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無患子と木槵樹
ムクロジを初めて見たのは、
およそ二十年前。
地元のコミュニティスクールのお祭りで、
樹林保護グループのおじさんから
ストラップを買いました。
「これはムクロジと言ってね。
こういう字を書くの。
子が患うことが無い、で無患子。
羽子板の羽根の先の黒い玉だよ。」
「どこにあるんですか?」
「探してみなさい。この辺には無いよ。」
それから20年。
昨年5月、家からだいぶ離れた公園で
初めてムクロジの木を見つけ、その根元に
残っていた魔法のランプのような実を拾ってすっかり虜になりました。
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たくさん拾って、まずは玉のれんを作り、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129394309/picture_pc_2b0ddcf23e7149d7cadd6da0dbcd7284.jpg?width=1200)
数珠もどきを作り…
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強そうで山伏っぽくなるので
華奢でありたい女子としては腕につけずに
お守りにしました😊
最後に「算板の珠として使われた」という一文を見てしまい、そろばん!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129394478/picture_pc_f90b4c8b0e803986dcd8480cf2b78fed.jpg?width=1200)
をおじいちゃんに作ってもらいました。
次なる目標はなんと「ムクロジ枕」
枕を作る人もいると、ムクロジのある神社の社務所の人から聞いてしまったからです。硬くて、つぶつぶで頭が良くなりそうな気がして、枕にするにはかなりの量が必要で、いまだにムクロジの木を探し回っています。
ムクロジの数珠について調べているうち、
その由来のお経があると知りました。
木槵樹経(モクゲンジュ経)
お釈迦さまに小さな国の王様が尋ねます。
「我が国のように力もなく貧しい国が生き残り、民が安心して暮らせるようにするにはどうしたら良いでしょう?」
「このモクゲンジで108の珠を繋ぎ、仏を信じ念仏を百万回唱えれば極楽浄土に行けるであろう。」とお答えになったというお話が出てくるお経です。
モクゲンジという名前は、
ムクロジの中国名「木患子」を音読みした
「モクカンシ」が転化したもの。
ムクロジと本種(モクゲンジ)を混同したことに由来する。
とか、
菅原道真が40歳の時
道明寺で納経した際、その経塚から生えてきたのがモクゲンジだった
とかいろいろあり、もうどっちがどっちなのかわからなくなっているのだそうです。
その「モクゲンジュ」をついに初めて
見ることができ、本物に巡り会えました。
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海の手前には八景島シーパラの三角が見えます
インフル明けで🤧爆発のまま
ムクロジ新情報を頼りに行った公園の
実がほとんど落ちてしまったムクロジの
隣にその木がありました。
ムクロジの隣にモクゲンジュを並べて植えた人の配慮に感動😭。
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何かいいことあるのかな?
などと思っていると…
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海風が当たるからかな?
さ、帰ろうと横を見たら…
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外側を剥いてみると
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129402669/picture_pc_f652458b2e26a7792b7860f7321786fa.jpg?width=1200)
●は2〜3ミリと小さい
並べて植えてくれたお陰で、見つけることができました。
ムクロジもモクゲンジも元がどちらだったのかは謎ですが、いろんな物語があって
ワクワクします。
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遠くの屋根が光って見えた
さて、本日一月最終日。
春もそこまで来ている来ている🌸
の日差しの中、
いつもの薬師堂にパトロールに行くと、
久しぶりに大漁でした。
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最近、葉の落ちた冬枝の先にタワワに
実ったムクロジはなかなか落ちず、
お休みのたびに通っても多くて20個
くらいでした。
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1週間ぶりの今日も期待はしていなかったのですが、到着すると一箇所にたくさんの皮の破れたムクロジが落ちていました。
ところどころに栴檀の実の種がある!
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ということは推測するに、
ヒヨちゃんかもしれない。
栴檀の実はここには無い。
栴檀の実は毒性もありヒヨちゃんしか食べない。しかもヒヨちゃんでさえ、食べるものが他にない時しか飲み込まないらしい。
栴檀の実を丸呑みしたヒヨが、栴檀と同じ茶色くなったムクロジの木に飛んできてポトリとフンを落としつつ、「なんだこれも
うまくない💢」とムクロジの実に怒りをぶつけて叩き落としたのを私が喜んで拾ったのかもしれない。
いかにも「荒らされた」感のある現場でした。ラッキー。
しかし、枕にするには全然足りない。
木にはまだたわわに実が実っています。
いつ落ちるのか?
楽しみです。
ムクロジの何が1番好きかというと…
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このように、蓋の部分が「高笑い」しているように見えるところだったりします。
●😊●
令和六年の今、ムクロジに執着している少数派の記録を最後まで読んでくれる人がいるのだとしたら、大変ありがとうございます。
終わります🙇♀️