所有物をスーツケース2個分にする方法
# Intro
昨年ボクの所有物をまとめた電子書籍をリリースし、多くの方々に読んでいただけて本当にうれしく思います。
所有物を少しづつ減らし始めたのは2010年頃で、東日本大震災をきっかけに本格的に着手し、スーツケース2個に収まるまでになったのが2016年です。最初はここまで減らすつもりはありませんでしたので、結果的に7年くらいかかっています。
ボクもこれまでにたくさんの服や靴、本やDVDなどを買いましたし、趣味でDJもやっていたので様々な音楽機材や膨大な数のアナログレコードも所有していました。そして社会人になってから広告の仕事をするようになり、日々人々に消費させるための手伝いをしているうちに、大して好きでもないモノを買ったり所有していることにウンザリしてしまったんです。
その反動からか、服やガジェットも選りすぐった必要最低限のモノだけを持つようにしようと所有物を少しづつ整理し始めました。そして旅好きだったこともあり、普段から旅先のホテルにいる時のように生活したいと思って模索していたら、いつの間にかスーツケース2個分の所有物になっていました。もちろん新しいモノも買っていますが、ここに収まらないモノは所有しないようにコンパクトで身軽な生活を心がけています。
このnoteにはこれまでボクが実践してきた、所有物をスーツケース2個分にするためのルールとノウハウや、コンパクトで身軽に生活するための考え方をまとめました。モノで溢れ返った自分の部屋にウンザリしている人や、モノを減らして生活をもうちょっとシンプルで快適にしたいと思っている人の役に立てればうれしいです。
# 1.モノを持たないメリット
モノが無い生活の快適さ
旅好きということもあって、普段から旅先のホテルにいる時のように生活したいと思っています。旅先でホテルに泊まると、最低限のモノしかないのに何も不満は感じないどころか、普段の生活よりも快適さを感じると思います。もちろん家事などの生活全般に浪費される時間と労力から解放されるのもありますが、少ないモノと広々とした空間はとても気持ちが安らぎます。旅に出ることで普段いかに無駄なモノに囲まれているかを実感できます。
最近ミニマリストが増えていますが、中にはベッドやデスクまで手放している人までいるようです。モノを持たないことばかりにフォーカスして、快適性や生産性が落ちてしまっては本末転倒だと思いますね。
モノは精神的なスペースまで占拠する
モノは生活を便利にするためには欠かせない道具ですが、使わないモノに道具としての価値はありません。ボクは自分で管理できて持ち運ぶことができるモノだけで生活しているので、何に使うかわからないモノや、持っていることを忘れていたモノなど一つもありません。
東京の都心で暮らして高い家賃を払い、そのスペースを使いもしないモノで埋めてしまうなんて本当にバカバカしいです。当たり前ですがモノが無ければ収納スペースは必要無いし、掃除や管理するのも簡単なので時間もお金もかかりません。さらに精神的な余裕が生まれるので行動力も上がって移動距離も伸びるし、すぐに引っ越せるので世の中の変化や天災などのあらゆる危機にも柔軟になります。モノは物理的なスペースだけでなく、精神的なスペースまで占拠してしまうんだと思いますね。
モノより経験
数年前からモノを所有することよりも、情報や知識、体験や経験などへと消費がすっかりシフトしました。ボクがモノを持たないのは、あくまで身軽でコンパクトになって移動距離を伸ばし、より多くの知識や経験を得て、人生を豊かに楽しく生きるためです。モノを減らすこと自体が目的でなく、自分がやりたいことに資金や時間、意志力などを集中するための手段の一つに過ぎません。
『「幸せをお金で買う」5つの授業 – HAPPY MONEY』によれば、洋服や電子機器、家などの物質的なモノを買うよりも、旅行やライブ、食事などの経験にお金を使った方が幸福になり、さらにそれらは計画を立てて楽しい想像するだけでも幸福感を得られるそうです。確かに形あるモノはいつか壊れるし、手に入れても満足感は薄れてすぐにまた違うモノが欲しくなってしまいますが、経験は思い出としてずっと残るし、自分自身の知識やアイデンティティになっていきます。たくさんのモノを所有することは幸福感に直結しません。
# 2.音楽、映像をデジタル化する
CD、DVDをリッピングする
近年はiTunes、Amazon、Netflix、Huluなどを利用すれば膨大な映像コンテンツをストリーミングでいつでもどこでも楽しめるし、Apple MusicやSpotifyなどを利用すれば膨大な楽曲をストリーミングで好きなだけ楽しめます。このような市販されているコンテンツはもはや非物質なデジタルデータすらも所有する必要が無い時代になりました。
