うみうしデート
※水族館でデート。なぜかうみうしがツボる二人です(笑)。
「イチゴジャムウミウシなんてのがいるんだね」
「イチゴミルクウミウシもいますよ」
なかにはアカズキンリュウグウウミウシなどという立派な名前のもいた。
姿を見るとたしかに命名の由来も頷けるのだが(イチゴジャムなどいびつないちごそのものだ)、ネーミングセンスがいまいち可愛げな方向に傾いているのはなぜなのだろう。ツブツブウミウシとか。テンテンウミウシとか。トゲトゲウミウシとか。
ミカドウミウシとかダイオウタテジマウミウシなどはまあいいが。
「…もっと強そうな名のやつはいないのか?」
「ミケーレ、うみうしに何を求めてるの? あ、みて、シロウサギウミウシだって」
のっぺりと白いボディにオレンジの触覚のウミウシが、都の指先を這っていた。
ミズタマウミウシ、ホシゾラウミウシ、ラベンダーウミウシ、サラサウミウシ、ニシキウミウシ、ブチウミウシ、ハゴロモウミウシ…独創的なアクセサリーのように、うみうしたちはアクアリウムのなかに飾られている。
「ハナオトメウミウシ」
「パンダツノウミウシ」
「チギレユキイロウミウシ」
「ボンボリイロウミウシ」
いやはや。
いるわいるわ、うみうしのオンパレード。次から次へと出てくるではないか。なんだこの予想外の種類の多さと奥の深さは。恐れ入ったぞ、うみうし界。
「かわいいね、うみうし」
「何を、都の方がかわいいですとも」
「うみうしと同レベルなのかぁ…」
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