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派遣「登録者」の無期雇用 意識調査

エンジャパンより「無期雇用派遣」意識調査(2024)が出ていた。そもそも無期雇用・有期(更新の有無)について、今年度より就業時に説明責任があるため、高水準になっていない時点で、この調査は一体何のためなんだろうなと思った。

派遣は派遣でも派遣会社に登録している人のことで、正社員を視野に入れている人に向けて本記事を書くが、無期雇用には「派遣会社」と「派遣先企業」があり、キャリアを積んでいきたい人は、良く考えて選ぼう。


基本情報

派遣には無期転換ルールがあり、職種により3年または5年契約更新になれば、働いている本人から、期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)を申し出れば受理されます。※使用者(企業または派遣会社)は断ることができません。
2024年度からこの情報を求人票に載せないといけないので、情報が見当たらない場合や面接で説明が無い場合は相当ヤバい派遣会社なので、応募を取りやめるか、ちゃんと確認してほしい。

2つのストーリー

規定年数を超えて更新される「無期」にも複数のパスがある。
①派遣先の企業にそのまま就職できる
派遣会社で就職して、引き続き派遣先企業で働く
多分②のパターンが多いのだが、個人的には、派遣会社での無期雇用は、おすすめしない。記事の最後にその理由を書く。

メリット・デメリット

どちらも良いところ、悪いところがある。どこをどう捉えるかであり、働くことの対する人生観でもある。なので、正解不正解はない。
ただ、このレポートには、その片鱗が見て取れるので、自分は今どちらにひっかっているのか、メリットを感じているのかを意識するとよいと思う。

無期雇用派遣のメリット・デメリット

上図のデメリットとその具体的なコメントが、とても的を得ていると思ったので、以下デメリットのコメントを引用する。

・無期雇用派遣で工場勤務していた。月給でボーナスもあるし、皆勤手当も付き給与面はよかった。しかし、派遣先の状況次第では離職の可能性があるという不安は常にあった。(30代男性)
・派遣先の正社員と同等の業務をしていても、給与は派遣会社から支払われるため、給与や賞与に差がある。(40代女性)
・退職しづらくなってしまった。(50代女性)

「思わない」「どちらかと言えば思わない」と回答した方
「無期雇用派遣」意識調査(2024)エン・ジャパン

メリットがあると思っている人は、同じ仕事場(地理的要因と人間関係)で、今まで通りであることに価値を置いていることかなと思う。ただ、時とともに環境も自分の考えも変化があると思うので、いつでも転職できる状態にして欲しいと思う。

派遣会社での無期雇用をお勧めしない理由

・結局は派遣先が安定していないと、不安定な状況が起こる
企業の所属部門で何か不景気なことがあれば、よっぽどでない限りその会社には居続けられない。派遣は真っ先に切られるのだ。
また、派遣先の企業があなたを正社員として雇わないということは、いつでもあなたを切れるに等しいということは、頭に入れよう。
・今の契約が終了したら、どこかで働く必要がある
これまで登録型の様に、この契約が終わったらしばらく休もう、とかはできない。無期雇用契約した派遣会社から、次の就労先を探してきたから、ここに行ってね、と言われる。もちろん希望を伝えることはできるが、場所、時給、勤務時間、仕事内容が全て自分に合っているかどうかは、分からない。派遣会社が今持っている求人からしか選べない。それは転職より範囲が狭いかもしれないし、そうでないかもしれない。つまり意に沿わない所へ行く場合もあるということだ。それがどうしても嫌なら、派遣会社を辞めるという選択もありうる。
・間に人が入ることのデメリット
仕事に直接関係ない人が存在することの意味を考えよう。本来あなたがもらえるばずの給料から、その人たちの給料へとちょろちょろと消えていっているのだ。ややこしいことを解決してくれる人かもしれないが、その能力が自分に身につかないまま、時給もほぼ上がらず、何年も過ごすことになる方のデメリットを想像したことはあるだろうか。
総じて、似たような仕事をしている企業の社員より給与は低いし、あなたがいくら出来る人だとしても、派遣会社にいる限り上回ることはまずない。

まとめ

経験を積んで転職する、疾患持ち、介護や子育て、などといった一時期な措置ならよいが、若いうちからこのぬるま湯に浸らないで、様々な経験をして欲しいと思う。
これも個人の感想だが、このレポートは若い人に、派遣会社の無期雇用って意外にいいもんだよ!って言って、デメリットを上回るように錯覚させているように思う。
何度も書いているが、派遣会社とは、多くの人に派遣で働いてもらって、売り上げを作る仕組みである。文句を言わず働き続ける人をつなぎ留めたいので、デメリットを大きな声で言うはずがない、その視点を持って、このレポートを今一度眺めてみてほしい。

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