残念だった旅行グッズ1位
さて、今まで作った旅行グッズの中で1位を誇るのが、
「乗り物酔いを防ぐリストバンド」
である。
数々の旅行便利グッズを思いつくままに作っては結果を出せなかった。
ならば…もう市販品に頼ろう…
そんな風に弱気になったのだ。が…
ある海外旅行で帰りが真夜中発の飛行機になったことがあった。
海外の24時間営業の空港では夜の12時過ぎのフライトというのもあるが、食事の時間やら眠いのになかなか眠らせてくれないスケジュールのためか毎回日本に近づく明け方に酔ってリバースしてしまうのだ。
旅行の便利グッズを載せた本を眺めていたら、「酔い止めブレスレット」なるものを見つけた。
要は手首にある酔い止めのツボをブレスレットについた何千ガウスだかの磁石で刺激して酔いを抑える…とのしくみらしい。
しかし、磁気健康グッズがそれほど安くないように、そのブレスレットも私のフトコロには少々厳しかった。
「でもこの原理なら酔い止めのツボを刺激したらいいって事じゃね?」
以前何かでツボの刺激に米粒を貼るのもよいと聞いたことがある。
つまりは手首のツボ辺りにフライトのあいだ中、常時刺激を与える何かを付けられるようにすればいいのだ。
ということで、家に転がっていた角ばったプラスチックビーズ、手芸用のバイヤステープでリストバンドを作った。
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「マダーム、アーユーグロッキー?」
青ざめて吐くまいとヒクヒクしてる私に黒い肌のゴツいフライトアテンダントさんが心配そうに尋ねてきた。
「い、、イエス…」水でも持ってきてくれるのか?
「オー、ソゥ…」
…
アテンダントさんは二度と来なかった…
聞いただけなんかいっ!!
その後、必死の抵抗も甲斐なく朝の光に包まれ始めた機内で私は毛布の陰に隠れて航空会社のゴミ袋にリバースしていた…
リバース後、少し持ち直した私は両手からリストバンドを外し、ゴミ袋に捨てた…
朝、降り立った久しぶりの日本は風が少し寒かった。
あれは何が敗因だったんだろう…?