【まったり経営学27】『世界標準の経営理論』第4部 社会学的ディシプリン〜驕れるものは久しからず〜
さてと、ここからは第4部
社会学的ディシプリン
に入ってく〜〜〜。
個人的には、
『世界標準の経営理論』が、他の経営学書に比べても、一読の価値がありだなと思う真骨頂が、この部だなといっても過言ではないくらい。著者の入山章栄さんが、
世界で最先端の経営理論に触れながら、それを「世界標準」として捉え直す
って、コンセプトの下で体系立てる中で、まだまだ当時としては、学説として確立し切れていないくらい新しい理論を積極的に紹介してくれているところにこの本が出された意味があるし、一番面白い目から鱗な理論が詰まってるなあと🤔
まあ、
で書いたとおり、
第1部(第1〜10章):経済学ディシプリン=マネジメントよりもさらに大きな経済学でのマネジメント理論
第2部(第11〜17章):マクロ心理学ディシプリン=経営における組織全体の知の創造といった大きな枠でのマネジメント理論
ですら、目先で反応するだけのせっかちで生真面目な、すぐに結果や成果が欲しい人から話が大きすぎて関係ないって感じられるだろうし、ましてや、
社会なんて話が大きすぎて、社会学なんて自分には関係ないし、触れる必要があるのか?
と思われるかも知れないけど、もはや、自分の組織や、自分が認知できる面識がある知人や取引先、株主だけといったステークホルダーといった閉じられた社会だけを見ておけば、安泰といった護送船団方式みたいな時代はとうの昔に終わり、
自分の認知の幅の外からチャンスもトラブルもやってくる時代に変わっている
ので、そーゆー人に限って望んでる
安定的で持続可能な経営や組織運営を実現
したいならば、
社会学ディシプリンは避けては通れない道
自分がデジタルに弱いとか、自分には自分のやり方があると
いくら思おうが思うまいがね👀
さてと、第4部で紹介されてる理論としては、
第24章 エンベデッドネス理論(embeddedness theory、埋め込み理論):社会的なつながりとは何か
第25章 「弱いつながりの強さ」の理論(strength of week theory):つながりの最適強度は?
第26章 ストラクチャル・ホール理論(structural hole theory):ソーシャルネットワーク理論の二大理論のひとつ
第27章 ソーシャルキャピタル理論(social capital theory):人と人(企業と企業)が繋がるメリットの総称
第28章 社会学ベースの制度理論(institutional theory):「社会・組織の常識(=同質化)」が生まれるメカニズム
第29章 資源依存理論(resource dependence theory):企業や組織間のパワー(力関係)
第30章 組織エコロジーの理論(organizational ecology theory):「企業の生死のメカニ ズム」などを解明。「超長期的視点」
第31章 エコロジーベースの進化理論(evolutionary theory):組織進化
第32章 レドクイーン理論(red queen theory):企業間の「競争による共進化」
て感じかな。
概要としては、
て感じ🕺
社会学ってそもそも何?
で、
一見、経営学に関係なさそうだし、興味がないからすっ飛ばしちゃおう
って人も出てきそうだし、
の最後の方で、SNSを引き合いに出したのは、SNSが
社会的なつながりを構築するツールとして爆発的に普及していて、経営学を語る上で、社会学はもはや切っても切れない関係
ってのは書いたけど、別に、
人や組織のつながり
で、昨今の最たる例で引き合いに出しただけで、人や組織の社会的なつながりは、SNSが登場するはるか昔、法人なんて考え方をサヴィニーが法人擬制説を提唱するよりもはるか昔のソクラテスやヒポクラテスの時代はおろか、人が地球上に誕生して、知性を持った有史以前存在してるのが、
社会
で、その
社会性 = つながり = ネットワーク
が生まれたと同時に、学問として成立していたか云々に関わらずに存在したのが
社会学
だから端的に言って、
一番古くて、一番新しい学問
時代を遡っていっても、
SNS→インターネット→携帯電話→TVと固定電話、シンクタンク→ラジオや電報や隣組→駆け込み寺とか五人組などなど、
人の暮らしにおける社会的なつながり=ネットワーク
を前提に、技術が発展したり、社会制度が作られたりして現在に至ってる。結局、社会の中で暮らして生きてる以上、
いくら個人が脳の中で否定したところで、
社会の影響を全く受けずに生きることはできない
世の中をゼロサムゲームと捉えると、経営を見誤るし(第8、9章)、
組織知(第14、16章)
いくら高度な技術を磨いて、作っても、ネットワーク外部性がなければヒットには繋がらない(第20、21章)などなど
👉色即是空=全ては繋がっていると述べてたはず
社会を見誤った企業や組織、経営者がどうなっていくか、
どういう末路を辿るかも。
社会学を果たして学び必要があるのか?
社会学=SNSやインターネットを活用した経営理論
みたいに、即断即決で曲解しそうな人も出てきそうなのであえて書くけども。例えば、
いくら個人の感情(第22章)や認知バイアス(第20章)で否定して、不要と意思決定(第21章)して、組織内でのリーダーシップ(第18章)を発揮して、組織内のモチベーション(第19章)を鼓舞して、社会学を抜きにした経営方針をセンスメイキング(第23章)したところで、
TCE(第7章)で述べた取引相手が存在する以上、資源依存関係(第30章 「資源依存論」)は避けて通れるものではないし、
普段からリアル・オプション(第10章)を組織として実施せず、業務課題の見える化(第16章)すら行わず、知の創造(第15章)や知の探索を怠り、コンピテンシートラップ(第13、14章)にハマった企業こそ、自分の組織を永続させる(第31章 「ゴーイングコンサーン理論」)ことだけに躍起になっても、そもそも、社会の大きな変動性(第17章 ダイナミックケイパビリティ)を意識していなれば、明日の経営すら覚束ない。
デカルトの方法序説やオッカムのカミソリではないが、組織も国も、ミクロ単位で細分化していけば、究極的には、所詮は、
(社会に何かしらの影響を受け、社会の中で何かしらの役割を演じている)
個人の群れ=集団に過ぎない
からね👀
まあ、だからこそ、ブローカーみたいに人と人との繋がりを自分に一番利益になるように悪用しようと暗躍する人間も出てくるし(第26章「ブローカレッジ」)、技術の進展によって、紙ベースの媒体企業が終焉を迎えつつ、生き残りをかけてデジタルシフトを模索する(第31章 VSRS)企業も出てくる。要は、
金儲け=利潤追求だけで目先の金や売り上げばかりを追ったところで、
エージェンシー問題(第6章)もあるし、情報の非対称性を悪用(第5章 アドバース・セレクション)して、一時的にこの世の春を極めたところで、不正請求や不祥事が発覚してしまえば、
社会的に淘汰される
👉驕れるものは久しからず
社会と経営は、仕事が誰かに必要とされるから存在してる以上、いくら否定しても切れるものではないってことがわかると思うし👀、
SNSは、ソーシャルネットワークって、別にはるか昔から社会には存在してる人間や組織のつながりを、より世界中の人とつながりやすくすることに特化したデジタル上でやっちゃってるだけの技術に過ぎない。だからこそ、
SNS = ソーシャルネットワークシステム😆
言葉にすれば当たり前なんだけどね。SNSをなんか最新でSNSができる前はソーシャルネットワークなんか存在しなかったと勘違いしてる人も多そうなので〜〜〜〜。
さてと、次回は、
では、その社会学ディシプリンの基本的な考え方:社会的な埋め込み理論
から書いてく〜〜〜🕺