やんわりバスガイドさんの秘策。
こんにちは、記号・リュウコです。
前回に続き3回目です。
島で観光のアルバイトを始めたわたくしですが、
あまりのポンコツトークに意気消沈。
こんなに人前でしゃべることが大変だとは・・・
困った私はある職業の方を参考にしました。
それは、落語家さんです。
落語は決まった演目をやりますが、
その前にマクラというものがあります。
お客さんの前に出て場の空気をつくったり
お客さんの様子をうかがう時間です。
この時にどれだけ観客の気持ちをつかむかが肝。
見ている人がお話の世界にすんなり入れるように作る。
これをバスの中でやったらいいんじゃないか?
と思い付いた私はそれから落語のCDを聞いたり
ビデオを観て勉強しました。
ちょっと頭がおかしいぞ、コイツは。
と、思うかもしれませんが、
まあまあ、お待ちくだされ。
何か伝えることがあるとして、
観客にこちらの世界に来てもらうには、
いちど観客側へ近づかないといけません。
強引にこちらに向かせようと思っても
こちらを向いてくれません。
まずはお客様ありき。
むずかしい・・・
しかし落語はマクラでこれをやっちゃうんだ。
「さて、お手並み拝見。」と斜に構えている
観客のすぐ近くまで寄っていき様子をうかがう。
すこしお話ししながらへ~そうなんですか、とか言いながら
ゆっくり歩いて自分の家の玄関まで来てしまう。
そしてスッと戸を開けてさあさどうぞおかけくださいだんな、
さて今日のお話はね、とはじめちゃう。
すごい技術。
とにかく本編に入るまでのマクラ部分で勝負が決まる。
それをバス案内で生かそうというんだから、
当時の私は頭のネジが飛んじゃってる。
まあまあ。
始めた頃は必死にマニュアルを全部しゃべろうとしていました。
しかし落語作戦に切り替えてからは、言うことの優先順位をつけ
無理に全部話さないようにしました。
観光に来ているお客さんの目と耳は
景色や山の鳥や海の音、匂いを感じてもらうため。
話はその補足としてちょうどよい量をお出しする。
まずはお客様が今ほしいと思う状態にすること
それが大事なんですね。
おかげさまで、フリーツアーのお客様をはじめとして、社員旅行や家族旅行の利用者様には良くしていただきました。
なにごとも「目的から。」が大事なのですね。
お客様を非日常に連れていくのには、マクラが必要だったのです。
PS. 落語は子供のころから好きでした。
昔は桂枝雀推し、大人になってからは滝川鯉昇激推し。
見た目もお話も最高にイイ!
鯉昇のマクラで衝撃的だったのは、客席をじっと見渡して
約1分無言だったとき。その間客席からはどよめきとクスクス笑い。もうそれだけで鯉昇ワールドに入っちゃってました。
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