~デザインから発注~自分でデザインしたジュエリーはどうやって製品化するのか【3】
作りたいデザインがあり、製品化したい場合。
画像左上①から
1.ラフ画や参考資料がある場合
加工屋さんにラフ画や参考資料を見せて、
まずは加工が可能なのかどうか確認します。
その時、最も大事にしたい事を必ず伝えます。
加工できなかった事例として
グラム数・・・設定した価格に見合わない。予想外の地金代になることもある。想定より重くなって実用化できない。など。
デザイン・・・ツメの形や石の角度、譲れないデザインのポイントがあるときは必ず伝える。細すぎて強度が足りない、物理的に不可能な形、など。
ウソみたいだけど、実際あることです。
受ける側として、
発注者が一番大事にしていることが分かると
とても仕事がしやすいのです。
出来ることは最大限やれますし、
できないことははっきりお伝えできるからです。
以下、それぞれ工程の説明をします。
①デザイン・ラフ画から、次に②手造り③Wax④CAD、3D造形のなかで
最適な工程に移ります。
②地金から手造りが一番シンプルな工程。
一般的な一点もので昔からあるやり方です。
絵を預けて石留まで一気に終わります。
加工賃、地金代がそれぞれかかります。
地金から作る場合、すこしゴツく重くなるのが普通。
デザイン画を渡して、あとは出来上がるのを待つ。
とにかく初めの打ち合わせで念入りにすること。
③Waxは地金の無駄がないのと造形が地金より容易。
デザインによってはWaxのほうが良いことも多くあります。
造形の自由度が高いので、世界中にワックスを使った作家が多いです。
使っている材料も同じメーカーのものです。
ワックス造形後にキャストがあるので、時間もその分かかります。
ワックスから地金の重さをすぐに換算できるのもありがたい。
デザイン画を渡して、wax造形をし、キャストに出して、仕上げ。
最低一回、ワックス加工上がり時に形やグラム数をチェックします。
理想は各加工ごとの確認。わたしは必ず各工程をチェックします。
④CADや3D造形は一般的になっている。
PCでデザインしたものを出力し、キャストして製品化します。
私が現場にいた頃はまだ一般化して日が浅く、若い原型師などが導入を始めたばかりでした。いまはもっと浸透しています。
そのころの3Dはつくりも荒く、あまり繊細なものではありませんでした。
現在はソフトも進化して、専門のデザイナーも育っていて、無くてはならない技術になりました。
製品も、出力後そのままキャスト、磨きへと加工ができるので便利になっています。
デザイン画ラフ画を参考に打合せ、デザイン決定後出力、キャスト、仕上げ。はじめの打ち合わせを念入りにすることは手造りの時と同じで、ここが肝心だと考えています。
CADを扱えてご自分でデータを作成できる方は一番早くローコストで製品化できるでしょう。CADを導入するのがかなりコストがかかるので、ちょっとやってみたいくらいの方には難しいのが現状です。
そのかわり今は頼めるところがたくさんありますので、外注するのが得策ですね。餅は餅屋。
「無理ですね。」といわれることがある。
このデザインは無理ですね、と言われたらどうするか。
「どの辺が無理なのか聞いてみる。」
どの工程が無理なのか必ず確認してください。
さらに、どうすれば可能なのか聞いてください。
受付の方ではなく、奥から職人が直接出てくることもあります。
遠慮せずに質問していくことが大事です。
形や大きさで無理な場合は、どうしたら可能になるのか聞きますが、法律に触れる理由で断られた場合は論外です。ブランド品または市販の製品のコピーは犯罪です。絶対にだめ。
記号・リュウコ
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