もしもまだ自宅にCD、DVD、アナログレコードなど、物理メディアで所有している音楽、映像があるなら全てデジタル化して処分しましょう。CDのリッピングやエンコードには『X Lossless Decoder』、DVDなら『MacX DVD Ripper Pro』が高機能でオススメです。物理的なモノを所有することに価値があるという20世紀的価値観から脱却しましょう。
Apple iTunes Match
ボクは現在約20,000曲ほどの音源を全てiTunesで管理していますが、アップルの音楽クラウドサービス『Apple iTunes Match』を利用することで、ミュージックライブラリ全体がiCloudに保存され、iOSデバイス、コンピューターなどを使っていつでもどこからでも音楽を楽しむことが可能になります。かつてiPodのコンセプトだった、所有するミュージックライブラリをそのまま持ち出すということがようやく実現されました。
Spotify
近年音楽ストリーミングサービスは『Spotify』を利用しています。約4000万曲もの膨大な音楽を聴くことができ、広告が表示される無料版の「Free」と、月額980円の定額制の「Premium」という2種類のプランが用意されています。「Free」は30日ごとに15時間のストリーミング再生が可能で、最新のトップチャートやプレイリストなどを聴いたり、『Spotify』の基本的な機能が利用可能。「Premium」は、広告非表示で音楽を高音質の320kbpsで楽しむことができ、スマートフォンやタブレットに音楽をダウンロードしてオフラインでも再生可能。
すっかり『Spotify』が音楽を楽しむための生活インフラになりましたが、気に入った音源は、iTunes、Amazon、Beatport、Traxsourceなどからダウンロード購入しています。
# 3.あらゆる紙をデジタル化する
スキャンする
プリントされた写真、書籍、雑誌、書類、説明書、カードなど、あらゆる紙をスキャンしてどんどんペーパーレス化していきましょう。
以前にボクが愛用していたのは、カールの裁断機『ディスクカッター DC-210N』とキヤノンのドキュメントスキャナー『DR-C125』ですが、現在はPC以外にもスマートフォンやタブレットからワイヤレスでスキャンできる新モデル「DR-C225W」が発売されています。
ただ、書籍や雑誌を自分でデジタル化すると、冊数によってはかなり時間と労力がかかるため、『電子化本家』などの自炊業者に送ってアウトソーシングするとスゴく捗るのでオススメです。
現在はポータブルオートスキャナーを愛用しています。スキャナーに用紙を挿入するだけでSDカードに保存でき、最大A4サイズまで対応し、スキャンデータはJPEGとPDFで保存可能。また、SDカードリーダーを使用しなくても、MacやPCにUSB接続すれば保存したスキャンデータにアクセスできます。機能的には必要最低限ですが、バッテリー駆動可能なポータブルスキャナーが1万円以下というリーズナブルな価格が最大の魅力ですね。』です。スキャナーに用紙を挿入するだけでSDカードに保存でき、最大A4サイズまで対応し、スキャンデータはJPEGとPDFで保存可能。また、SDカードリーダーを使用しなくても、MacやPCにUSB接続すれば保存したスキャンデータにアクセスできます。機能的には必要最低限ですが、バッテリー駆動可能なポータブルスキャナーが1万円以下というリーズナブルな価格が最大の魅力ですね。
近年は Kindle化されてない書籍を自分でデジタル化せずに、Amazonなどのオンラインストアから直接自炊業者に送っているのでこれで十分です。
iPad Proには音楽や映像、写真だけでなく、雑誌、書籍、書類、説明書、カードなど、あらゆるものをデータ化して入れています。ここ数年は主に読書や映像を楽しむビューワーとして使っていましたが、最近は簡単な写真や映像の編集、音楽制作やDJプレイ、手書きノート代わりとして使うなど、ちょっとしたクリエイティブワークにも使うようになりました。
アップル純正スマートカバーと、ベゼルにはさんで固定するApple Pencilホルダー「LINK」とセットで愛用しています。
ドコモによる、月額432円で200誌以上の雑誌が読み放題になるスマートフォンとタブレット向けサブスクリプションサービス。アプリのUIデザインがかなりクソなんですが、肝心のコンテンツの方はBRUTUS、Casa BRUTUS、Pen、Newsweekなど、結構充実しています。
