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DTMにおけるギターのお話。

お疲れ様です、先日のベース編に続いて今回はギター編です!
メインはギターなので無駄話が長い分、読み物くらいでよろしくお願いします!

※前回のベース記事同様ですが実機ギターの紹介話がほとんどになっちゃったのでお役立ち情報はそんなにないのであくまで読み物でお願いします・・!あとKornを参考にしているので基準がKornとレクチファイヤーに偏ってます、申し訳ない!

↑ベース編です。

さて、今こそ私は必要に追われキーボードとベースもやるようになりましたが元々はクラシックギター出身です。年数のわりに全然上手くならないのがいかにも私らしい。といってもクラシックもすぐ飽きて最初は親父の使っていたGrecoのストラトシェイプだったのですがシングルコイルの音が苦手だったらしく、また当時カバーしていたバンドがメタルに片脚突っ込んでたので、ダンカンのハムが乗っかったレスポールを手にしたのが事実上最初かなあと思います。16年位前の話です。
それから高級どころだとStrandbergや普通だとIbanezの廉価Vaiモデル(Universe)、ファンドフレット、8弦、この記事の見出しになっているKornのHeadモデル7弦を使うに至ります。ミドルグレードですがいい音出ます。
さて、今回はDTMにおけるギターの立ち位置としまして、いろいろお役立ち情報など描けたら、あるいは個人的私見をつらつら描けたらいいなと思います。

そもそもギターRecなのかVSTiなのか

まずはここですね。VST打ち込みじゃないやい!って人は飛ばしていただければと思います。打ち込みギターを使うのか、録るのかではすべてが違うので、とりあえずVSTiからいきましょうか。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
VSTギターのメリットは何と言っても全くピッチやテンポがずれないこと。
これは同時にデメリットでもあるのは後で書きますが、お陰でかなりの難易度のフレージングや自分で弾けないが弾かせたいフレーズなんかを自由にひかせることができるようになってます。変拍子多すぎたりで撮り直しが面倒な曲とか。いや弾けよ!という話ですがまあギターがない人の場合そうもいかないものですよね。高いですし。実機に対して費用がわずかで、なおかつきっちり弾いてくれるならその選択肢もありです。

これだけ弾けられれば満足だろうといったところもありますが、ギタリスト的にはそうもいかない。ただかっちり機械的に弾かせる引き換えはなんといってもその人間味のなさ、無機質さです。また、ダブリング機能がついているもの(Heavier 7 Stringsなど)は疑似ダブリングなので2回弾くのとは意味が違います。やはり2回弾いてダブリングする人間的誤差こそがおいしさだったりしますよね。この辺りはVSTiの弱さだったりします。
とはいえ色々出ているので簡単に紹介。

・Ample Guitarシリーズ

上の動画でも鳴っていますがAmple soundの製品は基本的にクオリティが高いです。ストラトキャスター系のSC、テレキャスター系のTC、上の動画のようにシェクターのヘルレイザー8弦をモデリングしたHellrazer、ESPのEclipseをモデリングしたAmple metal Eclipse、またアコギもMartinやTaylorなど品ぞろえ豊富です。

・Shraddagge シリーズ

ISWから出ている一連のシリーズ、Ampleには及ばないにせよ優れた使いまわしと音質を誇るシリーズで、8弦のHYDRAや7弦Jupitar、6弦ベースモデルABYSSなんかも出ています。

・Heavier 7 Strings

最近の7弦VSTiの中でも使いやすいなあと感じるのがこの製品です。
豊富なプリセットをローディングするだけで様々なサウンドを変容できる、
コーラスクリーン+ディレイのプリセットが好きで自分も入れたりします。

実機ギターのお話をしましょう。

打ち込みや録音をしなかった当時はどうでもよかったのですが、この世界に足を踏み入れてなんてめんどくさい世界なんだと実感したのが似たようなPU一つでもサウンドがまるで変容したときでしょうか。あとは死ぬほど録りなおす時も。通すオーディオI/Oにも依存する部分はありますが、やっぱりPU差は大きいなと思います。さて、今回はDTMにおけるギターの立ち位置ですので、やはり大事になってくるのがローエンド帯とのかぶりの除去やベースとのユニゾンにあるとみられます。
例示として趣味全開ですがこれはいいなと思ったものを貼っておきます。

