「東京モダン生活」展@東京都庭園美術館

8月最後の土曜日、午後少し時間が空いたので、白金の東京都庭園美術館「東京モダン生活」展を訪問。
 
1933年竣工の旧朝香宮邸美術館本館は、まさにアール・デコの館。すっきりとして都会的でモダンなアール・デコの様式美は、この建築が、朝香宮邸から戦後の外務大臣公邸、更には迎賓館と、常に時代のニーズに応えてきたことの理由と無縁ではないだろう。アール・デコは機能美を追求したものではなく、一種のスタイルとして生まれたものという説明を聞くこともあるが、そこは結果オーライ(アール・ヌーヴォーの館に吉田茂外相の執務室と言う訳にも行きませんからね)。
 
隣接の新館ギャラリーは、この邸宅が生まれた時代の東京の在り様を数々のコレクションで紹介。当時の写真を見るに、銀座などの繁華街に集う紳士淑女の何とお洒落なことか。関東大震災から戦争の足音が聞こえて来るまでの1930年代の僅かな期間、確かに東京はモダンな都市文化の萌芽を謳歌したようだ。

折しも昨晩安倍首相辞任のニュースが流れ、時代の変遷を否応なく意識したこの週末、東日本大震災に始まりコロナ禍で終焉を迎えた2010年代を、後世の人々はどう整理することになるのだろう。観覧後カフェのテラスで、この春から上空を飛ぶことになった羽田着陸の旅客機を眺めつつ(結構な数!)、ふとそんなことも思った次第。
 
展覧会は9月27日まで。チケットは日時指定制なし。
 
#東京モダン生活
#東京都庭園美術館
#アールデコ
#朝香宮
#美術館巡り
#アートナビゲーター
#アートインビジネス