これまで情報収集のために週に1度は書店に行き、気になった本や雑誌などをチェックしていましたが、最近はこのサービスのおかげで書店へ行く回数がめっきり減りました。おもしろい本との偶然の出会いもSNSなどで代替できてしまっていますね。
クラウド本棚
データ管理にはプライベートでも仕事でもクラウドサービスをフル活用していて、あらゆるデジタルデータをクラウドサービスに保存しています。スキャンしたデータも、Dropbox、Googleドライブ、Evernoteなどのクラウドサービスに保存しておけば、デバイスがインターネットに繋がればいつでもどこからでもデータにアクセスできるし、万が一ローカルにあるデータが無くなってしまった場合のバックアップにもなります。
# 4.不要品を手放す
先に手放す
新しいモノを手に入れたいと思ったら、まず先に古いモノを手放すようにしています。心身ともに身軽に生きるために、モノも情報も何かを新たに得るよりもまず手放すようにして、常に流れを良くすることを心がけています。
個人間取引サービスを利用する
不要品は『ヤフオク!』や『メルカリ』などの個人間取引サービスを利用してお金に変えています。友人や知人に譲るのは時間と労力がかからずラクちんですが、タダになるか相場より安くなってしまいますからね。もちろんモノによっては時間優先で捨ててしまうのもアリです。
以前に高価なブランド物をあえて捨てるという荒業を試したことがありますが、それ以来高価なブランド物に全く興味が無くなりましたね。高価なブランド物にどうしても執着してしまう人は是非一度試してみてください。
思い出のモノは写真で残す
人からもらって扱いに困る土産やプレゼントなどは、感謝をもって手放してしまいます。モノと感情を切り離して考えるのがポイントです。大切な思い出の品まで無理に手放すことはないと思いますが、写真に撮ってデータ化すれば壊れることもなくなるのでむしろメリットは多いです。
もらわない
土産やプレゼントは消え物だけもらうようにし、誕生日や記念日などのプレゼントも、モノではなく食事や旅行などにしています。写真や映像に撮っておけば楽しかった思い出としてずっと残りますからね。
また、無料だからと言って使いもしないモノはもらいません。その場では受け取らざるを得なかったとしても、絶対に家の中に持ち込まないようしています。何かに使えるかもしれないからとりあえずもらっておこうというセコい考えは捨てましょう。
一時退避ボックス
ボクは様々なデジタルガジェットを購入して試すので、手放すかどうかすぐに判断できないモノは、期間を決めて『バンカーズボックス』に収納しておきます。手放したのに結局また買い直すのもバカらしいですからね。今は使わないけど、季節によって使う衣類や家電があると思いますが、1年使わなければこの先使うことはないので手放しましょう。
引越す
引越すことで所有物をリセットできます。当然荷物が多ければ費用も高くなるので、不要品を処分するには良い機会になります。
以前に一度所有物を全て段ボールに詰め込み、使うモノだけをその都度取り出していく実験をしたことがありますが、本当に必要なモノを見極めることができるのでオススメです。これならわざわざ引越さなくても手軽にできるので、モノで溢れ返った自分の部屋にウンザリしている人は是非一度試してみてください。
# 5.消耗品と長く使うモノ
デジタルガジェットは消耗品
ボクは新しいデジタルガジェットはとりあえず試してみるというくらいハイテクガジェット好きですが、あくまで消耗品として割り切って使っています。
現在カメラは『Sony α7 II』に、ライカMレンズを組み合わせて愛用しています。ソニーの最先端デジタルボディと、熟練した職人たちによって手作りされたライカレンズという組み合わせが気に入っていますが、ボクのカメラ選びの基準はライカレンズが使えてコンパクトであることが重要なので、デジタルボディはどんどんアップデートしています。先月発表された後継機「Sony α7 III」に近々買い替える予定です。
なのでデジタルガジェットは手放すことを前提にリセールバリューを考えて購入しています。例えばアップル製品はよく高価だと言われますが、他社製品に比べて値下がりしません。ボクは「iPhone 7 Plus」のSIMフリーモデルを発売当時に107,800円で購入していますが、現在愛用している『iPhone X』に買い替える時に80,000円以上で売却しています。1年間使用して25,000円程度と考えると決して高価ではありません。
