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自分のギターの話(SH-7ET編)

お疲れ様です。涼しくなりましたが日々いかがお過ごしでしょうか。

前回はメイン機の1つとして使っているStrandbergの話をしたりしたのですが、今回は所謂本チャン用・Rec特化用のメイン機、LTD/ESPのSH-7ETをご紹介。

基本ルックス。

基本スペック
●ボディ:フレイム・メイプル・オン・ハード・メイプル(トップ)、バスウッド(バック)
●ネック:ハード・メイプル
●指板:エボニー
●フレット:24
●スケール:648mm
●ピックアップ:フィッシュマン・フルエンス・モダン・ハムバッカー・アルニコ(フロント)、フィッシュマン・フルエンス・モダン・ハムバッカー・セラミック(リア)
●コントロール:マスター・ボリューム、
マスター・トーン(ボイシング・セレクト)ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:エバーチューン(Fモデル)
●ペグ:LTDロッキング ●カラー:シー・スルー・パープル

・全体的な所感
敬愛するKornのギタリスト、MunkyとHeadのうちHeadのモデルです。
日本では流通数が少なく、国内ディスコンになってから10万円も値上がりしたモデルで、LTDの中ではかなり高いものとなります。ただ、スペックで言えばLTDはミドルグレードのESP系列の海外ブランドですが本家ESP顔負けのものとなります。そして個人的にはこれが今まで流浪してきたギター遍歴の中で最高の愛機となりました。
KornといえばIbanezのPAF7搭載(K7)かBlaze搭載型7弦(APEXシリーズ)が主流でしたがHeadがここでESPと契約したことで作成されたギターです。
2016年のアルバム『The Serenity of Suffering』直後のライブで初めてお披露目されました。以後ライブパフォーマンスでは常用されています。
ちなみに相方Munkyもこの時モデルを変えていて、IbanezのApex30MGMというモデルになります。実はSH-7ETと共通する特徴がありますので後で解説。紫のボディが美しいモデルです。実際目にするともう少しダークなパープルで、高級感が結構あります。なんだろう、高級外車みたいな感じでしょうか。Head曰くジョナサンの提案で『Sir Headly(Head卿の意)』なのですが、個人的にはパープル・ランボルギーニ(Skrillexの曲)を思いました。
車で言えばマクラーレンとかのパープル感ともとれるのですが、そういうちょっと光物の高級感ですが、違うのはあの手の高級感ならではのやらしさや嫌味がないことです。仕上がりがシックというか。
原型はESPの主力モデルであるHORIZONで、それのホーン部分をもう少しとがらせている感じです。648mmのレギュラースケールなので説明は特にはいりませんが、元々686mmのバリトンスケールを使っていた身とすると幾分も弾きやすい辺り、なんやかんや張力とそこからもたらされる低音の重さが一番だろうといっても手の小ささとか色々考えなきゃなと思いました。

EVERTUNEブリッジ
本機最大の特徴ともいえるエバーチューン機構です。PeripheryのMishaなんかも導入していますよね。これがとんでもなく素晴らしい。先ほど言ったMunkyのApex30もHeadのギター新調と同時にEvertuneを搭載するという共通点ができました。

Munkyモデル/Apex30MGM Evertune搭載。



ブリッジ部分には特徴的なロゴも入っています。

ごく簡単に言うと、一度専用キーでチューニングしてしまうと、全くチューニングが崩れません。ホントに全く。チョーキングやベンド系の動きをしても音程が変わらないです。これ、ギターソロとかでチョーキングキュインキュイン言わせたりしたいとかヴィブラートかからないじゃないかっていう意見も出そうですが、まああんまりその用途ではないのと、それぞれの弦にスプリングが入っている仕組みで各弦別離しているのでほしい弦だけゾーン調整してやればその弦だけチョーキングとかも可能です。ただ基本は低音弦のフレージングやリフ・コードメインの曲に合います。Head本人も言っていましたが7弦を使ったフレージングやボディを打ち付けるような激しいピッキングやプレイでサウンドがシャープしたり多弦ならではの低音が濁ったりしない、全体的なイントネーションの向上などが図れます。構造的に詳しい部分はテックの方のレビューなどに任せるとしてプレイヤーとして思うことは、とかく録音の基本のきはチューニングの正確性にありき、という位、チューニングの世界はシビアらしいので(海外は特に)、この機構があるだけで長時間も安心してプレイに専念できる、という点につきます。

