中期、長期投資の考え方、バリュー株投資とグロース株投資 2種類の違いをメリット デメリットを比較解説!
株式投資の手法には、バリュー株とグロース株があります。バリュー株とは、市場での評価が低く、本来の価値が見過ごされている銘柄でグロース株とは、今後の成長が期待できる銘柄です。
バリュー株とグロース株の両方を見ることで、よりバランスの良い投資をすることができます。
この記事では、バリュー株とグロース株の違いやメリット・デメリット、探し方などを解説します。
バリュー株とは
バリュー株とは、その企業が持っている資産や利益などから算出される本来の価値に対して、市場での株価が安くなっている銘柄のことで、バリュー株に投資することをバリュー投資と言います。
バリュー投資は、普段の買い物と同じように、安くて良いものを探すことです。例えば、100円の価値がある商品を50円で買えたらお得ですよね。同じように、企業の価値が100円なのに、市場では50円で売られている銘柄を見つけたら、それはバリュー株です。
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バリュー株の特徴
バリュー株は、市場で割安になっているため、株価が安定していることが多く、下落幅も小さいことが多いです。また、配当金も高めに設定されていることが多く、配当利回り(配当金÷株価)も高いことが多いです。
一般的にバリュー株には、成熟した業界や大手企業が多く含まれます。
バリュー株のメリット
バリュー株に投資するメリットは以下の通りです。
株価が安定しているため、市場の変動に左右されにくい
配当金が高いため、収入源としても魅力的
割安な銘柄を見つけたら、その後の値上がり益も期待できる
バリュー株のデメリット・注意点
バリュー株に投資するデメリット・注意点は以下の通りです。
市場で割安になっている理由があるかもしれない(業績悪化や競争力低下など)
株価が上昇しづらいため、値上がり益を狙うには時間がかかるかもしれない
企業の価値を正しく評価するスキルが必要
バリュー株の探し方
バリュー株を探す方法はいくつかありますが、ここではPBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)、配当利回りを使った方法を紹介します。
いずれも同業と比較して、市場での評価が低いかどうかを確認することができます。
PBR(株価純資産倍率)から探す
PBRとは「株価÷1株あたりの純資産」で算出される指標であり、企業の資産に対する株価の割高・割安度を示します。
PBRが1よりも低い場合は、企業の資産が株価よりも多いということで、割安と判断されます。ただし、PBRが低いだけでは、企業の資産が有効に活用されていない可能性もあるため、他の指標と併せて見ることが重要です。
PER(株価収益率)から探す
PERとは「株価÷1株あたりの利益」で算出される指標であり、企業の利益に対する株価の割高・割安度を示します。
PERが低い場合は、企業の利益が株価よりも多いということで、割安と判断されます。ただし、PERが低いだけでは、企業の利益が減少傾向にある可能性もあるため、他の指標と併せて見ることが重要です。
配当利回りから探す
配当利回りとは「配当金÷株価」で算出される指標であり、企業が株主に還元する金額に対する株価の割高・割安度を示します。
配当利回りが高い場合は、配当金が株価よりも多いということで、割安と判断されます。ただし、配当利回りが高いだけでは、企業の財務状況が悪化している可能性もあるため、他の指標と併せて見ることが重要です。
グロース株とは
グロース株とは、成長性の高い企業の株式のことです。
グロース株は、将来の収益やキャッシュフローが大きく増えることが期待されるため、高い成長率でバリュエーション(企業価値算出)を行うと、理論株価が高くなります。そのため、市場ではグロース株に対して高い評価をつける傾向があります。
しかし、グロース株には落とし穴があります。それは、市場の期待が過剰になってしまうことです。
市場では、「グロース株は成長力があるから高くても買いだ」という考え方が広まり、理論株価を大きく上回る価格で取引されることがあります。このような場合、投資家はその企業の実力以上に高い金額を支払ってしまうことになります。
このような状況では、投資家は二つのリスクに直面します。
