ミュージアム探訪2021年1月 東郷青児のいつもと違う筆遣い
「東郷青児 蔵出しコレクション〜異国の旅と記憶〜」
@SOMPO美術館
天女のような神秘をまとい、哀愁漂う女性像が好き。2017年の生誕120年展に続き、観てきました。
旅がテーマの同展。
パリを創作の出発点に。
戦後、アメリカナイズされていく日本やヨーロッパ諸国につまらなさを感じ、
モロッコ、チュニジア、アルジェリアへ。
うつろな瞳の痩せ細った母娘の絵や、
数少ないエキゾチックな男性像など、
カメラを向けて切り取ったような作品。
そして、荒々しく絵具のあとを残した晩年の作品。
まだ見たことのないものを求めて旅をした画家は、
常に求められてきた"東郷青児様式"に葛藤していたのだなと。
少しだけ内面を覗いたような気持ちになりました。
昨年、高層ビルから移転。敷地内に新設された美術館はモダンで明るい空間。高所恐怖症には嬉しいです。