日本野球の当たり前、本当に当たり前?
物を渡す時は物の名称を行って一礼してから渡す。例えばカップラーメンを渡す時はカップラーメンです!と言って、一礼をしてから渡さなければならない。その時声が小さくて聞こえない時は受け取って貰えずもう一度やり直しとなる。一体これはどこの世界のどんな類のお話か?と思う人が、、当たり前の感覚だと思います。
先輩にキャッチボールの相手を頼まれてボールを投げる時もこの規則の範疇に入る、らしい。だから下級生が先輩にボールを投げる時は「ボールです!一礼」
「ボールです!一礼」と言う風になる。優しい先輩はすぐに「言わなくていいよ」と言ってくれるが、意地悪い先輩はずっと言わせる。そうするとどうなるかと言うと、50mも離れて投げ合う時はこれ以上ない大声で、ボールで===す、ボールで===す!と言いながら投げなければならない。トスバッティングの相手をする時も、ティーバッティングの相手をする時も、バッティングピッチャーをする時も同じ。意味が解らない新入生は、一体何をしているのか?不思議に思うのだが、次第に野球部の伝統である事を知り、そのうち誰も何の疑問も持たなくなる。総勢1000人の高校で野球部の1年生20名だけが別世界の住人の様な悲惨な高校生活を送る事になる。グランドだろうが、教室だろうが、街中だろうがこの掟は有効となり、だから祭などで街で先輩にあって何かを渡す時も大きな声で「ジュースです!」と叫びながら一礼をしなければならなかった。流石に街の人は事の真相を知らないので、唖然とするが、やってるこちらは真剣なので、そんな目は気にしない。よほど、声が小さくて後で怒られる方が被害は大きくなるのだから。
その他にも伝統校と言われる高校野球チームの不思議な規則は沢山あった。1年生は3年生に直接話しかけてはならず、ではどうしたかと言うと、2年生を介して伝言の様に伝えて頂くのだ。何と効率の悪い事か、と思うかもしれないが、3ヶ月もその環境にいると、全く疑問に思わなくなるから不思議だ。野球部の1年生は勉強をしに高校に行くでも、高校生ライフを楽しみに行くでもない。修行僧の様にひたすら先輩達に尽くすために学校に行くのだ。いや、部室に行くのだ。だから自己紹介の時は〇〇高校の、ではなく、〇〇高校野球部の、と必ず”野球部”がつく。そう、野球部の1年生は高校にではなく、野球部に所属しているのだ。高野連が高体連に所属していないのとよく似ている。
言葉の最後を”せん”で終わらせてはいけない。これも掟の一つだ。何のこっちゃと思う人が殆どのだろう。詳述すると、ボールがありません、はいけない。知りません、もダメ。正解は、無いです、とか知らないです。ではすみません!は何と言うのか?
答えは次回のお楽しみ!!!