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大学院留学までの道のり②~出願から合格まで~
2つ前の記事で、大学院進学をすることを決めた話をしたのだけど。
今回は、留学を決意した後私が大学院から合格通知をもらうまでのことを書いておこうと思う。
まずは行ってみよう
出願すると決めた後の私は早い。(自分で言う)
大学院のホームページや奨学金のことを調べながら私がまず行ったのは、出願準備…ではなく、オープンキャンパスに行くこと。
大学院のことがなかったとしても、もともと6年ぶりにボストンに行くことを楽しみに仕事を頑張っていたので、仕事で周りにも協力してもらって10連休を取り、ついでにオープンキャンパスに行くことにした。(職場の皆さんに感謝)
★ちなみにお金は最小限に抑えたかったので、JALのLCCのzip airでロサンゼルス経由で24時間以上かけて行った。笑
車いす対応がちょっと心配だったけど、さすがJALのLCCなだけあってとても綺麗だし丁寧で優しい対応でした。CAさん達ありがとう。
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事前に大学院の担当の人にメールしてアポを取り、「日本から行きます!車いすに乗ってます!あなたの大学院にすごく惹かれているのでキャンパスが見れたら嬉しいです!」という私は相当レアだったんじゃなかろうかと今となっては思うけれど、大学院の入試担当の方は快く私を歓迎してくれた。
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入試担当の人も卒業生のひとりだったようで、教室やラウンジを丁寧に見せてくれた。こういう時謎のポジティブを発揮する私は、自分がその教室で学ぶ姿を想像して「想像できるってことはきっと入学するんだ」と思いながら。笑
オープンキャンパスに行けることに感謝しながら、6年ぶりのボストンを満喫した。
出願準備
キャンパスを訪ねたことで自分がそこにいるイメトレを重ねた私は、帰国後本格的に出願の準備を始めた。
アメリカの大学院受験は日本の仕組みとはだいぶ違って、いわゆる入試がない。その代わり、準備物が多い。私が準備したものはこちら。
・エッセイ(パーソナルステートメント)
いわゆる志望理由書みたいなもの
・履歴書
・大学在学時の成績表
・推薦書
(・英語力を証明するIELTSやTOEFLスコア)
これらの提出物を総合的に評価されて最終的に合否が決まる、という仕組み。
私が一番時間をかけて準備したのはエッセイなのだけど、私はここでめちゃくちゃやらかす。笑
英語で正式な小論文を書くのは初めての私は、まずエッセイの書式が理解できなかった。書式で指定されているdouble-spaceが分からない。でもとりあえず思いつくままにとりあえず書いてみる。
なぜ私がこの学校でソーシャルワークや特別支援教育を学びたいと思ったのか、その原体験は何か、そこから学びをどんな風に社会に還元し、どんな未来を描きたいと考えているか。
冒頭のnoteにも書いたように私が普段から考えていることを表現すれば良いと思っていたので、英語力はともかく内容に詰まることはなかった。私のストーリーを知ってもらえるように言葉を繋ぎ、A4サイズ4枚に込められる限りの私の熱意を込めて、意気揚々と知り合いのアメリカの教授に添削をお願いした。
で、そこで言われたひとこと。
とても時間と労力をかけてあなたがこの文章を書いたことが伝わってきた。
…書式指定がdouble spaceだから、行間は2倍空けないとダメよ。
私はどうやら行間を詰めすぎて書いていたらしい。つまり、ボリュームを半分にしないといけない。
渾身の力で書いた文章を半分に削りつつ伝えたいメッセージは残す作業が必要で、地味に大変。
それでもどうにかこうにか削り、添削してもらって私の幼稚な文章が一気にカッコよく見えた。行間を確認するって大事。
それ以外の必要書類は、仕事の合間に母校に行って成績表を取り寄せたり、IELTSを受けたり、履歴書を書いたり、推薦書をお願いしたりした。
エッセイ以外で大変な書類は、大学の成績表をアメリカ版に変換する手続きをして送ることだと思うのだけど。その手順についてはこの方のブログがとっても参考になったので貼っておきます。
社会人留学の時間の使い方
フルタイムで働きながら出願準備をして思ったのが、時間の使い方が結構肝だったということ。
仕事から帰ってきて出願準備、って私は結構やる気を出さないとできなかった。仕事帰りはのんびりしたいし、そもそも私には身体障害があるので家事や入浴に時間がかかる。母校に問い合わせたりも地味に時間を選ぶし。
ということで私は、毎日少しずつよりも「この日は頑張る日」と決めた日に出願準備を進めた。人によるだろうけれど、私はこうやって決めた日にまとめて集中した方が捗った。
