弛みない弛緩を繰返して
grapevine in a lifetime presents another skyのハナシ。
とはいえまだ9月の追加2公演があるから第1部アナスカパートのことだけ、いつどんなときも最後までネタバレはしないと決めているので!
マリーのサウンドトラック
1曲目が田中の歌とギターだけの入りって、やっぱり緊張感がすごくて。
3本目で歌い始めた瞬間のぐっと引き込む力が急に強くなっていて驚いた。
指弾きのときって右手見ちゃうね。
ドリフト160(改)
イントロが正確に刻まれるだけでかっこいいが確定する。
マリーが静ならドリフトは動、ここで一気にステージもフロアも加熱・加速する感じが毎回たまらなかった!
間奏前の「流れてしまえばいい〜」のフェイク、気持ちいい声の飛び方だったなぁ。
BLUE BACK
毎回楽しかったBLUE BACK。
田中もにこにこアグレッシブで楽しそうで、それを見てこちらもさらに楽しくなってしまうんだよな。
マダカレークッテナイデショー
クラサー2018でのかねやんのかっこよさは印象深い思い出の1つで、あまり時を経ずにまた聴けるなんてね。アウトロのぶりんぶりんのベースで毎回テンション上がった。
余談、久々に『脂肪のかたまり』を読み直したりもした。
それでも
いったんここでクールダウン。
やっぱりアコギを弾く田中が好きだ。
そしてちょうど季節が変わるタイミングでこの曲を聴けたのはとてもよかった。
Colors
わたしは“色の表現”というものに惹かれやすいらしく、普段読書中にふせんを付けたところを見返しても、色のことが書かれた部分が多い。だからColorsの歌詞の美しさにも当然心を奪われていて、まつげを「獰猛なブルー」にしたり髪を「あの見果てぬオレンジ」にしたり、今回のツアーは自分なりに色を取り入れてみたのだった。
フロアの1人1人がそれぞれに景色を思い浮かべているんだろうなぁ。
Tinydogs
落ち着いているようで、中身は燃えているような。
観るたびに演奏する姿のかっこよさに気付かされた1曲。
「イライラするぜ」と歌った後に意地悪く笑うのがよすぎた。
Let me in〜おれがおれが〜
問答無用でかっこいい。大好き。
精神が泥沼だった頃、あるフレーズがそのときの状況と一致していて、当時はよく心の中で繰り返していたな。
ナツノヒカリ
アナスカ再現が発表されたとき、まず頭に浮かんだのがこの曲。バベルのリハご招待で客電が点いたまま演奏されたナツノヒカリをずっと抱きしめて生きてきたけれど、6年ぶりに再会を果たせて嬉しい限りだった。
人生で坂道で仲直りしたことはないけど、きゅんとする曲。
Sundown and hightide
ハイハットのカウント4つ、最初の音をアップでざりーっと鳴らす様、「まるでカスタードを指でなすりつけた 体のグラデーションを眼に焼きつけた」という歌い出しがとても好き。
アナザーワールド
アナザーワールドってWアンコやここぞというときに持ってくる、ちょっと特別なイメージがあって。そんな曲を毎回聴けてしまっていいんですか?過剰摂取にならないですか?という気持ちだった…。
儚くて危うくて悲しいけど少しの強さだって持ち合わせてきたような、長い時間を進み続けている今のアナザーワールドに心を奪われた。
ふたり
これ以上やさしい歌い方はないっていうくらい、ふわっとなでるような声。言葉の並べ方まで美しいんだよなぁと改めて。
アニキ曲はいいぞ。
*
3度目の再現ツアーも、再現パートに関してはMCなしで粛々とアルバムの曲順通り演奏していくという形式。こういうのはやっぱりホールが合っているのかなと思っていたけど、個人的にはライブハウス公演がとんでもなくよかった。特に切り替えタイミングだった4本目のfesthalleは、ステージとフロアの「これだよこの感じ!」の温度が合致していたのがわかって、ぐっときてしまった。
ツアーで回数を重ねるごとにアップデートされて驚かされるのはまぁいつものことと言ってしまえばそれまでなのだが、突発的なワンマンや東京大阪だけみたいな小さなツアーよりも5公演以上いろんな規模の会場を細かく廻るツアーの方が、バインの長所がより発揮されるのだな。
実は『another sky』というアルバムには正直なところ強い思い入れはなくて、というのもGRAPEVINEを聴き始めたときにはすでに発売されていたので、今ならば当たり前に為される「新譜の情報解禁→指折り数えてその日を楽しみに待ち続ける→フラゲしてその1枚をひたすらに聴く」という流れを通らずにいたために、自分と重ね合わせた解釈が生まれてなかったんですよね。
でも20年前の中学生のときに出会っていたってきっと惹かれなかっただろうし、大人になってハタチのアナスカと改めて出会えてよかったなぁと思う。
東京DAY1・名古屋・高松・広島・福岡、各地の取るに足らない思い出はTwitterとInstagramに置いてあるよ。