ORION 全曲解説9 猜疑SNR
20周年!14曲入りフルアルバム!
ORIONが結成20周年を迎えまして、結成20周年目にして初のフルアルバムをリリースします!(全14曲入り)
こちらを記念してレコ発イベントも執り行われるので要チェック!
ORION / ORION (CD/BTR-148)
2,300円+税
2024年11月5日発売
01.パーフェクトTemplate
02.Defeat
03.New Horizon
04.Eternal
05.Getting around the wrong ethics
06.TWICE
07.瘋癲
08.エレメント
09.猜疑SNR
10.トンボ、羽、矛盾を作りだせ
11.創造デファクトスタンダード
12.パーセントTerrorist
13.カスバビル愚民のラベル
14.サンプリングStreaming
通販購入はこちら(送料無料)
■PV
ORION / パーフェクトTemplate
■ORION20周年記念ツーマンライブ
2024年11月16日(土)初台WALL
ORION
eventoday
OPEN/START 18:30/19:30
ADV/DOOR 2,400円/2,400円+1Drink
全曲解説⑨猜疑SNR
さて、いよいよ後半戦のこの曲、猜疑SNR!
これは我々の記念すべき初正式音源、2007年にリリースしたAgainst One’s Wellとのスプリットに入っているリード曲。このスプリットをリリースした時のエピソードは我々の歴史の中で大事なポイントになっているのでここに記そう。
アルバム4曲目の「Eternal」曲解説で記載したとおり、我々の初期の活動はAgainst One’s Wellなくして語れないわけだがそのAgainst One’s Wellが初の音源をリリースするにあたり是非ORIONとリリースしたいと言ってくれた。その上でレーベルの社長を紹介したいから今度渋谷にきてくれと言われ、私は気軽な気持ちで指定された店へ。あの時行ったのってORIONメンバーで誰なんだろ。覚えてないな…。
行った先の飲み屋で店長をしていたのがレーベルの社長でもあるタケさん。タケさんはAgainst One’s Wellメンバーのアパレル関連の先輩で、当時タケさんは自分のレーベルでHipHopのミックステープとかを出してして、バンドのリリースはほとんどやってなかったと思う。でも昔ながらの仲間であるAgainst One’s Wellの音源だからとリリースしてくれることになったと聞いた。タケさんと我々ORIONは当時全く面識がなく、Against One’s Wellが言うならって感じだったと思う。
そんな経緯もあまりよくわからず、世の中を舐めてるし今より圧倒的に怖いもの知らずだった若かりし私は、その初対面の打合せの時、普通に飲んで普通に楽しんでしまう。でもたぶん特に生意気な態度をとったとかはなかったんだけど酔っ払っていることもあり自分達を過剰にへりくだる発言を繰り返してた。「俺らなんて大したことないっすよ」的な。そしたらタケさんがキレ出す。お前らの音源なんか出したくねえよと。そりゃそうだよね。タケさんからしたら初対面だけどAgainst One’s Wellが一緒にだしたいって言うから出してやんのにそのボーカルが酔うだけ酔ってダサい発言してるんだもん。そんなバンドのリリースなんてしたいわけない。
当然全面的に私が悪いのだがここで私は若さも相まってなぜか逆ギレ笑
最初から言えばよかったORIONに対する思いだとかどんなスタンスで活動しているのかを熱く語り出す。初めからやっとけよって話なのだが。
しかしこれまた状況を悪くする可能性は大いにある。なぜなら私と酒の席を一緒にした方はお分かりだと思うが酔って熱い話スイッチが入った私は熱すぎるくらいに熱い。人によっては絶対にウザい。たぶんAgiainst One’s Wellボーカルのソウさんとかはそれを急に自分の先輩でもある、しかもキレてるタケさんにやりだしたからヒヤヒヤしてたと思う。でも当時は怖いもの知らずの私、最終的にはタケさんが納得してくれて、その日1日でめちゃくちゃ仲良くなるまで関係は進展。ちなみにタケさんは見た目もちゃんと怖い人。今の私なら絶対にこんなことしない。たぶん話すとき喧嘩口調だったし。あー若いっておそろしい。
その後タケさんとは最初がアレなにも関わらずとんでもなく可愛がってもらい、タケさんがオーナーをつとめるタケノツカでは数え切れないくらいの酒を飲ませていただきました。てか今もか。
で、前おきスーパー長くなったけど無事にリリースされたスプリットの1曲目に入れたのがこの曲猜疑SNR。ちなみにスプリットはまだ売ってた笑
この曲くらいから私とケイスケの間で本格的に変拍子にハマっていって、わかりやすくはないが、よく聞いたら変拍子な曲を量産していた。いかに違和感なく変拍子を取り入れるかがなぜかモチベーションだった。
その後のメンバーチェンジの時、どのパートでもキャッチアップするのにこの変拍子が苦労の種となることはこの時は予想だにしなかった笑
あと、このあたりでメンバーの多くがBridge to Solaceにどハマりしていて、そのへんに大きな影響を受けた、ヘタするとオマージュなんじゃないかと思うようなフレーズもありこの曲は完成。