やり方は人それぞれで良いと思うけれど、働きながら大学院留学の準備をする場合、気づくとあっという間に時間が経つから。
どんな風に自分の時間を使うかは決めておいた方が良い、と個人的には思う。
出願までにかかった費用
私の記録も兼ねてざっくりここまでの費用も残しておく。
私はとにかく安く最短で大学院留学を目指そうと思っていた。アメリカの学校はただでさえ学費がありえないほど高いし、私もいつまで留学に行けるほどの体力があるか分からないから、行くと決めたら最短で行きたかった。
だから、受験した学校はひとつだけ。
英語の勉強も2冊だけメルカリで参考書を買って、IELTSの受験が終わったらまたメルカリで売った。笑
有料の添削サービスや英会話も使わず、どうしてもいろんな人の意見が欲しかった時はオンライン英会話の無料体験を使う。
そんな感じで過ごしていたので、実際にかかった費用は
・母校の成績表 トータル2000円くらい
・大学院に成績表をWESで送る 40,000円くらい
・IELTS受験 25,000円くらい
計 7万円弱
このくらいで抑えられた。
まぁでも、改めて書くとこれでも安くないよな、と思うけれど。複数の学校を受けたり、何度もIELTSやTOEFLを受けたりするともっとかかると思うから、いっぱい受験している人達はすごいなぁと思っていた。
だから、あくまで私は、だけど。
私の場合はこんな感じ。
道を自分で選ぶということ
大学院生活を送るかもしれないことに対する不安は、出願する時からあったし、それは今も変わらない。
授業ついていけるかなとか、課題多そうだなとか。ていうかそもそも、私の場合は介助者が必要だから、介助者どうやって見つけようかなとか、バリアフリーの家見つかるかなとか(この話はまた別記事にします)。
ぶっちゃけ、挙げたらキリがない。笑
でも、「大学院留学の道を選ぶ」ことに対する不安はなかった。
いわゆる社会人として組織から守られているレールから降り、有難いことにお金を稼げている状態にあり安定した生活基盤があるところから、わざわざ日本円が泡のように消えていくであろう円安のアメリカで大学院進学を目指す。
状況からしたら絶対こっちの方がしんどいのだけど。それを選ぶ怖さは、そんなになかった。(経済的な心配はずっとあるけど)
それよりも、私は組織の一員としてずっと働き続ける道が当たり前とされる世の中に居続けることの方が怖かった。
世の中の「当たり前」や「普通」を信じて、なんとなく生きていれば自分の意思なんてそんなになくてもなんとなく日常が過ぎていく。
「みんなそうしてるから」
「こういうものだから」
「組織がそう言うから」
そうやって「みんな」や「組織」に自分の身を委ねても平和に穏やかに生きていけること。それはすごく幸せで恵まれたことでもあると思う。
でも、それって実はすごく脆いものだとも私は思っていて。
「組織」や「みんな」に自分を委ねている部分が大きければ大きいほど、いざそれがブレたり崩れたりした時にどうしたらいいのかわからなくなるから。そこで初めて、「自分はどうしたいのか」を問うことになるんだと思う。それってすごく不安だと思うんだよね。今まで指針になっていたものがなくなるから。
だから私は、組織や社会のレールに自分を委ねすぎない生き方がしたい。元々障害を持って生まれたから、私はそもそも世の中の「普通」に当てはまれなかったとも言えるのだけど。笑
だって結局、私の人生の責任が取れるのは、組織や社会じゃなくて私しかいないから。
何か自分にとって傷つくことや悪いことが起きた時
「みんながそうしてたから私もここまで来たのに!」
「組織の言うことを信じてたのに」
「みんなが進む道を歩めばとりあえず安定だと思ってたのに」
そうやって社会のレールや組織のせいにしても、相手は責任とってくれないから。そうやって生きることを選んだのも自分でしょ、と言われたら返す言葉がない。
だったら、それがどんな選択だったとしても
「自分で選んだ道だから」
と納得しながら生きていきたい、私は。
もちろん、生きてたら、自分にはコントロールできないことも起きるけれど。
その中でも自分にできること、自分から変えていけることを見つけていきたいなと思う。
そんなことを思っているので、
大学院留学の選択に迷いはありませんでした!
(後悔したらどうしようとか思うけど、それはその時にならないと分からないからとりあえず今の自分が納得していたらそれでいい)
モノもお金も盗まれるけれど、自分が得た経験と教養は誰にも盗めない
そう、私が尊敬する一人の人が言っていた言葉が印象的で、私の中にずっと残っている。
地位も名誉もなくても、自分の中に誇れる経験と人との繋がりを大事にしたい。
大学院も、そんな私の想いを受け取ってくれたのかな。合格を頂けたことに、ただただ感謝です。
とはいえ、私が本当に進学するのかまだ半信半疑なんだけど。笑
次は、障害学生ならではの悩み。
介助者やバリアフリーの住居探しについて書こうと思います。