2019−03−31 僕とWake Up,Girls!の1903日
注:このエントリーは2019年3月31日に別ブログへの投稿を転記したものです。放送日時なども当時のものです
0.まえがき
2019年3月31日を持って正式に解散を迎えるWake Up,Girls!と東北への今の気持ちをそのまま書き連ねただけの、
いちワグナーのただのメモです。多少は日本語に気を遣ったつもりですが、誰かに読んで欲しいというよりかは
自分の感情を書き残すことが目的だったりするので、かなり読み辛いと思います。
「こんな人もいたんだなぁ」くらいで留めておいてください。
誤認などあれば、指摘頂ければ修正します。少しでも正確に残しておきたいですし。
1.物語の始まり
2014年1月13日。
その日、僕は友人から説得されていた。
「お願いだから、一緒に見て欲しい映画がある。」
多分こんなようなことを言われていただろうが、実は全く覚えていない。
当時の自分のツイートを見返すと、40分くらい説得されていたようだ。
(該当ツイートは諸事情により削除済み)
その友人とは小学校からの長い付き合いで、僕を声優ライブの沼に呼び込んだ張本人だ。
そんな彼がここまで本気で説得してくる事はそれまで無かったし、彼のアンテナに引っかかったコンテンツやグループに間違いは無かった。
そうして僕はあおなみ線に乗って、県下唯一の上映館であったTOHOシネマズに向かった。
映画のタイトルは
「Wake Up,Girls! 七人のアイドル」
Wake Up,Girls!(以下、WUG)のTVアニメが始まっていたのは知っていたが、あまり見る気にはなっていなかった。当時の自分がアイマスとμ'sに夢中になっていたことと、あのキャラデザに抵抗があったからだ。
すっかり日が落ちた後の時間帯、知名度が高いわけではない筈の映画ながら、自分の想像以上に客席は埋まっていたと思う。
この劇場版は「TVシリーズの前日譚」という位置付けであり、WUGというグループの成り立ちと勾当台公園での1stライブまでが描かれているのは、皆さんご存知だろう。
もし未だ見たことがないという方は、近くのワグナーに言えば快く貸してくれるだろう。もちろんBDも発売中だし、映画館での再上映候補に名を連ねたので、劇場で見たいという人は続報をチェックしていただきたい。
(ドリパス:https://www.dreampass.jp/m347534)
この日の劇場版の感想を、当時の自分はこう記していた。
この日から、僕とWake Up,Girls!の物語は始まった。
2.一歩ずつ
「始まった」とは言うものの、最初からいきなり全速力だった訳ではない。
TVシリーズは(確か)ニコニコ動画での配信で見ていたが、コメントはOFFがデフォ。
主な情報源はまとめサイトの「わぐそく」さんと公式ツイッター。それ以外の「ノイズ」は入らないようにしていた。
そして何より、ストーリーが当時の自分にはとても重たかった。
所謂「アイドルアニメ」はアニマスやラブライブ!しか知らなかった自分には、リアルタイム視聴が辛かったり、画面を直視できない場面が多々あった。
それでも、真っ黒な周囲の大人達をそのまま見せつけてくる所や、そんな大人達に振り回されながらもアイドルとして夢に向かって必死に藻掻き乗り越えていく7人の「群像劇」に、僕はすっかり嵌っていた。
それに加えて「七人のアイドル」BDシアター限定版の購入や、人生初の握手会@ゲーマーズ名古屋店(みなみ・みゆ)も経験したことで、コンテンツとしてのWUG・声優ユニットとしてのWUGどちらにも思い入れが強くなったのは間違い無い。
ちなみに、「七人のアイドル」シアター限定版はメンバーの直筆サイン色紙入で、各3500枚限定だった。もちろん複数枚購入も出来なくはなかったのだが、如何せん貧乏学生には到底無理だったので、「今ここで推しメンを決めろ」と言われるのと同義だった。
当時の自分には声優それぞれのパーソナルな部分は全く入ってなかったため、「誰が好きかと言われればこの子かなぁ」という気持ちで選んでしまった。そもそも「推し」という概念が理解出来てなかったのもある。(今なら分かっているのかと言われればそうでもない)
3.推しへの想い、WUGちゃんへの想い
かくして「みゆ推しワグナー」として動き出した訳だが、正直な話どこかスッキリしていなかった。
個性と魅力の塊7人から1人を選べという方が酷である。ラジオやニコ生で各メンバーのパーソナルな部分を徐々に知り、ライブも毎年のツアー、アニメJAM・WUGFesWinter、だけでなく、アニサマやアニマックス、ねんどろいどライブなど場数と共にWUGちゃんのパフォーマンスが洗練されていく様を見ていくと、益々推しを決められなくなっていた。
