日誌2021/01/15
テレビをつけたら「ドキュメント72時間」をやっていた。
ある場所にカメラを据えて、そこに来る人々が織り成すドラマを綴る番組である。
普通はお店やら街頭ピアノやらで「そこへ来る人」を撮るのだが、この日のは過去のアンコール放送。加えていつもと違う趣向だった。
ある品物と大阪・心斎橋にあるグリコの看板が見える有名スポット(橋の上)を往く人の持ってる品を交換していき、その品とその人の話を聞いていく、「わらしべ長者」的な展開だった。
昨年の1月後半に撮影されたらしい。
そこには、誰かとマスクなしでおしゃべりに興じる人。
同窓会だという年配の方々。
外国から来た人。
路上で書を書く人。
大阪観光に来た集団。
みんな誰のともわからない品をアルコール除菌もなしに自分の何かと交換していく…
見ているうちに涙が出そうになった。
これが1年前の姿だったんだと。
世界では新型コロナは既に現れていたようだが、まだ日本の大半の人には対岸の火事どころかアフリカには野生のライオンがいる…くらいの遠い話だった頃。
私は風邪をひきやすいのでいつも冬はマスクをしているが、それでも友達と密になってしゃべったり、同じ皿の料理を食べたり、時にはハグしたりしていた。
たった1年前。
そしてこの1年間に世界は大きく変わってしまった。
失った時に幸せを知るもんだとかいうけど、本当になんて懐かしい景色なんだろう。
まだ去年からどう世界は変わるのか。誰にもわからない。
どうか今年のどこかからは、誰かに躊躇なく会える年になりますように。
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