長く使うモノ
デジタルガジェットはすぐに買い替えますが、生活家電のようにアップデートサイクルが長いモノや、アナログのモノは徹底的にこだわって購入するので、壊れたり使えなくならない限り買い替えることは滅多にありません。
ファッションに関しては、トレンドなど全く気にせずに好きなモノを何年も着続けて、ダメになったらまた同じモノを買い直すっていうのを繰り返しています。Tシャツやアンダーウェアのような消耗品も気に入るとずっと買い続けるので、いつでも補充できるモノを選ぶようにしています。
また、長く使えるモノでもいつかは壊れるし、失くしてしまうこともあるので、そういった場合に買い直せばいいと思えないような高価なモノは購入しません。あくまで道具に過ぎないはずのモノに所有されたくありませんからね。そもそも「一生モノ」のような高級品に価値を感じることはありませんが、自分にとって身の丈にあったモノを選びたいですね。
# 6.ワードローブを最小限にする
周りの目を気にしない
ボクはほとんど毎日同じ服を着ていますが、周囲にはオシャレでこだわりが強いと思われています(笑)。こだわりが強いのは事実ですが、毎日違う服を着なきゃいけないルールなんてないし、自分が着ている服を他人は大して気にしていませんよ。自分に何が似合うかや、自分のスタイルを見つけるまでには時間と経験が必要ですが、試行錯誤を繰り返して追求してみてください。
20代までは高価なブランド物を買ったりしましたが、ブランド物を身に付けたところで自分の価値が高まるわけじゃないし、高価なのも承認欲求を満たすための付加価値を企業が過剰に付けているだけに過ぎません。見栄や周りの目を気にして消費をするなんて本当にバカバカしいですね。自分が本当に価値があると思うモノだけを購入しましょう。
毎日同じ服を着ることのメリット
スティーブ・ジョブズはいつも黒のタートルネックにジーンズ、ニューバランスのスニーカーというファッションで有名ですが、著名人の中にも毎日同じ服を着ることで、一日の意思決定のためのエネルギーを消費しないようにしている人たちがいます。
毎日服を選ぶのに時間と労力をかけることほど無駄なことはありません。毎年トレンドを追いかけて服を買い替える人よりも、今はもう毎日同じ服を着る人の方が強いアイデンティティを持つ時代へと変わったと感じますね。
スタイルとは、その人の生き方やこだわりがやがて衣服や小物といった外見に反映され、染み出てきたものです。 一朝一夕では身に付かない、毎シーズン買い替えることができないものなんだと思います。
# 7.代用できるモノや兼用できるモノを選ぶ
代用できるモノがないかを考える
モノを購入する時はできる限り所有物が増えないように、代用できるモノがないかを考えて選んでいます。例えばiPhoneなら以下のモノなどを代用できます。
単一機能のモノは使いやすいですが、毎日仕事で使うモノならともかく、多機能なモノで代用できるならばそれに越したことはありません。
また、長年愛用しているレザーマンのマルチツール『Wave』は、大きなサイズのナイフ、丈夫なプライヤー、ワイヤーカッター、栓抜き、缶切りなどの様々なツールが収まっていて、日常生活に必要なツールはこれ1本あればほとんど事足ります。必要ならコンビニや100円ショップでもそれなりの工具を購入できるので、使いもしないたくさんの工具を所有しているなら、一度リセットしてみることをオススメします。
ちなみにボクは文房具や工具をまとめておくのにはビニールポーチを愛用しています。透明だといちいち開けなくても中身が確認できて便利なんですよね。今まで色々なツールボックスを使ってきましたが、改めて必要なモノだけを選び直したらこんなにコンパクトになりました。
幅広いシーンで兼用できるモノを選ぶ
モノを購入する時は使用頻度や使い勝手を考えるのはもちろん、幅広いシーンで兼用できるかを考えて選んでいます。現在ボクが所有しているアウターは以下の通りです。
仕事柄いつもラフな格好で働いているのと、アウトドアや旅先で過ごすことが多いので、近年はこのセレクトで落ち着いています。全て軽量でかさばらない素材なので、コンパクトに折りたたむことができます。また、これらを組み合わせることで、普段の生活から旅先、真冬の雪山でのスノーボードまで、あらゆるシーンと全天候に対応できます。
