見出し画像

「雨宮蛍」的な生活も案外悪くない

完全在宅勤務になって2週目、今週もほとんど家から出ていない。家の中では髪を結び使い古したTシャツとジャージを着て、完全に「ホタルノヒカリ」スタイルだ。仕事の合間に椅子から立ち上がるときには、心のなかで「どっこいしょ〜いち」なんて言ったりする。綾瀬はるかと違って全然かわいくない。

"あぁ、過去最大級に干物生活を送っている。それはみんなも同じか。世界中が「雨宮蛍」に溢れているとは、なんとゆるくて平和な世界だろう(ウイルスで全然平和ではないが)。何かルーティンでも決めてきちんとしないと、とか最初は考えていたけど、なんだかそれも面倒くさくなってきたな。この際だし、干物生活を満喫しようか。"

そうなって今に至るが、干物生活も悪いことばかりではない。朝起きてなんの準備もすることなくすぐに仕事ができる。服を選んで、髪をセットして、コロンをつけて、なんて身支度も一切する必要がない。ちょっとした買い物もジャージのまま出かける。外出自粛によって人の目に触れるところに行かなくなり、変に自分を着飾ることがなくなった。

家ではそのまま無防備に好きなことができる。蛍が「部長」に部屋が散らかっている理由を聞かれて「半径1メートル以内に自分の好きな物を置いておきたいんです!」と寝転びながら答えていた、まさにあの状態だ。今では読書も映画観賞もゲームも大体のことが携帯一つでできる。携帯を片手にヨギボに身を預けて近くにお菓子と飲み物をセットすれば今風干物スタイルの完成である。

慣れない自粛生活はストレスもあるが、毎日毎週状況も考えも変わって、個人的にはまだ退屈せずに過ごせている。きっと来週には生活にまた別の変化が見られるのだろう。こんなときだからこそ、そうした心の機微から生まれる日々の変化を大事にしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?