自作PCのケースを輸入した話

フィンランドのメーカー、Cubeorの小型PCケース『Aski 2』です。

パネルの一部に木材を使ったPCケースはいくつかありますが(Fractal Designとか)、全面に木を使ったものはあまり見かけない気がしたのと、行灯のような外観がとても好みで、衝動買いしてしまいました。

大学以来ずっとMacをメイン機としていて、Windows機を組むつもりなんて欠片もなかったんですが、勢いって恐ろしい……。

と言うことで、初・自作PCの記録を簡単に残しておこうと思います。

フィンランドから輸入

Cubeorの製品は国内での取り扱いはないので、個人輸入することになります。とは言え通販ページは英語ですし、支払にはPayPalが使えるので、特に難しいことはないと思います。
ネックは送料も結構かかることと、関税も一緒に支払う必要があることでしょうか。自分が購入した2024年3月時点で、トータルでおおよそ25000円でした。
(PCケースのみと考えると高いですね……円安と物欲怖い)

Aski 2は購入時にパネルの木材、メッシュor一枚板、ゴム足を付けるか否かを選ぶことができます。自分はCognac+全面メッシュ+ゴム足ありを選択しました。

注文がすめばフィンランドからは(おそらく)航空便で、5日ほどで届きました。荷物の追跡もできます。

(開封したところを撮り忘れました……)

初・自作PC

衝動買いの自慢は終わったので(笑)以降は稼働させるまでの記録です。
Windows機を使うのは久々、自分でPCを組むのも初めてですが、いつか誰かのお役に立つことを祈りつつ。

Aski 2に組み込めるパーツ

Aski 2は容積10Lの小型PCケースなので、組み込めるパーツも当然ながら小型PC用のものです。細かい寸法は前掲の公式ページを参照いただければと思いますが、主立った物としては、

  • Mini-ITXのマザーボード

  • SFX規格の電源

  • 175mm以下のグラフィックボード(※これは後述します)

が対応します。

買い揃えたパーツ

と言うことで、今回、行灯PCを組むために揃えたパーツが以下。

  • CPU:Ryzen5 8500G

  • マザーボード:GIGABYTE A620I AX

  • メモリ:Micron DDR5-4800 32GB(16GBx2枚組)

  • 電源:Silver Stone SFX電源ユニット SST-ST45SF-V3 (450W) 

  • CPUクーラー:AINEX 92mmファン搭載 SE-914-XT-BASIC-V2

  • ケースファン:Thermalright ケースファン 80mm*2、120mm*2

  • ケースファン分岐ケーブル:AINEX ファンPWM信号4分岐ケーブル 10cm CA-864SAPSA

  • SSD:Samsung 980 PRO (1TB) 

  • SSD用ヒートシンク

グラフィックボードは購入せず、CPUに内蔵されたGPUのみで運用することにしました。ただ将来的にグラボを積むのを見越して、電源には少し余裕を持たせています。
いずれPCゲームをやりたくなった時、あるいはローカルでAIを触りたくなったタイミングで良さげな物を探そうかと。

ネジがない(ホームセンターに走る)

さて、フィンランドからはるばるやって来たAski 2を開封します。
ケースが組み上がった状態で届きますが、一通り分解するとこんな感じ。

PCパーツを組み付けるための鉄製フレーム、電源ボタン、木製パネルとそれを止めるネジ一式です。ゴム足は取り付けたまま進めて大丈夫でした。

お気づきの方もいるかもですが、マザーボードをケースに固定するためのネジが付いていません。(汗)おのれフィンランドおおおおお。
ググったところ、以下のページで「M3・12mmのネジが使えるよ」と親切に解説してくれていたので、ダッシュで買いに走りました……。(このページには以降の工程でも本当にお世話になりました)

いざ組み立て

上の記事で推奨されている順番でパーツを取り付けていきます。

なおAski 2には、特にマニュアルは付いていません。シンプルな構造なので、自分は「これどこに取り付けるんだ?」とは迷いませんでしたが、以下の動画が参考になります。

まずマザーボードのBIOSを更新。
(発売して間もないCPUを使ったので、マザーボードは購入直後のバージョンでは対応できないのです)

マザーボードにパーツを取り付け。
手前に見える赤いパーツはSSDとSSD用ヒートシンクです。

ケースにマザーボード一式を取り付け。
ありがとうネジ!(笑)

ケースとマザーボードを配線。(電源ボタンだけですが……)

背面の80mmケースファンを設置。

電源ユニットを設置。

前面の120mmケースファンを設置。

順調に進めているように見えますが、実際は戻ってやり直したりしてます。フレームのほぼ全面が空いているので、小型ケースとしては作業しやすい方だろうと思いますが、それでも工程が進むと奥に無理矢理手を突っ込むのが大変でした。(汗)

※PCケース付属のUSBコネクタ

こちらのAski 2には、ケース付属のUSBコネクタはありません。(電源ボタンのみ)背面にマザーボード付属のUSBコネクタがあるにせよ、USB機器を頻繁に抜き差しする場合はちょっと不便です。
自分はその不便さより行灯の見た目を取りましたが、手持ちの機器が多い方はご注意ください。
(逆に、USB規格がアップデートされた後もケースは引き続き使えると言うことでもありますが)

