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「プロ」について考える①(Off the pitch talk 第13回〜第15回まとめ)

皆さんこんにちは。神村です。
突然ですが、皆さんは「プロ」という言葉を聞いて、どのようなイメージを持ちますか?スポーツ界にも、「プロ」の選手はたくさんいますし、将棋の世界にも「プロ」の棋士がいるように、世の中で「プロ」と呼ばれる世界は多岐にわたりますよね。同じように、ビジネスの世界においても「プロ」と呼ばれる方は存在すると考えています。今週は、私なりの経験や価値観に基づいて、「プロ」について話していこうと思います。
(本稿は、「Off the pitch talk」第13~15回の放送内容のまとめです。
今回はインタビュー&文責:神田さんでお届けします)

早速、本題に入りたいと思うのですが、これから社会で活躍するであろう若い方々にとって「プロ」になるために最も大切な要素は「主語を"I(私)"にする」です。当たり前ですが、仕事 / プライベートに関わらず、全ての物事は自分で決めなければなりません。むしろ、自分で決めなければ何も始まらないと思っています。まずは、この「主語を"I(私)"にする」ために必要なキーワードから、詳しく説明していきます。


↓↓音声で聞けるstand.fmはこちらから↓↓

#13: https://stand.fm/episodes/5faf20ff2c849b56e2493731
#14: https://stand.fm/episodes/5faf24b8bfd831cabb3998da
#15: https://stand.fm/episodes/5faf27bf2c849b36e24937ba


「プロ」に求められる2つの"ジリツ"

「主語を"I"にする」ためには、2つの"ジリツ"を意識することが大切だと考えています。

①:自立(自分で立つ)

1つ目は、「自分で立つ」という意味のジリツです。とりわけ、立ち方(スタンス)が重要だと考えています。

人が物事に正対する(向き合う)とき、真正面から向き合うのがとても大切だと思うのですが、つい周りの環境や状況の変化によって、知らず知らずのうちに、どんどんと正しい方向からズレた方向へ進んでいることが往々にして起こります。俗に言う、"斜に構える"というやつです。この、"斜に構える"ことが、物事を正しく理解する阻害要因になったり、あるいは結果的に道筋を遠回りになったりする原因になり得ます。

ゴルフの世界でも、超一流と言われるタイガーウッズでさえ、立ち位置や打つ角度、タイミングなどが正しいか、細部に至るまでコーチと一緒にチェックしていますよね。やはり、正しいスタンス、自分の型をキープするというのは、とても大切ではないでしょうか。

②:自律(自分を律する)

2つ目は、「自分を律する」という意味のジリツです。こちらの"律"という字は、元々コントロールするという意味として理解しています。

例えば、ピアノの調律師は、ピアノを弾く際、誰が、どんな強さで叩いても、正しい音("ド"の鍵盤なら"ド"の音)が出るようにするのが仕事です。すなわち、周りの環境などに左右されず、常に同じようなパフォーマンスが出せることが大切なのです。
これを仕事に当てはめて考えてみると、自らをコントロールしながら、反復練習を怠らず、かつそれを継続して行うことが重要で、その結果「無意識にできる」レベルに到達できるのだと思っています。

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以上の段階をきちんと踏んでいくことが、「プロ」になるための必要条件だと考えています。もちろん、「プロ」といっても最初から全てのパフォーマンスが上手くいったり、完璧にできるわけではありません。”守破離”という言葉がありますが、自らの"型"を習得する過程においても、まずは基本をおろそかにせず、地道に努力し続けることを意識してみて欲しいです。

「プロ」であるための3つのキーワード

2つの"ジリツ"について、ご理解いただけたでしょうか。ここで、「プロ」であるため要件として、更に3つのキーワードを紹介します。

①:何でもできる

一見、私が皆さんに対して「スーパーマンになれ」と言っているように誤解された方もいるかもしれませんが、そうではありません。「自分に何ができて、何ができないのかを明確にせよ」ということです。

当たり前ですが、あらゆる物事が高いレベルでこなせる人は、ごく稀です。語弊を恐れず言うと、全てのことを「プロ」の水準でパフォーマンスできる人はスーパーマンでもない限りいません。なので、客観的に自分の出来ること(得意なこと)を見定めて、それらを徹底的に伸ばすことが大切です。そして、自分の出来ないこと(苦手なこと)については、周りの助けを借りる、あるいは仲間を増やすなど工夫してみると良いでしょう。

以前、イチローさんがあるインタビューで「自分が打てる球でないと、打たない(打たないボールには手を出さない)」と話していたのを覚えています。私は、打てるボールを確実に打つ技術を徹底的に磨いてきた彼ならではの回答なのだと、非常に感銘を受けました。「できること・できないことを知る=己を知る」ここに、超一流と二流を分ける本質があるように思えてならないのです。

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②:期待以上の成果にこだわる

皆さんが日々どのような仕事をしていたとしても、業務をする中で結果が求められると思います。その結果に対する期待値(水準)は人によって様々かと思いますが、自分に対する期待値を少しだけ超えた成果を出す、というのが「プロ」の神髄であると言えます。そうすることで、結果的に周りからの信頼が増し、皆さん自身が「良い成果が期待できる人=プロ」という評価を段々と受けるようになってきます。