趣味全開で例によってKornなのですが2016年のThe Serenity of Sufferingより『Rotting In Vain』です。イントロの派手なギターは7弦ホールダウン+オクターバーのサウンドをベースをドラムとはダッキングしつつ、ギターとはユニゾンさせてへヴィながら繊細なコード感を出しています。約7年間再現しようと努めたのですが音作りからして難しく、特にKornはバスとベースのスラップが交差することもあるので、ローエンドがとにかくごちゃつきやすいです。ただ逆を返せばその分ミックスの練習にはなります。(エンジニアのジョシュウィルバーは凄い)DTMなので実機のアンプは使わないとしてさあどう対処しよう、と悩むときまずギターは本家にならいRectifierを、次にSuperior Drummerでドラムを処理、次にベースとギター+オクターバーのサウンドの兼ね合いを気にすることとなります。ここで輪郭をはっきりコード感を出すには意外に必要なのが『あんまりドライブしない、歪ませない』ことです。Kornっていったらメタルでしょ?という向きの方からしても意外かもしれませんが、メタルであるほど歪んでなかったりします。かき鳴らすパンクとか難しい奏法のないタイプのラウドなどは激しいかもですが、実際Kornはライブでもブースターを使わない限りもはやクランチなのではという音の時もあります。Djentなんかもファジーなときもありますがそこまで派手には歪んでいません。むしろルーズな音になればなるほど、つぶし過ぎるほど線が分かりにくくなる傾向もあったりしますからね。
なのでRotting In Vainも音圧が凄まじい割にギター単体はメタルバンドとは思えないくらい軽かったりします。(抽出してみるとわかりやすいかもです)
実質はほとんどベースとドラムにローエンドを譲った結果ですが、実はこれが大事だったりします。とにかくローはギターであんまりいらないということ。なので結構バッサリカットしちゃって大丈夫です。一回切ってから欲しいぶんだけ調整したり足したりしたらいいだけなので・・。Djentとかだと150hzくらいまで、普通でもローはいらないので110とかでもいいかもしれませんね。ただ、何事にも塩梅というのがあるのと、ローカットすればいいというものでもないこと、人によって200-400が美味しいという人もいるので試行錯誤してみてください。ただ、安定させたい場合Andy C4セッティングはしておきましょう。200周辺は芯もありますがとにかく干渉が多すぎるのと曇る原因でしかないので適宜対応できるように、静的なEQではなくダイナミックEQがやっぱり必須です。Fab-filterのPro-Qなんかもいいですね。私の場合はこの後マスタートラックでGullfossも挿したりしてなるべくカットの方向で考えています。

・倍音楽器の宿命として。

ベースもギターも倍音を多分に含んでいる楽器でそれが重なり合う場所が何か所もあってマスキングしちゃうのでそれ全部を切り取るのは不可能なので可能な限り譲り合うという感じなのですが、倍音を切ってしまうというのは同時にその楽器のうまみを一つそぎ落とすことにもなるので、鬱陶しい帯域以外はそんなにいじらない方がかえってよかったりします。そもそもそういう楽器の宿命として共振して発出される音をいかにうまくブレンドするかを考えるほうがよいでしょう。近頃はNeutronとか色々あるのでそういうサイドチェーンをかけてUnmask機能を使うのもいいでしょうね。

・今までのギター遍歴

最初に手にしたのは父から譲り受けたGrecoのストラトで型番は覚えてないですがその後Edwardsのダンカンが積まれた黒いレスポールだった覚えがあります。個人的にESP系列に信頼を主においていた関係もあってしばらく続きます。ここまではぼんやりです。これから結構いろんなギターの旅をすることとなりました。主にミドルグレードを行き来しています。一度エントリーモデルを買ったら録音で使える音ではなかった教訓でもあります。

KH-602/LTD


LTDのKH-602(メタリカのカーク・ハメットモデル)でEMG81/85の初めてのアクティブPUデビューでした。当時何も考えずにお小遣いやバイト代をためて買ったもので、その分壊れるまで使い切った一本でもあります。今思うとHorizonとかのシェイプが個人的に好きなんですね。特にリバースヘッドも当時は良くわかっていなかったですが、今思うと理にかなっています。
しかしフロイドローズは個人的には弦交換が面倒過ぎて嫌でした。アームは楽しいんですけどね。ちょうどDream TheaterやAngraにハマっていて、速弾き、VaiやPetrucciの競い合いを友人としていた頃です、懐かしいですね。
まだ6弦で沼には入ってなかったですが・・
当時覚えているのはバンドとかでチューニング変えるのがめんどくて、デフォルトで1音下げて、カポ2でレギュラーで弾いてたのでアナログというか、妙なことはやってました。さて、ここで6弦人生は終わりを告げました。