Fishman Fluence Modern PU

もう一つの特徴が発売当時はまだそこまで知名度はなかったものの、今のアクティブPU界ではEMGと並び立つほどにモダンサウンドを定義づけたFishman FluenceのPUです。フロントがアルニコ、リアがセラミック、ボイシングがコイルタップで2つに分かれ通常がアクティブトーン、タップでパッシヴトーンを再現できるようになっている優れものです。

具体的には上の動画でBlindのイントロの各組合せでのテストがあるので差が分かりやすいと思います。実際弾くと全帯域がバランスよく出力されていて、想像以上に広い用途に対応します。パッシヴのボイシングは割とゴリゴリしたアグレッシヴなサウンドが特徴で、主張させたいフレーズでタップ、コードを聞かせたいところはアクティブの粒立ちの良い音で使い分けるといい感じです。よくPUレビューなどでも見るのですが、Djent系パッシヴの定番になっているダンカンのNazgul/Sentientのようなモダンメタルコアのトーンではないです。あちらのパターンも昔持っていたLTDのM-1007で試したことがありますが、The DjentといえるくらいDjentで聞こえるギターサウンドがするので驚いた覚えがあると同時に、ニューメタル世代の自分としてはちょっと違うかなと思い、あちらは長く使ってはいませんでしたが、最近はメタルコアのようなものもやる機会があるので、今となっては使い分けだと思いますがFishmanのこのPUについてはその方向性で攻めるものではなさそうですね。良くも悪くもザクザク系なんですよね。LAメタル、スラッシュメタルとかアクティブが流行る理由になった潮流に原点がある気がします。そういう意味では少し今となっては古めの90‐00'sメタルをモダンにしたものと考えるといいかもです。モダンめのFishmanが良かったらAnimals as LeadersのAbasiモデルとかいいかもしれません。一回だけ弾いたことがありますがプログレっぽい音が出ます(ただPUのお値段が高い)。他のシグネイチャーだとDeftonesのステファンカーペンターモデルもありますがあちらはこのModernと似た方向性です。超高出力なので弾いていて気持ちいいですがはちきれんばかりの(潰れはしない)パワー感は中々じゃじゃ馬なところもありますがそこはアクティブ。ローノイズかつ最後はうまくミックス等まとまるように仕上がっています。

総合的に

Kornの音楽はその都度ジャンルごと変わることもあるのですがニューメタルなりのモダンサウンドを要求されたときに応えられるような現代的な構造がなされている、至って合理的で、上品なギターです。KornやLimp、Linkinなどニューメタル・ラウドサウンドが好きな私も含め、その辺りが刺さる人には絶対的な価値を見出せると思います。一方でPUの性質上、前述した通りDjent系のサウンドではないのでその場合は、NazgulとかTitanなど載せた上でEVERTUNEを乗せてやるといいかもしれませんね。EVERTUNEで1つ思ったのは、昔マスタリングソフトでOzoneが出た時Izotope社が言っていたのですが『エンジニアリング的な部分より作曲など創作面に集中できるように』みたいなこと言ってたんですよね。EVERTUNEもそうで、その都度チューニングする、神経質になるがゆえにプレイやフレージングの独創性を割いてしまうことから解放される部分があります。要は作曲・演奏で快適なんです。これはSH-7に『ET』とつけるだけあるなあと思いました。

個人的に手持ちのギターの中で一番好きな相棒なので、ご紹介させて頂きました。

皆さまの相棒はどんなギター/ベースでしょうか?

Sir Headly

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