
ARM NASDAQ 9/14上場後、今後の展開は?(大和証券CM シュナイダー恵子氏/モーサテ20230915)
アームは、半導体の基本設計に関する特許収入が収益の柱であり、粗利益率は96%にも及ぶ。
アームのプロセッサーは、小型化と電力効率が強みであり、スマートフォンプロセッサーの市場シェアはほぼ100%となる。しかし、今後の成長の核となるのは、IntelやAMDが得意とするデータセンター領域の事業拡大となる。
トレンドフォースセンターによる調査によると、ARMのデータセンターの市場シェアは、2025年までに22%に拡大すると予測されている。

Amazon AWSは、自社製半導体グラビトンにアームの設計を採用し、4万の顧客企業に提供。
エヌディビアは、ARMの技術を使ったCPU グレースを導入し、需要が急拡大しているAI向けGPU H100と統合したスーパーチップを開発している。
AI半導体の需要は2032年までに、10倍以上に拡大すると言われ、Googleや Microsoftも自社製の半導体を開発中と見られ、半導体の内製化の動きはデータセンター市場の拡大を目指すARMの成長戦略にとって、タイムリーである。

アームは、トップ3の顧客が売上の44%を占め、大手に集中している。中でも、ARM Chinaは売上の24%を占める顧客で、中国景気や米中摩擦がリスクと考えられる。ただ、半導体業界にとって、中国リスクは多かれ少なかれあるため、過度な不安視をする必要性はないと考えている。