E-HR-135Ⅲ/Edwards


一番付き合いが長かったギターです。高校卒業後、Horizonモデルのこの7弦を手にしてついにLow-Bの世界に行くと次元が変わった印象で、搭載されてたのはダンカンのSHとかでスタンダードな7弦サウンドだったので特別へヴィってことはないんですが、とにかくスパーゼルの弦交換のしやすさとか、DTMで本格的に使っていた一本だったのでかなり重宝しました。愛すべき一本です。

Ibanez/K7

Kornにハマって中古で買ってすぐ手放したIbanezのMunky/Headモデルの7弦。人生初Ibanezでとにかく握りにくさと搭載されているPAF7の低出力が当時は理解できなくて(DTMだとまた音が作りにくい)結果手放しちゃったんですよね。ちょっと惜しいことをしたなと思ったりもIbanez慣れした今ならするのですが、まあよしとしましょう。

LTD/M-1007

今思うと手放すべきでなかった一本。初ファンドフレット、そしてNazgulとSentient搭載というもろDjent向きな一本で今はディスコンになっているだけになんであっさり手放したのかこれも謎です。超良いギターですよね。こんな感じでギターショッピングとマッチングと手放しというドクターショッピングみたいな状態が続きます。

SC-338/LTD

Deftones全く聞いてなかったんですけどなんとなく手にした初8弦はLTDのステファンカーペンターモデルでした。このころになるとスペックでギターを見る癖がついていて多分値段とスペックから手ごろな8弦として選んだんだと思います。しかし、Low-F#を使う機会もこの時はまだなかったのであえなく手放し、また別のギター代に充当、という感じでした。何をしていたのか・・。

Strandberg/Boden OS7

今思うとここでBoden OSより頑張ってBoden Metalを買っておけばそこでギター回遊も終わりだった気がするのですが、Strandbergも一時期使っていました。主に韓国製がBoden OSなのですが、Lace Alumitoneという独特のPUの音がどうも受け付けず、軽量だし人体工学に適しているというだけにひきやすかったのですがあえなく、という感じでした。Boden MetalがFishman Fluenceだったので今思えばそれが一番よかったかも。

Ibanez/UV70P

廉価版Steve Vaiモデルですね。
Vaiが特別好きだったというかG3(Vai、Petrucci、サト兄)が好きだった名残ですね。あとはVaiの熱狂的な信者だったKornのMunkyが同じディマジオのBlazeというPUを使っていたのでどんな音がするのやらと使ってみると確かにミッドをかなりスクープした音でした。なるほどMunkyが好きそうだなあと。ただこれも宅録で好きな音ではなかったのでまた次へ・・


Ibanez/RGIXL7

これは今も使っています。超便利。IbanezのIron Labelです。IbanezはさっきK7の時書いた通り特許取得してあるWizardネックが独特の薄い扁平みたいな形をしていてちょっと苦手なのですが、他の利点が多かったですね。たとえばリバースヘッド、27インチのバリトンスケールと張力に徹底的にダウンチューニングに適していることですね。ホールダウンなので、10-59が標準の7弦としてはありがたかったです。あとはトーンコントロールがない代わりに、コイルタップでシングルコイルと入れ替わることは大きいです。
PUのFusion Edge7はまあまあです。ニューメタル向きではないかなという感じですが、プロぐれメタルには確かに向いてます。Neural DSPのGojiraとかNollyと相性いいかなと。

SH-7ET/LTD


個人的に究極の一本となったギターです。KornのHeadの2017以降のシグネイチャーです。個人的に外せないのがリバースヘッドなのですが、それ以外にも、Fishman Fluenceのアルニコとセラミック、そして人生初のEVERTUNEも触ることとなりました。EVERTUNE、かなりいいです。日本の現場に比べて海外のスタジオはちょっとチューニングがずれると撮り直しになるらしく、そういう状態に対応したものなのでしょうね、まるでピッチが狂いません。一応通常時はピッチベンドができないのですがスポット調整すればチョーキング等可能です。


・色々なアンシミュをレビュー(簡単に)

長くなってきたので巻きでやりますね!
Neural DSP
Archtype Nolly/Gojira/Tim Henson/Petrucci

高品質なアンシミュといえばNeural DSP。
Nollyは改造型Nollyアンプのモデリングです。Peripheryをやるにはうってつけ。というかモダンメタルをやるにはうってつけですね。Gojiraは5150モデルかなと思います。もう少しパワー感のあるサウンドが特徴ですが、Nollyリフなら中音の豊富なGojiraは中音を駆使したリズムやリード向きかもしれません。Tim Hensonのはどこのかはわかりませんが、とにかくあのコーラス・ヴォコーダーサウンドが欲しければ一択です。ここからMESAのRectifier系が出てくれないかなと思っていますが中々。ペトルーシモデルはMark Ⅳなのでちょっと使途がずれているのと後述ML Sound Labが中々いい音だすのもあったりして。