一番使用頻度が高いのはソフトシェルジャケット『Arc’teryx Squamish Hoody』で、タウンユースやランニング、アウトドアや旅先までフル活用しています。保温性の高いインナーとインナーダウン『mont-bell Plasma 1000 Down Jacket』を組み合わせれば真冬も乗り切れます。年末年始も気温0度の東京と、30度あるフィリピンのパラワン島を往復しました。どちらも使わない時には片手に収まるサイズに折りたためるので、旅先ではもちろん、普段使いでもバッグに突っ込んでおけて便利です。
# 8.旅先に持ち出せるモノを選ぶ
軽量コンパクトなモノを選ぶ
昔からデジタルガジェットを選ぶ時にはコンパクトで気軽に持ち運びできることを重要視してきました。モバイルマシンをiPadにシフトする前のMacBookは常に最小サイズを使い、カメラもミラーレスカメラの登場により大きくてかさばる一眼レフを使うのをやめました。
数年前からテレビのような据置型の電化製品は生活家電を除いてすっかり買わなくなりましたが、近年は普段自宅で使う電化製品も簡単に持ち運べて、そのまま旅先に持ち出せるモノを選ぶようになりました。現在ボクが所有している美容家電は以下の通りです。
軽量コンパクトなモノだと、出かける時に持って行こうかどうしようかいちいち迷うことが無くなって使用頻度は上がるし、自宅用と旅行用を別々にしなければ所有物も増えません。
写真や音楽、映像や書籍などのソフトがデジタル化されてどこでも楽しめるようになったのと同様に、ハードも大きくて持ち運べないようなモノは今後ますます必要無くなっていくんでしょうね。たくさんのモノを所有することや、大きいことはいいことだという20世紀的価値観から脱却しましょう。
折りたためてスタッキングできるモノを選ぶ
日用品も軽量コンパクトなのはもちろん、折りたためるモノやスタッキングできるモノを選んでいます。現在ボクが所有しているキッチンツールは以下の通りです。
以前は友人の影響でそれなりの料理を作れるようになりたいと思い、いくつかのキッチンツールを揃えて料理を楽しんでいましたが、近年は食生活とライフスタイルを改めて考え直して大幅にシンプルでコンパクトにしました。
一人暮らしなので、自宅では朝食以外を自炊することは少ないし、極力手間と時間をかけずにシンプルで健康的な料理を食べるのが目的のため、必要最低限のキッチンツールがあれば十分ですね。日常生活でもこのセットがあればまず困らないし、アウトドアや旅先に持って行くのにも便利です。
食事は基本的に毎日朝は玄米と味噌汁、昼は玄米とちょっとした惣菜、夜はその日の予定次第で特に決めないという玄米生活を送っています。毎日玄米ばかりで飽きないのかと思われそうですが全く飽きません。それどころかむしろ体調は良いし、料理の手間も時間もかからず必要なモノも少なくて済むなどメリットしかありませんね。これまでに野菜中心の食生活や、肉を食べるのをやめてみたりと色々と試してきましたが、しばらくはこんな玄米生活を続けてみたいと思います。
# 9.容量の上限を決める
パーキンソンの法則
『パーキンソンの法則』というものがあります。
モノにもパーキンソンの法則が働いています。モノは空いたスペースを埋めるように増えてしまうので、まず先にモノを収納する容量の上限を決めてしまいましょう。特にかさばる衣類は数ではなく容量で考えることが大切です。例えば厚手のニット1着は、前述したボクが所有するアウター全てを合わせたよりもかさばってしまいます。
ボクはリモワのスーツケース『Salsa Sport Multiwheel 80』2個に収まり切らないモノは持たないというマイルールを課しています。収納家具は所有していないので、『バンカーズボックス』を積み重ねて収納家具として使っています。
同様に、サーフィンとスノーボード用のギアはそれぞれのボードバッグに収まるモノだけ所有するようにし、毎日持ち歩くEDCアイテムもパンツの前ポケットに収まるモノだけと、モノを収納する容量の上限を決めています。
容量の上限はクローゼットなど何でもいいと思いますが、間違っても「収納グッズ」などという無駄なモノを買わないようにしてください。世の中には収納術と呼ばれる情報は山のようにありますが、結局はテクニックよりもモノとどう向き合うのかが重要なんだと思いますね。
広いスペースは必要無い
今はコンパクトな家と必要最低限のモノだけで快適で豊かに暮らすことができる時代です。変化のスピードがますます加速し、いっそう予測不能になっている今の時代は身軽に動けることの方が重要です。大きな家なんて溜まるモノが多くなるだけです。
高価なブランド物を身に着けたり、高級車を乗ることがステータスではなく、むしろダサくなったのと同様に、これからは自己顕示欲に満ち溢れた大きな家に住み、たくさんのモノを溜め込むことはダサくなっていくでしょう。