※Aski 2に搭載可能なグラフィックボードのサイズについて

公式サイトの記述では、Aski 2に搭載可能なグラフィックボードの長さは最大175mmとなっています。これはケースの内寸(鉄製フレームの内部)200mmから、ケースファンの標準的な厚み25mmを引いた値となります。
つまりケースファンを一個減らせば200mmに、あるいは25mmより薄いものにすればその分だけグラフィックボードを大きくできます。

厚さ15mmのケースファンを取り付けた場合、グラフィックボードの搭載可能なサイズは10mm増えてこのようになります。(あまり正確な採寸でないことはご了承ください)

だいたい184mmですね

ただ、200mmというのはあくまで設計上の寸法です。実際はブラケットの厚みがありますし、ケースとの隙間が0mmというのも現実的ではないので、195mm程度が最大値ではないでしょうか。

このサイズだと最新鋭のグラフィックボードは積めないと思いますが、まあ高性能ゲーミングPCを作りたい人はこんな趣味性しかないケースを買わないと思います。(笑)

※ダストフィルターについて

Aski 2の木製メッシュパネルは通気性が良い代わり、ホコリもよく通します。(笑)
同メーカーの上位機種にはダストフィルターも取り付けられているようですが、Aski 2にはありません。ただ前掲の記事によれば、ナイロンメッシュとマグネットシートで安価にフィルターを自作できるようです。

自分は今のところは問題ないですが(ファンをフル回転させるような重い処理をしませんし)、しばらく様子を見て内部にホコリが溜まっていたら、フィルターを作ろうと思います。

セットアップ

Aski 2には直接関係のない部分なので、さくさく行きたい……のですが、実のところ、これが本体を組み立てるよりよほど時間がかかりました。(汗)
が、特筆すべきものはないので、さくっとまとめます。

BIOS確認

組み立てたPCに電源を入れて、きちんと動作するか確認します。
最初は「boot failure detected」というエラーが出たのですが、これは最初にBIOSの更新をしたせいだったらしく、CMOSクリアを行ったところ、きちんとBIOSでハードウェア情報を確認できるようになりました。

Windows 11インストール

Windowsのインストールメディアを作成し、SSDにインストールします。
自分はこのタイミングで有線USBマウスが故障するというアレなトラブルに見舞われて死にかけました。キーボードだけで設定項目をぽちぽち選んでいくの大変だった……。
あとWindowsのライセンス認証がなかなか通らなくて半日潰しました。(汗)

ドライバインストール

マザーボードのメーカー公式ページから各種ドライバをDLしてきて、インストールします。ここらは有線LANでネットワークを確保できれば自動でやってくれるのですが、自分は無線しか使えない環境のため、先にwifiドライバを手動でインストールしました。

行灯完成!(光らない)

QuizKnockの自作PC回の動画で、「(自作PCは)どうやっても光ります」とパソコンショップのベテラン店員さんが仰っていました。なので自分は、自作PCを作れば勝手に光る行灯ができあがるものと思っていました。
しかし、いざパーツを集めて組み立ててみて悟りました。あれは予算を湯水のごとく使って高性能PCを組む場合の話であって、安いパーツをちまちま集めた時には当てはまらないと……。光るパーツはお値段高めで、世の自作PC好きの方々はそれを積極的に買い集めていらっしゃるのだと……。

と言うことで、行灯っぽいけど現状光らないPCが完成しました。
ぱっと見、パソコンっぽく見えないところがとても気に入っています。 光らないけど!(笑)

いかんせん静音性ゼロのケースなので、ファンがうるさくならないか心配していたのですが、幸いWordで書類を作ったりYoutubeで動画を観る程度であればほとんど音はしません。
(これはCPUやGPUに依存するので一概には言えませんが、高性能PCを組み上げたい方は他のケースを選ぶ気がします……)

見た目と性能にはとても満足しているので、そのうちLEDテープ(ただ光るだけのパーツ)でも買ってケースの中に仕込んでみようかと思います。マザーボードのLEDコネクタが暇そうにしているので。(笑)

初・自作PCの感想

始めてPCを自分で組み立ててみた感想としては、ネジ硬っ!! ケーブル多っ!!(笑)
機械工作自体は初めてではないのですが(キーボードも自作しました)、今回はひたすらネジを力いっぱい回していた気がします。そして噂には聞いていましたが、ケーブルを束ねて隅に押し込む作業はなかなかの難関でした。

とは言え全体的にはわかりづらいことは少なく、事前に調べたとおりの手順でやればきちんと動きました。特にAski 2はシンプルな構造なので(機能が少ないとも言う)、そこは初心者にはありがたかったです。
フィンランドから取り寄せた行灯を机に飾ったときは、なかなかの達成感でした。まだ開封して間もないので、PCからほんのり木の香りがするのが良いですね。

次に中身を弄るのはCPUをアップデートするときか、グラフィックボードを追加するときでしょうか。いきなり故障してパーツ交換などという羽目にはなりませんように……。



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