30代異業種転職から


しごと。

本業を頑張るために、まず経済基盤が大切だと考え今の会社に就職した。
完全にインスピレーションだった。沢山応募したなかで、ぱっと見の待遇はそこまでよくなかった。滑り止めのつもりで受けたが
面接で数回足を運び、採用条件の話を詰める中で
身内に不幸があった。
ドタバタの中で今の彼と交際することになった。
決して万全なスタートではなかったし
勤務地としては遠くなってしまったが
「通勤圏内のうちはここで勤め上げる」と私は決めたのだった。
理由はうまく言えない。
確固たる決心だった。
同僚も上司も、事務方の人もみんなあたたかく応援してくれたからかもしれない。
入職する前から、私はこのチームの一員だった。


入職と交際はほとんど同じ日だ。
そこに電撃同棲も加わる。
2024年下半期のこの寸劇を
何年経っても私は忘れないだろうと思う。


嫁になって数年後には彼の地元に帰る。
泣くほどつらいだろうと分かる。
条件だけ見れば、その年にはもっといい求人は見つかるだろう。でも、このチームではない。




「誰かプレゼンしたい人」
「ここ、買い出し着いてきてくれる人」
「残務処理手伝ってくれる人」
と、業務でいっぱいいっぱいの中希望者を募るとき
よほどしんどくなければ挙手する。
誰もやらないなら自分がやればいい。
それで誰かが楽になる。


損して得取る、とはよく言ったものだ。
一見すると損な役回りなのだが、
着いて行った先で上司がおごってくれたり
困った時に黙って業務を分担してくれたりと
自分がした以上のことが返ってくるのだ。
これは面白い発見だと思う。

秀でた能力はなんらないが、
その代わりに「とりあえずやる」気概だけはある。失敗はどんどんすればいい。


たぶん、この姿勢で勤め上げたら
次の土地でまたゼロスタートでも
うまくやっていけるのだろう。



いずれいなくなってしまうからこそ、
居られる間は沢山役に立ちたいと思う。
都合良くではなく、退職してからもたまに懐かしんでもらえるような
そんな仕事を積み上げたい。



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