LA Scoring Stringsの話。
お疲れ様です。
寒くなりましたね、お体には気を付けてくださいね。
さて、今より約13年くらい前、世間を震撼させたストリングス音源が出たのを覚えていらっしゃいますか?値段は超お高い15万円。
生々しい音で一躍話題になりました。その名をLA Scoring Strings(LASS)。
Audiobro社の社長だったかが納得するストリングス音源を自分のために創ったのが最初だと言われています。
個人的に一番お気に入りのストリングス音源なので紹介します。
・生々しく、荒く、リアル。
ドライ環境で録音された本音源はとにかく欲しいものがつまっています。
・アタックが早い
・編成を自在に変えられる
・リアルなレガート
・弦特有のボウイングの音色、ざらつきがある
現代の音源ではウェット環境で録音された大容量のものが多く、LASSと対立する立場にあるのがSpitfireかと思います。どちらも良い音源なのですが、二択に迫られた場合は私の場合は迷わずLASSと答えます。
ポルタメントが強くかかる癖はあるのですが、それ以外はLAと言いながらもなんやかんや邦楽で使える音に仕上がっています。邦楽はいわゆる8型編成なのでそれを概ね再現できるというのもポイントが高いですね。
一方深くリバーヴをかけるとエピック系ストリングスの音にも化け、逆に1st Chairではソロ弦として鳴らせるので(音は他のソロ弦に譲りますが)、非常に汎用性が高い音源です。
・リバーヴでキャラクターが決まる
LASSはドライ音源なのでリバーヴは備え付けはアルゴリズムリバーヴのみで、軽量です。基本的に多くのストリングス音源は空間ごと収録しているので、数十GB~数百GBを食らう大容量音源が多いですよね。交響楽音源なんかは独特の空気感があるので必要ですがポップス弦ではドライやチェンバーサイズの音源が求められがちなうえ、奏者数が多いということはアタックが遅くなるのでテンポが速い曲についていけなかったりもします。その辺はLASSは得意分野とも言えましょう。ただ、ドライということは空気感が一切ないので、何もリバーヴをかけずに使うと信じられない位ちゃちな音がします。なので大きい編成ではCinematic RoomsやPro-Rを使うといいでしょう。
私はLASS3から備え付けになったアルゴリズムリバーヴを使っています。
空間をいかに演出するかも作り手にゆだねているのがLASSの特徴と言えましょう。
・実は単体では使いにくい。
短所らしい端緒といえばこれでしょう。エッジが立っていること、ポルタメントが派手にかかること、レガートは秀逸ですが独特なので単体で使うと、ああ、LASS使ってるなあと思われることかと思います。その位キャラクターの癖が強い事、同時に気にする人が多いのですがピッチが悪い(重要)という短所が顕著に出るので気を付けた方が良いかもです。
では何故LASSをおすすめするのか。
それは最高にレイヤー音源として活躍するからです。
あらゆるジャンルに対応できる特性柄、他の弦音源と併せるだけで臨機応変かつクオリティアップができる音の作り込みができるんですね。
シネマティック系からチェンバー迄、やれることが広い所を上手く利用して、ご自身の音源と併せるといいと思います。
なのでLASSの使い方としてお薦めしたいのはメインの弦音源に重ねて立体感と生らしさを出すというところでしょうか。どの音源にレイヤーするかはその曲想や目的によりけりです。
・LASS3になってから。
LASSは現在3になったのですが2.5までとは大幅にUIが変わり使いやすさが大幅に上昇しました。昔のLASSはパッチも分かれていてそれをARCというスクリプトで制御、自分でキースイッチを作るという方式だったのですが、これが結構面倒で、今は完全に統合されてスクリプトもいらずキースイッチで奏法も変えられるので楽になりました。上位グレードと銘打つモンスター音源、Modern Scoirng Stringsと同様のUIを使っています。MSSはあまり早い音には向きませんが綺麗にオートメーションとエクスプレッションの制御をしてやればいい音になります。ちなみにサンプル自体はLASS3は過去のものと同じようです。(VIControl参照)
・まとめ。癖の強い万能音源として。
思い付きで書いたので今日は短めですがLASSの魅力は少しは伝わったでしょうか。LASSは本当にいい音源で自分の場合立体感とアタック、スピード感が欲しい音源を探した末LASSに行きつきました。プロも使っていることがあるので、是非ともチェックしてみてください。
それでは、よいDTMライフを~