TONEX

Kemperなどプロファイル文化が進化してついにプラグインでも、というのがTONEXです。TONEXをはじめ、アンプの実機名を使えるのはIKだけですね。
色んな人のプロファイルや公式などピンキリですがいろんな音が触れるので飽きることはないです。最近MESA公式からもプロファイルが出ました。

BIAS FX

珍しくTriple RectifierのモデルがあるのはBIASとAmplitube、TONEXくらいですが、どれも満足とはなかなか言えない感じ。BIASもいいシミュレーターですが全体的に音が曇って(いわゆるmuddy)な感じといいますか。ただ真空管までいじれるのは強いですね。パワー感はかなりあるので力強さで考えれば結構使い道は広いですが、ミッドがやや弱いかなとも、ザバザバした音になりがちというか。これは環境に依存すると思います。

・brainworx,Nemblini,Kuassa

デュアルレクチを使った感想としては惜しい感じ、Nembliniとかと同じで、あと一歩欲しい感じですね。KUASSAとかもそうです。
とてもレクチっぽい音が出るんですがUIや使い勝手が少し旧式なのがちょっとなという感じでした。

・Amplitube 5

どちらかというとベースでSVTモデル使うときで重宝するのと、Kornサウンドを出したいときあの気味の悪いぐにゃぐにゃしたモジュレーションサウンドを出すにあたって直観的なUIが役に立って使っている感じです。

・TH-U

一応メインは実はこいつだったりします。今の時代にTH-Uかあ、っていう感じかもでしょうが何が違うってこいつだけギターキャビのマイクシミュにBeta52Aを使える、つまり、Kornごっこができるわけですね。Beta52Aは本来バスとかベースに使うものなのでギター用IRも出てないんですよね。当然音が曇るのですがBIASとは違う明瞭さも残しつつの曇りなのとKorn自体よく考えるとローファイな音なのでありなのかもしれない・・。普通はSM57/R121がド定番なのですが、どうしてもKornサウンドを狙うには必要でした。また、これでオクターバーとかグライコとか全部完結するのでCPU負荷が少ないのもいいですね。ちなみにRig Playerというプロファイル機能もついていて、まあまあいい音でますし、Kemper向けに作ってる人(ChoptonesとかLRSとか)がこっちでも出してくれてるので実質同じような音が出てる感じです。流石にプロファイルの方が一枚上手な音が出ます。

Ampedシリーズ(ML Sound Lab)

ML Sound Labは全体的にパワー感の強いラウドなものが多い印象です。
Triple RectiモデルのAmped Triple Rev G、5150モデルなどの入ったフリーVST、Rootsなどでも言えますが音ががつっときてじゅわっと中音などのジューシーな音がでてくるから揚げみたいなサウンドです。おいしい。
ので結構気に入っているのでNeural DSP同様に二番手として使っています。
ここにGGDのMesaキャビシミュレーターで自由にキャビIRを作るのが大体のルーティンです。

キャビIRは色々あるけれど。

ML Sound LabやOwn Hammmerなどをはじめ、Bogren Digitalみたいに最初からEQ加工までされたキャビIRもあるのですが、その辺はレビューをされている方が多いので割愛。個人的にはGGDのStudio Cab(Mesa/ZIlla)を一押ししておきます。今のところMesaとZillaの二択となっていますが何ができるかというとFractalのCab-Labのミックス版みたいなもので、8種類くらいのキャビと7つくらいのマイクを自由に組み合わせたり音量を調整して理想の音を作るというものです。これがキメラみたいなキャビになったり普通だったりいろいろ遊べるので楽しいですし実戦向きです。プリセットにはNollyとMishaが作ったプリセットも10種類ずつくらいあるのでそれをもとにいじってもよいでしょうし、作ったシミュはIRデータとしてエクスポートできるのでこの辺も便利ですね。ML Sound LabのMIKKO2も3本マイク建てたりできるのですが、少しお高いのと楽しさではGGDかなといった感じです。

・そんなこんなで

駆け足でやっていきましたがDTMにおける、というよりギター自体の話が大半でしたね。前回のベース同様です。またいろいろ書いていきたいので応援していただけたら嬉しいですし、何か情報がお役にたてばいいなと思います!
それでは!






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