歌詞は結構重い出来事があった時に書いたからこの曲と次に解説する予定の「トンボ、羽、矛盾を作りだせ」はあまり詳細に意味は書きたくない。ただ、今回再録するにあたりあの時の重い出来事以上につらい出来事やそれを乗り越えてきた経験を自分なりにしてきて、少し昇華できた部分もあるから一番キーとなっていた部分だけ書き直した。どの部分かまで書くのはさすがに野暮だから避けるが、今の自分が歌っても違和感のない内容になったかと思う。
ゲストボーカルには盟友KBC改め大宮まぜそば誠治のザーゴン。どうしよう、ザーゴンの話をしたらまた長くなる笑 まあいいや書くとしよう。
ザーゴンとの出会いは埼玉北浦和で時はおそらく2011年。当時も今も我々はどこでライブするにも「埼玉北浦和のORIONです」と挨拶するのであるが、心から我々のホームは北浦和なんだと感じてライブができるようになったのはKBCに出会ってから。
元はといえば結成当時、埼玉にキャンパスがある大学で結成したのもあり、同じ埼玉にある今はなき北浦和KYARAというライブハウスでブッキングのライブをやらせてもらいたくてデモ音源を2004年に持っていったのが我々がホームは北浦和と言い出したはじまり。しかし北浦和KYARAといえばthe telephonesだったりRIDDLEだったりが人気だし精力的に活動しており、我々もちょくちょく出させてもらったりイベントもやったりしてたけど、同じような感じのバンドは他に皆無だったのでうまく馴染めてなかった。それが悔しくて意地でやってたのが我々の前半の北浦和での活動。
それが転機がきたのが2011年。最初にデモ持っていった時店長をやっていて我々が恩義に感じているハマさんが辞めてしばらく経ってたんだけどまた戻ってきてバーカウンターの方をやるって話を聞いて我々もまた通うようになる。
そんなとある日、その時もハマさんと喋ってたら「そういえばこいつクミタとタメだよ」って紹介されたのがKBCのギターのテツ。デカいし輩っぽいし、なんかカワイイ子連れてるし(テツはこの文章みないだろうから書いても大丈夫と自分に言い聞かせる)ハマさんなんでこんなめんどくさそうなの紹介したんだよって正直思いながら話したら、テツも昔からKYARAでバンドやってるし、少しだけ働いてた時期もあるから我々の存在も知ってるし思ったより気さく。何より当時は特に我々もあまり褒められないような品のない飲み方をしてたんだけどテツもそれは同じ笑
あれ、これは仲良くなれるかもしれないぞ、と日にちを変えて大宮で飲むことに。この時にタメの醍醐も紹介してもらって3人で飲んだ際に意気投合。それ以来毎週のように大宮で飲む。で、毎週のように泥酔して毎週のようにテツはいい歳して街中で揉め事起こして、毎週のようにそれ見て俺は笑ってバカ騒ぎ。この時は狂ってたけど楽しかったなー。その時にKBCの他のメンバーであるザーゴン、しんやさん、しのはら、ヒロ、ノリなどなどを紹介してもらう。その中に現ORIONのメンバーであるキノシタとも仲良くなる。あ、ベースのトモヤもテツの後輩か。ってことでこの頃の宴会がなかったら今のORIONは存在してない。
そしてこの狂気のパーティの様をそのままイベントに落とし込みたいとKBCと共同で組んだイベントが「腸詰ギグ」。我々が毎回飲んでいたのが大宮の「来々軒」だったのだが、そこのメニューで腸詰があったのでイベント名にするというなんとも安易な名前。
イベントは文字通り狂気で北浦和KYARAでは当時珍しかったであろうテキーラガールを招聘したところ、テキーラガール含む3人くらいが急性アルコール中毒で救急車で運ばれたのが初回。それ以来腸詰ギグでテキーラガールが出すテキーラはジンジャーエールと割ったショットガンスタイルが必須、そしてボトルの本数は3本まで。それでも必ず誰か潰れてたな笑
そんな遊びを繰り返している中でザーゴンとの仲も自然と深まり、KYARAが移転してザーゴンがフロア上の飲食店を取り仕切るようになってからは我々の入り浸り度も深まっていった。腸詰ギグは合計何回やったんだろ、10回以上はやった。とにかくいいイベントだった。我ながら。と思ったら動画残ってた!!
そんな我々の活動を語るにおいて切っても切り離せないKBC。今回のアルバムのゲストボーカルしてもらうにきまってるでしょ!とザーゴンにオファー。KBCはかなりふざけた歌詞なんだけど今回はちゃんと作ってくれた笑
なんだかこの曲は解説というより周辺情報が多くなったな笑
その分他の曲に比べて倍くらいの量になっちゃったのはご愛嬌笑
「猜疑SNR」
詞 Kumita, Kubota, ザーゴン
[Kumita]
猜疑SNR
社会的恐怖教えられ
民は闇を訴えた
真似することが日本の伝統
価値を下げ合う会話
Dear my enemies ありがとう
My worst memories ありがとう
疑え自分を
疑え一つだけ
起原を軽く扱い
数値に見とれた先入観
知ったかぶりの電波
絶え間なき斬新
ここで まわされるんじゃない まわるんだ ここから
偶像は勝ち負けじゃない
信じられれば嘘でもいい
[Kubota]
愛もなく評価する外野が嫌
誰かの所為なのか色素抜けた老害
お前の歌は 地獄のミサワ
同レベ集めた地元の味方
いちいち溢れる情報を気にしてるから
変なバイアスが掛かってくるんだよ
教養が 無いから 全部 鵜呑みに
疑え 世間を 一つだけ
[ザーゴン]
常に意識する新感覚
触れずにするな神格化
あんたの神経正確か?
見えてる全てが真実か?
乖離戦慄さ
猜疑SNR