トークン・サイドレターについて(トークンによる資金調達①)
この記事の内容
この記事は、トークンによるスタートアップの新しい資金調達方法についてまとめていくnoteです。
私のつたない英語力で理解したところになりますので、ざっくり概要を把握するのにご利用ください。理解のしやすさを優先して、専門用語をできるだけ避け、平易な言葉を用いています。
今後も少しずつ得た情報をまとめていく予定です。
間違い等がありましたら是非ご指摘をお寄せください(ちょいちょい理解できていないところもあります)。
「トークン・サイドレター」って何?
「トークン・サイドレター」は、暗号企業 (crypto companies) が株式と一緒に発行するトークンの予約権について定めた書面です。
トークン・サイドレターは暗号企業による投資家からの資金調達に用いられます。
暗号企業とは、伝統的な企業と異なり、さまざまな機能を有する「トークン」を発行する企業をいいます。
「トークン・サイドレター付SAFE」
トークン・サイドレター付SAFEとは、新トークンの予約権について定めるものです。
新トークンはSAFEにより付与される株式数に比例して付与されます。
新トークンは株式にとって代わるものではありません。
付与される新トークン数の算出方法:主に3種類
・会社割当方式
投資家に対し会社または会社関係者(創業者、従業員、会社財産)が割り当てるトークンを比例分配する方法
例:投資家が10%の株式を取得し、会社が25%のトークンをgets (自己に割り当て)した場合、投資家は25%の10%である2.5%のトークンを取得する。
会社有利。
・完全希釈型供給方式
投資家に対し、投資家が取得する株式の支配比率と同比率となるトークンを比例分配する方法
例:投資家が5%の株式を取得すると、5%のトークンが付与される。
投資家有利。
・転換比率方式
投資家に対し、取得株式数に応じ一定の転換比率でトークンを付与する方法。
例:投資家が10%の株式を取得し、転換比率が50%なら、5%のトークンが付与される。
有利さは半々。
「SAFT」と「SAFTE」
・SAFT
新トークン予約権「だけ」を発行する。
とってもシンプル。
・SAFTE
転換型新トークン予約権付新株を発行する。
新トークンに転換できる新株を投資家に発行する。
法的リスクの高さ、証券取引法違反が繰り返されたことなどにより、もうアメリカでは使われていない。
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Security Token Offering について(トークンによる資金調達②)|五十嵐将志@弁護士|note
この記事を書いているのは誰?
この記事を書いているのは弁護士の五十嵐将志(いがらしまさし)です。弁護士法人アインザッツを立ち上げ、主にファンド法務、スタートアップ法務を専門にしています。
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