕事をして、退勤して家に帰るなり着替えもせずにとりあえずTVをつけた。
そして初めて『해금』のMVを観たのだった。
『大吹打』とどこかで繋がっているらしき世界観で、映画のように作り込まれたストーリー性のあるMV。
徹頭徹尾、どこを切り取っても私の大好きなAgust Dに違いなかった。
前２作の時をリアルタイムで知らないわたしにとって、初めてのAgust Dのカムバだ。
過去作でしか知りようのなかった彼が、新しい姿でそこにいて、お箸で物騒なことをしたり絵になる姿でタバコを吸っている。
そうしてわたしは、ユンギさんのビジュアルが強すぎて、言葉を失った。

だがしかし、嬉しいんだけど、その麗しいビジュアルのおかげで、楽曲がいまいち脳に入ってこない…。
予約してあるCDが届くのは翌日だったから、とり急ぎiTunesでダウンロードして全曲を聴いてみた。
音響効果を期待してお風呂にiPhoneを持ち込んで（どうしてもスマホの防滴能力が信用できない昭和世代なんだけど…）、湯船につかりながら聴いた。
震えた。

以下、当時のわたしの日記に記された、うわずった感じの感想だ。

全部わたしの大好きなAgust Dだ！
全曲からユンギさんの音がする。
しかも時系列に従って表現するなら、荒削りなスタートダッシュの『Agust D』、満を持して離陸した感のある『D2』と続いて、『D-DAY』はものすんっごい飛躍！
こなれてるっていうか、もはや熟練の域っていうか。
とにかくユンギさん、聴く側が無防備に全身お任せできるものを作って与えてくれた！
この人は自分を鼓舞するように自らを天才と呼ぶように思ってたけど、本当に天才なのかもしれないと初めて思った。

（※注：わたしのこの最後の言い方、自分しか読まない日記の中に書いたものとは言え、すごく上からユンギさんを批評してるみたいに聞こえる…。
でも、そもそも音楽オタクなユンギさんが自分のことを言葉通りに音楽の天才と思ってるわけではないだろうと、わたしは考えている。
歴史が長くあらゆるスタイルが出尽くしてる音楽の世界で、天才と表現される存在というのがあまりにも稀有ってことは、その世界に身を置くユンギさんが誰よりもよく知ってるはずだから）。

このあと日記の中のわたしは、自分がなんで『D-DAY』を聴いてユンギさんを天才と思ったかを分析しようとしていた。
天才と言ってもいろんなパターンがあるだろうし、どこをとってそう思ったかをちゃんと明らかにできないと、盲目的なファン（わたし）が薄っぺらな褒め言葉で無条件賛美してるみたいになってしまうのがいやだったから。
一所懸命考えをまとめようとしている跡がみえる。

〝自分の好きなもの〟と〝自分が作らずにいられないもの〟と〝ファンが欲しがるもの〟。
このそれぞれを的確に捉えて、絶妙な配合で混ぜ合わせることが出来る人。
配合の按配は作り手それぞれだけど、こんなうまくそれが出来る人って、そうそういないと思う。
しかも今回、その成果物のグレードの上がり方ったらハンパないんだから。
こんな人って他に居ないじゃないか。
私はすごい人を好きになってしまった。
これを知ってしまったら、もう生半可なものじゃ心からは満足出来ないに決まってる。

わたしは圧倒されながら、それを実感したようだった。
長風呂してアルバムを通しで聴いたあとのわたしは、さらにこんなことを考えている。

そしてユンギさん！
『怒りを栄養にして誕生したAgust Dだけど、怒るものが無くなった』てなことをD2のビハインドでは既に言ってたと思うけど…。
でも、まだまだあるんじゃん！
かつての自分たちのように、大変な環境で夢を追う若者たちのため。
世の中のあらゆる虐げられた人たちのため。
自分たちのしてることに無自覚なヘイター達はごまんといるし、自分の保身しか考えてない大人もごまんといるから。
ユンギさんたら、今回から怒る対象がそういう〝社会〟になったんじゃないの⁉︎
ロックだよやっぱりこの人の本質は！
D-DAY聴いて、私はひとつ希望を持った。
ユンギさんはAgust Dをやめられるはずがない。
Agust Dはユンギさんの本質。
そう思っていたい。

…アルバム１枚で、ものすごい興奮ぶり。
こんなことを真剣に日記に綴っていた自分はだいぶ常軌を逸していると今は少し冷静に思っているけれど、多分これからも何か動きがあるたびに、こうやってひとりで熱くなって書きなぐるんだろう。
わたしは心を動かしてくれるものを受け取って、それを噛み砕いて咀嚼して味わってる時の高揚感がたまらなく好きで、その幸せを吐き出さないといられないから。

そうしてその日の日記は、最後こう締められていた。

ちゃんと自分のことを理解しようと努めて、真摯に自分と向き合って、足りないものは努力して時間かけてでも着実に手に入れて、逃げずにずっと第一線で戦ってる人。
それがユンギさんだなぁと、新しいアルバムを聴いて改めて感じる。

それに比べて私は…。
あぁ辛い。
素晴らしすぎて、好きなのにもはや辛い。
この感情は何なんだろう。

感動しすぎて、ちょっと辛くなってて笑える。
ともあれ、それくらいに素晴らしい珠玉の楽曲が10曲も詰まったアルバムなので、まだお聴きでない方は是非。