先日、山形に引っ越した際も、購入した家具を配送してくれた業者の方々が、スピーディーかつ正確に家具を組み立てる姿を目にしました。さらにはその際に出る「段ボール・発泡スチロール・ビニール」などのゴミを手早く分けて片付けて撤去してくれました。「家具を素早く組み立てるという期待」を少し超えた、仕事がそこにありました。彼らの「プロ」らしい仕事ぶりがとても素晴らしいと感じました。

③:継続して成果を出せる

皆さんが過去の成功体験を振り返った時に、"偶然 / たまたま / 思いがけず"うまくいったなんてことはありませんか。実は、この"偶発性"を自分の実力と勘違いしてしまうことが往々にして発生します。ただ、「プロ」の世界では、継続的に(それこそ、年単位で)安定した成果を収めることが求められるので、そこを見誤るのは非常に危険です。

ある種の偶発性に頼らないことで、自身の周りの環境の変化といった外的要因にも左右されず、一定水準の成果が出せるようになってきます。また、世の中が不景気の時や会社の業績が悪い時、場合によっては自身の体調が優れない時であっても、継続することによって自信がつき、前向きに取り組めるようになります。

そして、「継続は力なり」という言葉は普遍的真実だと思っています。そこからは、「自分はこれだけ続けてきたから大丈夫だ!」との確信からくる楽観主義が生まれ、仕事上でのプレッシャーや困難に立ち向かう上で、絶大な力を発揮します。※詳細は後述します

真の「プロ」になるための4つのmust条件

最後に、「プロ」になるための4つのmust(やらなければならないこと)を紹介します。stand.fmの放送では少し駆け足になってしまったので、こちらではなるべく丁寧に説明したいと思います。

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①:物事は自分で決めること

ここで、かの有名な経営者であるジャック・ウェルチの箴言を取り上げてみます。

”Control your own destiny or someone else will.”(あなたの運命は自分でコントロールしなさい。さもなくば、他人がそうするでしょう。)

私が補足するまでもないくらい、とてもシンプルで的を得た言葉です。どんな些細なことであっても自分で決めるという習慣があれば、仕事で大きな決断を迫られた際にも、自分の意志で決めることができます

よく書店でも、"決断力"をテーマにした自己啓発本やビジネス書をたくさん見かけます。もしかすると、読者である皆さんの中にも、「もっと決断力をつけたい」と思っている方もいるかもしれません。しかし、この"決断力"というのは、職位が上がったから、あるいは特定のポジションを任せられたからといって一朝一夕に習得できるものではありません。むしろ、日常生活から自分で決め、それをやり切るという経験を積み重ねることでしか醸成できないと思っています。

②実行者であれ、評論家になるな(Don't be a Commentator)

ビジネスの内外に関わらず、「本当はこうすべきなのに…」「もっと違う方法があるのに…」と口を挟む人って、意外に多いですよね。自分とは異なる意見を受け入れず(むしろ否定ばかりして)、自分の価値観で"べき論"ばかりを述べる人は、結局は何かと理由をつけて実行者になるのを拒む傾向にあります。

残念ながら、評論家というのは、ある意味人間の癖みたいなものなので、一度評論家になってしまうと、それを矯正するのは非常に骨が折れますし、とても難しいです。ですから、皆さんは自分が評論家になっていないか?というのを常に意識して、仕事や日々の活動に取り組んでいただくのが良いと思います。

③:自責の人であれ

①:自分で決め、②:自分で実行する、ができるようになったら、最後は自分で責任を取ることが「プロ」になるためには必要です。この3つの条件は1セットで成り立つので、どれか1つでも欠けていたら、「プロ」とは呼べません。自責の反対は「他責」です。他責の人は、やる前から環境要因などを口にします。そして、恐る恐る進めます。だから失敗したり、大した成果を出せないまま終わります。自責と他責の違いはどこから生まれてくるのでしょうか?私は「失敗を恐れない心」だと思っています。「言い訳するな」というのは、失敗するなと言っているのではなく、本当は「失敗してもいいから、思い切りやれ!!」という意味なのではないかと思います。

④:楽観的であれ

実はこの「楽観主義」こそ、「プロ」になるための条件として最重要かもしれません。第二次世界大戦下におけるイギリスの首相であったチャーチルが次のような言葉を残しています。

「悲観主義者は、全ての好機の中に困難を見出すが、楽観主義者は、全ての困難の中に好機を見出す」

①:自分で決め、②:自分で実行し、③:自分で責任を取るという一連のプロセスが完璧になったとしても、今度は逆に自分を追い詰めて、苦しくなったり、辛くなったりする部分が出てくると思います。

その厳しさ自体は大切だと思うのですが、最後はなんとかなる(成せばなる)の精神を持っているか否かによって、自分の持っている力が100%発揮できたり、あるいは起きた結果に対して真摯に受け入れることができるのです。

また、場合によっては、チャレンジが失敗に終わるということもあるかもしれません。ですが、楽観的であれば、「今回はダメだったけど、次こそはできる!」という再起へのハードルも低くなると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「プロ」になるための道のりは、決して平坦ではありません。しかし、これまで述べてきたキーワードや諸条件を意識するだけで、皆さんの明日からの行動はすぐに良い方向へと変わるはずです。

これから「プロ」を目指すのであれば、いきなり全てにおいて完璧を目指さなくても良いので、先に挙げた項目のうち、まず自分が出来そうなことから始めてみるというのも有効だと思います。

そうすれば、目の前の仕事や日々の振舞いを通じて「プロ」に近づくことは誰しも可能です。ぜひ、読者の皆さんも一歩踏み出して、チャレンジしてみて欲しいと願っています。

(文責:神田)


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