とは言え、少しずつ心境の変化が現れる場面がいくつかあった。
その最初は「れい&ゆいの文化放送ホームランラジオ」ゲスト出演だ。恐らく、野球を語るあいちゃんを見たのはこれが初めてだった自分に衝撃が走った。単純な自分は、一気に勝手に距離感が縮まった様に思えた。それなりに深い話をしているはずなのに、まだ余力を残していそうな雰囲気。その力は「パッとUP」で存分に発揮されている。お時間合う人は是非、毎週火曜21:00から「かな&あいりの文化放送ホームランラジオ パッとUP」を御覧いただきたい。野球に詳しくない人でも、彼女がどれほどプロ野球を愛しているかは一目見れば分かると思う。
何より、野球を語る彼女の極上の笑顔が素晴らしい。もうひとりのMCである優木かなさんとの掛け合いも小気味良い。気付けば毎週のパッとUPの時間を楽しみにしている自分が居た。
最大の転機は2018年ソロイベント。申し込み時点で既にあいちゃんを推しだと言っても良かった状態だったのだが、実際に参加することで決定打を打たれた。ソロイベ前の出来事(後述)も相まって、彼女のステージから発せられたメッセージは強く自分の締め付けた。あの日みんなで合唱した「あとひとつ」は、上手く歌えなかったし、前もよく見えなかった。彼女たちが背負っている物の大きさを、あの日初めて認識出来たのだと思う。
それと同時に、後悔の念が自分を襲った。これまでの自分は一体何を見てきたのか、いや何も見ていなかった。見ようともしていなかったのかも知れない。1人の人間を好きになるのに、相手のことを何も知ろうとしなかった。当たり前のことが出来ていなかった。
なぜ僕はWUGちゃん7人の事を知ろうとしなかったのか。個人的には3次元のWUGちゃん達の立ち位置があくまで「アニメ作品の声優」の域で留まっていたからなのかも知れない。
今思い返せば、所謂「旧章」(七人のアイドル~続劇場版・Beyond the Bottomまで)の間は、どちらかと言えば「アニメ作品のファン」だった気が強かった様に思う。勿論だが、声優ユニットとしてのWUGを応援してなかった訳ではないし、演技や音楽に明るくない自分でもメキメキと上達していく彼女たちを見れば応援し続けない理由はなかった。
「アニメありき」そう思われていることは彼女たちも分かっていたと思われる。だからこその3rd、4thはそれまでと違うツアーになった。「声優ユニット」として、ここで生きる。そんな気概は当時会場に居た人であればきっと伝わっていただろう。
その一方で不安に思う部分は0ではなかった。タイアップが始まったとは言え、まだ走り出したばかりだった2016年。幕張メッセでのSUPER LIVE2016で突如発表された「新章」。本当に嬉しかった。アニメが続くという事はWUGが続くという事。WUGのライブ初めてだった連番者を横目に大泣きした。それだけ、WUGにはアニメが必要だと思っていた。
では今はどうか?
答えは「NO」だ。
きっとこの文章を読んでくれている人であればきっと皆同じ答えをするのではないだろうか。
先輩であるi☆Risにも引けを取らない、見る者をグッと引き込むステージパフォーマンスはただの「声優ユニット」の枠を超えた。
きっと今の彼女たちなら大丈夫。
だから、僕は彼女たち7人の門出を前向きに送り出す。
4.東北・仙台への想い
先述の握手会でみにゃみから「1st絶対来てね!待ってるから!」と言われた僕は、無事に1stLIVE東京公演のチケットを握っていた。初めてのWUGのライブ。アニメも全話見終わって更に意識を高めたかった僕は、ライブ前日に初めて仙台に向かった。名古屋から仙台直通の夜行バスが出ているが、片道9時間は流石に辛いのであまりお勧めしない。
それでも、初めての街・仙台は「初めて見るのに、見たことのある景色」が広がっていて新鮮だった。青葉城址からみる仙台の街並み、仙台駅のペデストリアンデッキ、熊谷屋に仙台フォーラム、事務所に喫茶ビジュゥ。時間が限られていたので外観見るだけだったから、次来る時は絶対何か買おうと心に誓った。
夜からはコボスタ宮城(現・楽天生命パーク宮城)で野球観戦。山形に住む友人とレフトスタンドで連番。神宮球場や甲子園とも違う、屋外球場の空気感はやっぱり特別だった。ジェット風船飛ばし損ねるしイーグルスは大敗するしで散々だったが、逆に「また来なければ」という口実が出来た。。
この日を含め、現在時点で僕は4度仙台に訪れた。ワグナーの中で比較すれば決して多くはないだろう。それでも一つだけはっきりしているのは、WUGに出会わなければ楽天イーグルスを応援することは愚か、今日この日まで仙台の地に足を踏み入れていなかったかも知れないと言うこと。