一つは、その企業が市場の期待に応えられない場合で、もしその企業の成長率が予想よりも低くなったり、競合他社に追い抜かれたりしたら、市場はその企業の評価を下げるでしょう。その結果、株価は下落し、投資家は損失を被ります。
もう一つは、その企業が市場の期待を超えて成長したとしても、投機家によって作られたバブル(過剰な価格上昇)が崩壊する場合です。もし、投機家が利益確定のために売り始めたら、市場はパニックに陥り株価は急落し、投資家は損失を被ります。
したがって、グロース株を買うときは、その企業の成長性だけでなく、その価値と価格のバランスも考慮する必要があります。また、市場の動向や自分の投資目的も見失わないようにしましょう。
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株式投資の基本:価値と価格の違い
株式投資を始める前に、価値と価格の違いを理解しておくことが大切です。価値とは、投資家が企業に対して評価した金額のことで、価格とは、市場で取引されている株式の金額のことです。この二つは必ずしも一致しないので、注意が必要です。
価値の算出方法
価値を算出するには、まず企業価値を求めます。
企業価値とは、企業が持つ資産や収益力から計算される金額で、債権者(貸したお金を回収する権利を持つ人)と株主(企業の一部を所有する権利を持つ人)に分けられます。債権者価値は、企業が借り入れたお金や支払い義務などを表します。株式価値は、企業が事業活動や資産売却などで得たお金から債権者に支払うお金を引いたものです。
企業価値=株式価値(時価総額)+負債価値(有利子負債)
次に、株式価値をさらに細かく見ていきます。
株式価値計算方法
株の価値がどの程度あるのか、その具体的な株式価値の算出方法をいくつか解説します。数種類ある計算の方法によって株式の価値も変わりますので、多くの計算方法を使用して金額を計算することになります。
純資産法
純資産法というのは、会社の純資産によって企業の価値を計算出する方法になります。
株式の価値を測定する方法であり、静的評価と呼ばれることもあります。
これは貸借対照表のなかの、純資産を企業の価値とする方法になります。
純資産を発行済株式数で除します。正確性をだすために資産と負債双方を時価で計算します。しかし創業間もないときは、資産と負債にはあまり違いはありません。
配当還元法
配当還元法というのは、会社が実施している配当によって株式の価値を計算する方式です。
配当還元法は、
1株あたりの資本金額 × 配当率 ÷ 買い手が期待している利回り
によって株式の価値を算定します。
例えば10%の利回りで買収するためには、1株あたり2.5万円で買収することになります。
この計算方法は、投資家目線での計算方法でもあります。
収益還元法
収益還元法というのは、利益に注目した計算方法です。利益から株式の価値を算出します。
(将来期待できる税引き後の純利益 ÷ 資本還元率) ÷ 発行済株式数
によって株式の価値を算定します。
DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)法
DCF法というのは、会社側のキャッシュフローによって計算する方法になります。
将来生み出される現金も現在の価値に換算して、企業価値として算定します。
{1年目FC+ 2年目FC (割引率によって現在価値化する)+ ・・・+ (X年目)FC(割引率で現在価値化)}÷ 発行済株式数
によって株式の価値を算定します。
比準法
比準法というのは、規模や業種などが類似している会社と比較する方法です。
A ×(b ÷ B + c ÷ C × 3 + d ÷ D)÷ 5 × 0.7
によって計算します。(中会社は0.6、また小会社は0.5になります)
まとめ
株式投資では、価値と価格の違いを理解することが重要です。価値は投資家が企業に対して評価した金額であり、価格は市場で取引されている株式の金額です。この二つは必ずしも一致しないので、注意が必要です。
また、グロース株は成長性の高い企業の株式ですが、市場の期待が過剰になってしまうことでリスクが高まります。グロース株を買うときは、その企業の成長性だけでなく、その価値と価格のバランスも考慮する必要があります。
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