レゲエ発祥のDJバトル【サウンドクラッシュ】
DJバトルと言えば大半の人は、Creepy NutsのDJ松永が行うようなスクラッチや曲のつなぎの技術、DJパフォーマンスを競うバトルを思い浮かべると思う▼
DJバトルはこれだけではなく、レゲエ発祥のサウンドクラッシュと呼ばれるバトルがある。
これはサウンド(HIPHOPで言うDJとMCがいるチームで一人で兼用している場合もあり)同士が曲を掛けあい、オーディエンスの歓声で勝敗を決めるプロレス的な要素を秘めたショーケースのこと。
決められた時間内で、サウンドがこの日のために録音したダブプレート(市販されていない音源)を使い、MCとダブプレートで相手サウンドを攻撃し合う。
言葉だけで勝敗を決めるHIPHOPのMCバトルとは違い、プレイするriddim(ヒップホップで言うトラック)も自分たちで選ぶため、自分たちの色を出しやすい。
試合方式は、既存の音源(レゲエ用語で45)だけで戦ったり、自分たちのオリジナルダブプレートのみで戦うなど様々ある。
百聞は一見にしかず。まずは世界でも活躍する日本人ダンスホールレゲエサウンドのBarrier Free Soundのクラッシュ映像をどうぞ▼
冒頭からセレクター(HIPHOPでいうDJのこと)がダブプレートを流し、MCが相手をディスっている。
概要欄にはトラックリストが記載しているので初めてサウンドクラッシュを見る方にもわかり易い動画となっている。
Barrier Free Sound以外にも世界で活躍している日本人サウンドがたくさんいる。ここでは世界で有名な日本人ダンスホールレゲエサウンド2組をご紹介。
⑴ Mighty Crown
1991年横浜にて結成。当初メンバーが流動的だったがMASTA SIMONとSAMI-Tは現在もメンバーとして活動を続けている4人組。
1995年から横浜レゲエ祭をスタートさせ、1999年から本格的に海外での活動に力を入れ始め、幾つもの世界タイトルを獲得している。直近で言うと2018年ジャマイカ最大のレゲエフェス内のWorld Clash 20th Celebrationにて世界中のベテランサウンドが出場している中で見事優勝した(プレイは37:00〜)▼
⑵NOTORIOUS Int'l
ジャマイカ人男性と日本人女性のサウンドで、実はこの2人は夫婦。
Badgyal MARIEさんは世田谷育ちのお嬢様で、バラエティ番組『世界の日本人妻は見た!』にもとりあげられていた。Badgyal MARIEさんのnoteはこちらから
2019年にはジャマイカのサウンドクラッシュで優勝とMost Creative賞も入賞している。
こちらはセミファイナルの映像▼
もちろん世界中にも沢山のサウンドがいる。
本番ジャマイカで有名なサウンドは、
STONE LOVE SOUND SYSTEM。
ダンスホールレゲエに様々な影響を与えた約50年のキャリアを誇る老舗サウンドだ。
STONE LOVEは、ジャマイカで長年人気のダンス(クラブイベントのこと)Weddy Weddy Wednesdayを開催していて、先程おすすめしたBadgyal MARIEさんのバースデーバッシュ(誕生日パーティ)を開催している。
他にはニューヨークのKING ADDIES、イギリスのDAVID RODIGANなども有名だ。
さて、サウンドクラッシュで使うダブプレートはアーティストに依頼をして、希望の原曲をオリジナルリリックで歌ってもらう。
例えば、レッドブル主催サウンドクラッシュにてRehannaがドイツのRebel Soundのために『DIAMOND』のリリックを一部変えて歌っている▼
こんなの流された観客も盛り上がるし、対戦相手もヒヤヒヤしてしまう。
このようにサウンドは、どれだけ貴重なアーティストのダブプレートを沢山もっているか、リリックがヤバいかが重要になる。
しかし、沢山持っていても流す順番や、相手の攻撃を撃ち返すようなダブプレートを流さないと観客は盛り上がらないので、レゲエだけではなく他ジャンルの音楽知識・プレイ技術・マイクパフォーマンスが相当必要になる。
ちなみに、ダブプレートはツテがあれば一般人でも持つことが可能。ダンスホールレゲエ好きの友人は結婚式でダブプレートをプレゼントされていて相当盛り上がった。
ダンスホールレゲエに興味ある方は、サウンドクラッシュから入ると沢山の曲に出会うことができるのでオススメだ。
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