![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137110212/rectangle_large_type_2_3058f2729d55935a391950f6f6221089.png?width=1200)
Photo by
koiwai_haru
ふしぎなグリーンピース
わたしは、食べものの好ききらいが多い。
「どんなものがきらいですか?」
と聞かれると、子どもが嫌いな食べものが入っているので、ちょっと恥ずかしい。
たとえば、ニンジン、ピーマン、ぐるぐる巻いた貝、牡蠣、たけのこ。
ネギ、ナスやミョウガは、大人になってから好きになった。
そしてグリーンピースだ。
だから、小さいころ、お昼ご飯がチャーハンのときは、大変だった。
母に見つからないように、ネギやニンジン、グリーンピースをはじによける。もちろん、見つかってしまう。
しかたがないので、最後に、大きなスプーンにネギだけ、ニンジンだけ、グリーンピースだけをてんこ盛りにして、口に入れて、水で一気に流し込んでいた。
だから、チャーハン自体がきらいだった。
恐怖のチャーハン。戦慄のチャーハンーー。
グリーンピースは、今もきらいだ。
チャーハンを頼んでも、きれいに残す。
口の中で割ったときの、中身がこなこなしたところが嫌なのだ。
しかし、中学生のとき、わたしのグリーンピース観をこなごなに砕く、できごとが起きた。
母が作った、豆ごはんである。
生のグリーンピースを買ってきて、出汁や塩、酒などで味付けして炊く。
うまい。
うますぎる。
グリーンピースがこなこなしてない。
ほくほくしてる。
ほんのり、味が染みている。
いくらでも食べられる。
何度も作ってとせがみ、そのたびに母はつくってくれ、
そのうちに作り方を教えてくれた。
旬の生の豆を使うこと。
コツなんてそれだけよ~と母は、けらけら笑う。
旬ねえ……。あら! 旬は4月から5月なのね。
今日は久しぶりに、豆ごはんを炊こうかな。
いいなと思ったら応援しよう!
![大人の作文教室](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138011800/profile_a41b99820f1678c339cd5d89b723b506.jpg?width=600&crop=1:1,smart)