そして、「あの日」について向き合うことは無かったのかも知れないという事。
愛知で生まれ育った僕は、言ってしまえば、東日本大震災の部外者だ。あの日の地震がそれほどまでに大規模だったことも、アルバイト終わりの未明にテレビを見て初めて知った。
だからこそ、同じ日本で起きていることとは思えなかった。見たことのない景色が、ブラウン管に繰り返し映し出される。街を飲み込む黒い波、怯え・疲弊する人たち、爆発する建屋。映像を見る度「次は自分の番だ」と思うものの、どこか他人事の様に感じていた自分がいた。非日常が襲いかかった光景を見ていても、自分は何ら変わりない日常を過ごしていた。
その考えを思い切り変えられたキッカケは、2018年のソロイベントで石巻へ訪れたことだ。
僕は、その時まで自分の目で爪痕を見ていなかった。
ソロイベ前日、先出の山形在住の友人と仙台駅から東北本線に乗って石巻駅まで向かう車窓から見た海岸線。
真新しいコンクリートの堤防を見て
「ここも被害受けてたんですよね」
と一言。
その日は飛行機で仙台に向かったことを伝えると、
「仙台空港線から広い更地見えましたよね?あそこも全部津波の被害を受けた場所なんです。」
心の奥底を抉られるような、初めて湧き上がった感情は自分の語彙力では言葉に出来ない。
翌朝、物販を済ませて向かった先は日和山公園。考えることは皆同じだった。見覚えのある橋、広がる更地。言葉を失うとはこの事だった。
地元の方と思われる男性が、ワグナーに当時の話をされていた。
語り継いで行くことを止めてはいけない。
伝え続けることが、この地に来た者の使命だと感じた。
今あるものは、当たり前じゃないこと。
物事すべて有限であること。
人生観まで変えてしまいそうな、衝撃的な「現地現物」だった。
5.交差点に、君は立つ。
2019年3月8日、さいたまスーパーアリーナ。
最後の瞬間を見届けようと、平日にもかかわらず13000人が詰めかけた。
その景色は正に「続・劇場版 Beyond the Bottom」で見た、夢の景色。
叶わないかも知れないと思っていた約束の地は、輝いていた。
8ヶ月に及ぶFINAL TOURから毎公演ごとに最高を更新し続けたWUGのパフォーマンスは、最高のまま終わりを告げた。
そして今日、2019年3月31日。
正式に声優ユニット「Wake Up,Girls!」は解散を迎える。
コンテンツは続いていくし、7人が声優の活動を終えるわけではない。
この解散は7人が出した結論であり、それぞれが更に高みへ向かうための決断。何人にも侵す事の許されない、彼女たちの意思表示。
これまで応援してきた僕たちに出来ることは、2つ。
一つは各々が各メンバーの活動の後押しをする事。形は何であれ、7人それぞれに固定のファンが居ることを示し続けること。
もう一つは、この6年間を語り継いでいく事。WUGがこれ程までに愛されたユニットだったと、圧倒されるパフォーマンスを見せてくれたライブだったと。
そして何より、最初から最後まで、また今もなお東北に寄り添い続けているという事。
何時でも彼女たちの足跡を辿れるように、語り継いだ先でWUGが伝説のユニットになるように。
最後に
WUGに関わった全てのアニメ制作スタッフの皆さん、ライブ制作スタッフの皆さん、楽曲クリエイター陣の皆さん、わぐらぶ運営の皆さん
素敵なアニメ・ライブ・楽曲・FCイベントを生み出してくれて、ありがとうございます。
皆さんが生み出した作品・イベントを共有できたこと、これ以上無い宝物です。
この場では届かないかも知れませんが、感謝の言葉を贈ります。
誰一人欠けても、WUGは成り立たなかったと思っています。
そして
吉岡茉祐さん、永野愛理さん、田中美海さん、山下七海さん、奥野香耶さん、青山吉能さん、高木美佑さん
皆さんの活躍は確かにこの目で見届けていまいした。
初めて皆さんの事を知ってから1903日。
直向きに頑張っている皆さんを微力ながら応援させていただいていました。この時間は何物にも替え難い、大切な思い出です。
既に新たな旅路を歩み始めている皆さんの事を、僕は、そっと背中を押して送り出します。そして、このHOMEを守り続けていきます。
もし7人揃って帰ってくるときがあったら、旅の土産話をトランクいっっっっぱいに詰めて持ってきてください。
また、極上の笑顔が見られる時が来ると信じ続けてます。
WUGちゃん、今までありがとう。
行ってらっしゃい。
これからもよろしく。
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