産業用・業務用のボイラー・温水器について
どうもこんにちは、沖やんです。
前回のあの記事から、建築設備に関する解説記事をつくることになりました。
つくるきっかけの記事↓
今回は産業用・業務用の大型のボイラー・温水器について解説します。
ボイラー・温水器とは
ボイラー・温水器とは、水を加熱して蒸気もしくは温水を得る装置をいいます。蒸気を発生させる場合にはボイラーといい、温水のみを発生させる場合には温水器といいます。基本的な仕組みは全てのボイラー・温水器で共通ではありますが、加熱の方法や機器の構成によって様々な種類のボイラー・温水器があります。
ボイラー・温水器の種類や特徴を下の表にまとめます。
ボイラー・温水器の出力とは
ボイラー・温水器の出力は、定格出力(連続運転時の最大出力)によって表され、蒸気ボイラーの場合には水の換算蒸発量[kg/h]または実際の蒸発量、温水器の場合には熱出力[WまたはkW]で表します。
換算蒸発量は、大気圧において100℃の飽和水を100℃の乾き飽和蒸気に蒸発させるのを基準とし、ボイラーの実際の蒸発量を基準条件での蒸発量を換算したものをいいます。
温水器の熱出力は、実際に温水に与えられた熱量(ボイラーから取り出された熱量)をいいます。
ボイラー・温水器はこんなところで使われる
蒸気を発生させるボイラーは、かつては様々な建物、工場、さらには蒸気機関車にも利用されてきました。現在でも大きな病院における冷暖房・給湯の供給、工業への利用、地域冷暖房における蒸気熱の供給など、大規模施設にはボイラーが使われています。
一方で、温水器は中規模~大規模ホテル、商業施設など各種建物に利用されることが多くなってきました。ボイラーの設置届出やボイラー技士が不要なので、ボイラーより扱いやすいことが、温水器の採用が増えた理由の一つにあげられます。
ボイラー・温水器ともしても、空調設備の冷房・暖房の熱源や、給排水衛生設備における給湯に用いられるため、建物にとって重要な機器の一つです。
なお、水を温めて冷房に利用と聞いて不思議に思う方もいると思いますが、吸収式冷凍機における、吸収剤(臭化リチウム)から、冷媒となる水(水蒸気)を取り出すために蒸気・温水が必要になるのです。
以上、ボイラー・温水器の概要と用途の解説でした。
参考文献
図説 建築設備(学芸出版社 2016年)
(株)前田鉄工所「ボイラー大百科」 https://www.maedatekkou.co.jp/boiler
川崎重工冷熱(株) https://www.khi.co.jp/corp/kte/product/boiler/
表題画像:(株)前田鉄工所「ボイラー大百科」より引用
※1:川崎重工冷熱(株)HPから引用