Tokyo Scoring Strings2.0とTokyo Scoring Drum Kits。

新年おめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

さて、早速ですがTSSの記事は色々書いてきたのですが、合間に2.0という超大型アプデがあったので書きますね。

・そもそもTSS(Tokyo Scoring Strings)とは?

室屋ストリングスをサンプリングした8型編成のチェンバーストリングス音源。ISW社から発売され、『ジャパニーズサウンド』と銘打たれた非常に個性の強い音源です。アタックの速さや音の生々しさで話題になりましたが、賛否両論ともなった音源です。さて、数か月前にこのTSS、大規模アップデートに伴い、Verが2になりまして色々と変化と改良が加わりました。その所感を書いてみようと思います。また、同社系列品であるTokyo Scoring Drum Kitsについても書いてみようと思います。

・2.0で変わったことは?
主にレガートの再構築とLookaheadの向上、そして膨大なデータ量に及ぶ空間データです。元々ホール音響ではほとんどないドライ音源ですが、よりリアリティを足すためにリバーヴ成分が足されました。(なんと200GB)、ISWのMancuso氏がミックスしなおしたAnima Mixというのがメインのパッチなのですが、前のバージョン(Legacy/Aizawa Mix)と比較すると結構違います。

・使ってみて。

単純に音質上がりましたね、体感ですが。サンプルの再構成とも聞いていたので、エンジン的にも動作性と柔軟性が上がったように思います。ただ、レイテンシ問題が、Delay補正プラグインを入れたり色々手間だったりグリッド通りにいかないあたり、少し面倒に感じる場面もあります。
そのあたり、現行で自分も愛用しているCSSよりは少し劣るイメージ。
ただ、ドライサウンド自体が珍しいのでTSSを持っておいて損という事はまずないし、音質を確認したかったらEssentialsやFreeみたいな廉価版などを試してみてもいいかもしれません。(Freeは少し音質が悪かったりレスポンスが悪いようなのでお勧めはしません)。

・Cinematic Studio Stringsとはどうでしょう。

CSSと比較するとリアリティは劣るイメージです。価格帯が今は近いのでどちらを買おうかという硬には正直どちらも違うタイプなので自分の判断で買ってくださいとしか言えないのですが、一部一部は近似しています。
若干CSSの方が音が薄いですが、これもドライステージサウンドなので、
薄いほうがポップスなどには合うわけですね。
レガートは遅延があるのですが、V1.7で少し早くなったのでグリッドを前倒し(32分などで)してやると、ちょうどいいレガートが再現できますよ。
CSSS(Cinematic Studio Solo Strings)と重ねてレイヤーするとよりよいです。
LASSなどもいいのですが、そこは個人の好みかなあとも思います。

・Tokyo Scoring Drum Kit

前もTokyo系の話は書いたことがあるのですがしばらく使ってみて。
SD3とは正反対のサウンドが出る、これも海外の派手な音というよりまとまりのいいスタジオサウンドといった感じで、わかりやすく言うと澤野サウンドにしやすい音源でもあります。マイクの調整次第にもよりますが、割とドライにするともろにキックや金物類がaLIEzやらLight Your Heart Upなどの頃の澤野サウンドという感じで好みでしたが、スネアはそこまで似ていないかなあとも。(Transient Shaperなどでサステインは伸ばせますが)、Tokyo系のいいところはとにかく日本のドライステージで収録したという事実と相澤氏のボードでミックスしたというところにあるのでAizawa Mixを使うのがいいでしょう。それをうまくパラだしもしくは内部エンジンでエフェクト加工してやると、まああんな感じの音になるという事ですね。
特にキックとタムは生々しくていいですね。
当時BFDなどもリアリティで話題になりましたがあれよりも使いやすいですし、Kontaktエンジンでの操作なら慣れている人が多いのよく、TSSとも連携させて、いわゆる劇伴的サウンドを奏でるもよしだと思います。

・まとめ。

今回は短めです。次回は8弦ギターを買ったのでその話でもしようかなあと思いますが、Tokyo Scoring stringsやDrum Kitは実用性が非常に高い音源であるのは確かで、これで満足する層は一定数いるなという印象。
V1の時は微妙だなあというのが正直な感想だったのですが、V2になってからかなり使いやすいなというイメージです。
似た価格や路線はCSSがありますが、これとお悩みの際はいわゆる日本のスタジオサウンドを想定するならTSS、TSDK、シネマティックにも使いたい場合にはCSS、CSSSなど使うとよいでしょう。

それでは、本年もよろしくお願いいたします。






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