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皮と革、種類について勉強する

靴も鞄もベルトも、色々な革製品がありますよね。下記は私のコレクションです。

自分の使っている革っていったいなんなんだろう。ふと思ったので、革の種類や製造工程について勉強してみました。


■■そもそも皮革製品とは? 皮と革の違い

■皮と革
皮と革の違い、考えたことはありますか?

動物の身体にまとわりついている真皮の組織、加工前の状態を「皮」といいます。

一方、そこから腐敗や硬化をしないように、皮表面のコラーゲン質を取り除く手法「なめし」を施したものを「革」といいます。


■■「なめす」とは?
革製品として私たちの手に届くまでに、たくさんの工程があります。

血液や汚物を除去したり(水漬け)、肉片や脂肪分を取り除いたり(裏打ち)、マニアックな世界になってしまいます。

ここでは、革の風合いに関わるポイントとして「なめし」にしぼってお話します。なめしには大きく3種類の方法があります。

■タンニンなめし
植物の樹皮から取り出したタンニン(渋)を使った方法。別名「渋鞣し」。

日焼けによる色の経年変化を楽しめます。ヌメ革やクラフト革に利用されます。下の画像を見ると素材の良さが引き出されて、良いエイジングしそうな感じが漂っていますね。


■クロムなめし
塩基性硫酸クロムという化学物質を使ってなめす方法。

染色性が高く保存もタンニンなめしより効く。大量生産ができ革製品の85%がこの手法で製造させています。袋物革や衣料革に使われています。

■コンビネーションなめし
クロムなめし後にタンニンなめしを施すなど、両方の工程を入れるものです。


■■革の種類

■メインは「牛」と心得る

私たちが触れる革製品の大半が牛革ではないでしょうか。

そもそも革製品は、基本的にはお肉やお乳など食用の動物を殺めた際に出る副産物から作られます。なので、世界でも最も家畜しやすい動物のうちの一つである牛がより多く使われるんですね。

・カーフ
生まれて6か月以内の仔牛から取れる上質の革。きめが細かく、しなやか。ドレスシューズに使われます。

・キップ
生後6か月から2年くらいの革。中牛革とも呼ばれる。カーフよりも厚みがあり頑丈。

・スウェード
革の裏面をこすって毛羽立たせたもの。毛並みを整えることでしっとりします。エレガントな印象を与えます。

■つやが特徴。馬のお尻「コードバン」
馬一頭から採れる量が少ない貴重な素材。鞄や財布にも用いられる。繊維が非常に緻密で独特の光沢が出ます。すごい光ってますよね。

■模様のついた「エキゾッチレザー」は総称
上記した牛や馬など家畜動物ではない、ワニやダチョウ、トカゲなどから採れる革の総称。その動物の模様がフルに生かされます。

ワシントン条約の関係で取引が禁止され、市場に出回らなくなった貴重な素材もあります。


■■最後に

今回は革の素材にしぼって、記事にしてみました。

それぞれにお手入れ方法があるため、あまりがっつり踏み込めなかったのですが、基礎知識として覚えて損はないと思います。

参考資料:
日本革類卸売事業協同組合(2017)「レザーソムリエ資格試験公式テキスト:Basic(初級)編」
枻出版社(2018)「別冊2nd:革靴自慢。」

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