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何故「TOOLS BAR」?

千葉に常設の「TOOLS BAR」を11月1日にオープンすることになりました。
詳しくは、とってもきれいにまとめて頂いた記事がありますのでご参照ください。

不安だったリアルストアの未来

「TOOLS BAR」の構想は5年以上前からありました。


ECが勢いをますほどに、リアルストアの存在感は薄れています。自分自身の生活を見ても、航空券とホテルの予約しかしなかったECで、今は衣料品はもちろん、DIYの材料、道具なんかもあたりまえのように買うようになりました。自分が散々ECを利用するようになっているのに自分のお店は客さんが減らないなんて思うのはどう考えてもおかしい。未来のリアルストアの在り方をどう考えるのか?についてはいつも考えていました。


それでもリアルストアには行きたい。

でも、例えば天気のよいお出かけ日和の休みの日に、どこに行こうかと考えたとき、カフェにいくか?公園にいくか?うーん。やっぱり買い物にいこう。気になっていたあの商品みたいもんなあ。あの店の店員さんに会いに行きたいしなあ。と、ショッピングに向かうことはよくあります。
つまり、リアルストアって今や買い物の場所ではなくて、ひとつのアミューズメント施設なのだと思っています。

工具ショップにどうやってアミューズメント性を持たせるか?と考えました。

理想を言えば、コミュ力が高くて、商品知識が豊富で、現場体験があり、商品管理能力があり、人のマネージメントが出来る人を用意して、売れるか売れないかわからない商品を沢山店頭在庫に用意して、どこにも負けない値段で売る。
例えお客さんにとって最高のお店だとしても、本当にこんなお店を作ろうとしたら、確実に商売として成り立ちません。なぜなら、そこまでのお店を作ってもお客さんはネットの最安値で購入してしまうからです。お客さんの満足度を高めてもビジネスとして成立しなければ、社会への価値創造にもならないし、働く人たちの幸せにも繋がりません。
では、どうすればよいのか?
これからのお店は、リアルストアとしての機能以上の魅力を持っている必要があるのです。

生まれたのはバーのある工具ショップ
2019年の5月に台湾にファクトリーギア台湾をオープンしました。
そこは『DEEN Style tokyo』という施設名にして、バー、そしてヘアサロンを併設し、今まであまりおいていなかった工具関連のアパレルも置きました。工具だけではなくライフスタイルとしての提案をお店で具現化してみよう。そんなコンセプトでした。
しかし、飲食の経験の全くない私たちには運営は簡単ではありませんでした。
飲食店のお客さんは人に付きます。アマチュア運営のお店はすぐにアマチュアを見抜かれます。付け焼刃で飲食を経営しようとしてもそんなに簡単ではないのです。最初に2年間は赤字を垂れ流しました。しかし、ラッキーなことに、もうそろそろこの形をあきらめようかというところに、台中市内で飲食経験のあるスタッフが加入しました。するとあっという間に黒字化。結局飲食店は人なのだと思いました。そして、バーでもユニークな繋がりが出来てきました。法人ビジネスのネタがポツポツと増えていったのです。

そうか、飲食店って人を繋ぐところなんだ!

2021年春、東京天王洲アイルにファクトリーギア東京店を移転しました。その時、たまたま残置品としてあったバーカウンターを活かし、週末金曜日限定のツールスバーをすることにしました。
さらに、1990年からずーっと時間をかけて形を作ってきた千葉県九十九里海岸沿いのビーチハウスに、ガレージを作り、手作りサウナを作り、BBQエリアを作り、サテライトオフィスとして交流の場や、撮影の場所としての稼働を始めました。
春から夏にかけては週一回位の間隔でBBQ交流会を開催。
すると、そこから生まれた繋がりが次々にビジネスになっていきます。そしてこの交流イベントをきっかけに入社するスタッフも出てきました。

ヒントはここにありました。

私は工具販売業者です。工具を売ることがメインの仕事です。しかし、今はただ工具を買うだけならばネットで簡単に買えます。つまり、リアルストアの存在価値はドンドンなくなってきています。
しかし、人が繋がりだすと、ネットでは買えない工具販売の可能性が出来てきます。
GIGAファクトリーギア神戸というこれまでのファクトリーギアの規模ではない350坪という巨大なお店を2024年春にオープンしました。
ここもただ売るだけのお店ではありません。ファクトリーギアの発信力を利用して社会に新しい価値を提案するメディアとしての機能となっています。

ちなみに、このお店のプランニングをする人との出会いのきっかけも九十九里でのBBQ交流会でした。

お店が人と人とを繋ぐ触媒になる。工具を売るだけではないお店にする。台湾のお店は動き始めてきました。東京のお店も九十九里での繋がりからコミュニティーが生まれ始めていました。そこに2024年4月から東京FMで「TOOLS BAR RADIO」が始まり架空のバーで展開されるモノつくりのストーリー。人が繋がって新たな価値が生まれてくる空間が、架空ではあるけれども生まれ始めました。

やはりバーをやりたい。

ファクトリーギアのルーツは千葉県です。
柏周辺が強いのですが、私のアンテナは千葉駅周辺に立ちました。オートモーティブだけでなく、産業、設備、メーカーのみなさんなどにもファクトリーギアの提案する、上質な工具とクールなスタイルを発信したい。
やるならば千葉。毎日のようにお店の情報を集めているとある時、イメージにぴったりの小さなバーが見つかりました。
ちょうど、そのタイミングで九十九里の交流会に頻繁に参加していて、飲食系の会計業務を担当していたスタッフが加入しました。さらにバー経験のあるスタッフがEC部門に入社してきました。さらに!九十九里のバーベキューに来ていた東金在住の方が千葉市に引っ越しをして、バーの仕事をしても良いというのです。
何かが始まる時は、こんな怒涛のつながりが、いつもできます。
そしてあっという間にバーのオープンが決まりました。



人を繋ぐだけのバーではありません。

TOOLS BARは人を繋ぐだけのバーではありません。
ECで購入したものを、受け取りに行き現品を確認してから持ちかえる。ための拠点になります。置き配でのトラブルが気になるユーザーが増える中コンビニ引き取りなども増えていますが、コンビニでは中身の確認が出来ません。しかしTOOLS BARならば現品を確認して引き取ることが出来ます。さらに気になる新商品や人気商品もBARで触ることが出来る。グラスを片手に工具チェックという全く今までにないリアルストアとなるのです。

もしかすると新しいストアの形になるかも

つまり、これは新しい時代のスタイルとなるかもしれないユニークな取り組みになりそうなのです。
新商品発表会、勉強会、トークイベントなどの、貸し切りのオファーも来ています。
ファクトリーギアは、ストアビジネスに大きな変革をもたらす第一歩を歩み始めました。

そして、ここから発信される工具の素晴らしさ、魅力的な働く環境づくりがワーカーの皆さんの日々を豊かに変革することに繋げたい。

私の人生を作ってくれた額に汗して働くたくさんの人の力になりたい。
そんな思いが溢れています。

2024年11月1日
“Gg” Tools bar keiyobay
千葉県千葉市にグランドオープン

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