# 10.必要な時に利用する
住んでいる街自体を自宅の設備として考える
都会に住んでいるなら何でも自分でやろうとして、色々なモノを所有する必要はありません。街自体を自宅の設備として考えて必要な時に利用しましょう。
自宅に友人を呼んで手間と時間をかけて料理を作らなくても、美味しい料理が食べられるカフェやレストランがそこら中にあるし、スーパーマーケットに行けば食材や惣菜がいつでも手に入るので、大きな冷蔵庫やたくさんのキッチンツールは必要はありません。
自宅に高価で大きなオーディオシステムやホームシアターを設置しなくても、家庭用とは比べものにならないシステムを備えた映画館がそこら中にあります。かさばるトレーニング器具を所有しなくても、スポーツジムを利用すれば最先端の設備でトレーニングできます。コンビニのマルチコピー機をプリンター代わりに、図書館を書斎代わりに利用するのもいいでしょう。
ボクは住む部屋を探す際、駅近で職住近接なのはもちろんですが、宅配ボックスと浴室乾燥機、近所に高品質な食材が買える24時間営業のスーパーマーケット、美味しい料理が食べられるカフェやレストラン、ランニングができる大きな公園や川があることなどを必須条件に選んでいますね。
レンタルやシェアリングサービスを活用する
最近使い始めたカーシェアリング『careco』は会員カードが不要で、入会手続きを済ませたら、車の予約からドアロックの開錠、予約時間の変更や利用時間の延長、利用終了時の車のドアロックの施錠まで、スマートフォンのアプリだけで完結することができます。
東京の都心で暮らしていれば、公共交通機関が発達していてタクシーもいつでも捕まるので、車を所有する必要性をほとんど感じませんでしたが、近年はレンタカーだけでなくカーシェアリングが手軽に利用できるようになってきたので、もはやメリットがありませんね。今後ますます個人で車を所有する人は、車が好きで運転するのが楽しいという人や、車にステータスを感じるという人だけになっていくんでしょうね。
自転車シェアリングもどんどん利用エリアが拡大されてきましたし、ファッションレンタルサービスも増えてきています。ボクは仕事柄スーツを着用するシーンが無いので、もし必要な場合はレンタルで済ませています。 様々なモノがどんどん「所有」ではなく「アクセス」できることが価値になってきているのを実感しますね
家事をアウトソーシングする
サービスアパートメントやホテル暮らしなら生活に必要な設備一式が揃っていて、家事などの生活全般に浪費される時間と労力から大きく解放されて理想的ですが、一般人にとってはコストが割高で現実的ではありません。
ボクは日常的な家事に浪費される時間と労力は、食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機、ロボット掃除機を使ってそぎ落とし、キッチン、風呂場、トイレなどの水まわりの掃除も、自分でやらずに家事代行サービスを利用してアウトソーシングしています。部屋の掃除や片付けはもちろんのこと、洗濯物までたたんでくれるのでラクちんです。今までに色々と試しましたが、東京都内であれば相場は1回5,000円程度ですね。鍵を預けて不在時に掃除してもらっています。
時間はお金で買えないとよく言われますが、このような時間であればお金で買うことができます。自分にとって重要でないことに時間と労力をかけることほど無駄なことはありませんからね。
# Outro
所有物をそぎ落としていくと、残したモノに人となりが表れます。その人がどういうことに価値や豊かさを感じて、本当に必要なモノを見極めたのかが見えてきます。
ボクは旅行やアウトドアで過ごすことが好きなので、それに関連したアイテムやガジェットを多く所有しています。これらは興味の無い人からすれば無駄なモノですが、ボクにとっては人生を豊かに楽しく生きるために必要なモノです。自分にとって重要なのは何かを見極め、それ以外はバッサリ切り捨て、限られたリソースをいかに有効活用するかを考えることが大切です。
そして無駄なモノを手放すと、モノヘの執着が消えて、自分自身と向き合うことができるようになります。外見を主張するのではなく、自然と内面を鍛えることに意識が向くようになり、目に見えるモノだけでなく、メンタル的なノイズ、情報、時には人間関係も捨てていくことができます。それがモノを手放した次に向かうビジョンだと思います。
このnoteが生活や価値観を改めて考えるきっかけになればうれしいです。
ボクの所有物をまとめた電子書籍も是非読んでみてください。