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上質工具って必要なの(日記2006年5月29日)

2022年8月8日に想うこと

今から16年前なんだけど、きっとこの時に、安い工具を売っていこう
という選択をしていたら、今の私は、そしてファクトリーギアは
全く違うものになっていたと思います。

その判断が良かったのか?
悪かったのか?
それは今もわからないけど、
日本の市場に世界から、沢山の良い工具が入ってくる機会を
作れたのは事実だと思います。

そして、私は、今もよい工具の持つ魅力を強く感じているし、
それを伝えたいと思っています。

続けてきてよかったなあと、思うのは
この16年前の高野倉さんのおかげです。

ということで、
今日もタ~イムスリップ!


上質工具って必要なの?

先日友人の某大手自動車メーカーのメカニックと一緒に食事をしたとき
のことです。

『たしかにさあ、昔はよくスナップオンだのなんだのって
いい工具使っていたけど、いまはAの工具で充分だと思っているよ。
だってさあ、スナップオンだって壊れちゃうし、安い工具でも
一緒だもんね。』

『・・・・・・・。』(私)

それをいっちゃあおしまいだよ。オレの仕事なくなっちゃうジャン
などと思いながらも、全くその理屈はその通りだし・・・。

事実、ここ数年で台湾の工具のクオリティーは、べらぼうにあがっている
し、ヨーロッパの工具メーカーだって、自国内での製造にこだわらず、
アジアや、東欧諸国に工具を作らせるようにもなっていて、
クオリティはかなり良くなっています。

そして、安い!!!

10年前はスナップオンとKTCを売っていればそれでお店は
充分でした。
スナップオンにはスナップオンのクオリティーがあって、
KTCにはKTCのクオリティーがありました。

だからクオリティーと価格は、そこそこ納得がいくものでしたけど、
今となると、あまり大きな違いが現れにくくなっているのは
本当のことだと思います。

「そうなるとさあ、やっぱりいい工具いらないじゃん。」



でもね、工具に求められるものって、壊れる壊れないだけ
じゃないと私は思うのです。
工具を手に入れるということは新しい関節を一つ手に入れること
でもあると思うのです。
人間にもう一個関節が出来たるんですよ。
それはもう、凄い可能性広がります。

そんな新しい自分の新しい関節になりうる道具には、
それなりのこだわりをもって選んでみたほうがよくありませんか?
その手助けをするのがファクトリーギアだと思っています。

つまりたーくさん工具並べてなんでもあって、
その店は非常にわかりやすく分類されたディスプレイをしていて、
誰でも簡単に工具を引っ張り出せて、
工具は見やすい明るい雰囲気で清潔で・・・・。

そりゃそうだ。そんなお店、お金がありゃあ誰でも出来る。

わざわざ上質工具なんて、手間かけずに売るのが大変なもの
売らなくたっていいじゃないですか。

「御社は海外の工場から直接、工具を買えるんだから、ドコよりも
安くそこそこ使える工具を仕入れて、沢山売るほうが効率よいのでは
ないですか?」
と、銀行やコンサルの方からは何度も助言をいただいてきました。

でも、私はその、なんだか面倒だけど、良いものを売るという仕事を
やりたいんですよね。

誰しもが簡単に出来ない。
手間がかかる。
金もかかる。
リスクもある。

だから儲からない。

でも、私はだからこそ、我々のような小規模企業が
仕事に出来ると思うし、世の中に本当の価値を生み出せると思うんだなあ。


「上質工具を売るためにはすべてが上質でなければならない。」

だから、スタッフ自身が上質な人間性を持っていないといけない。
なんて、ことを目指すって、カッコよいと思うんですよねえ。

『だって、ファクトリーギアなんでしょ!!』



こんな風に叱られる工具屋。
ありがたいよね。
多分、今後もそんな風に叱られる工具屋、そう簡単には出てこないと
思います。

だからこそ、もうひとつ上の高みへチャレンジしようよ!
っていうかチャレンジしなくちゃ。。。


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