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DTMでBring Me The Horizonライクな曲を作りたい。『Post Human: Survival Horror』系の。

暑中お見舞い申し上げます。
暑いわ地震は来るわ台風は来るわでろくでもない日々ですが如何お過ごしでしょうか。

さて、先日新アルバムを引っ提げて再来日したBMTHことBring Me The Horizon。大盛況だったみたいで、かなり羨ましかった!ジョーダンが抜けたことは大きなショックでしたが次の一歩として『Nex Gen』もリリースされた事ですし、また新しい世界を見せてくれている彼らの音を作りたいと思い立ったのが今回です。

とりあえず創ってみた。

『POST HUMAN:Survival Horror』からリード曲、『Teardrops』です。
下手なのはご容赦ください。大体こんなものというモックアップ程度に。
そもそもPost Humanシリーズがあらゆるジャンルのリブートということがあり、本EPはその中では今や死滅したともいわれる、そして私の大好きなジャンルであるラウド・ニューメタルのエッセンスが豊富に盛り込まれています。海外ではLinkin Parkっぽいと言われていたり。KornやLimpなど含めリズムメタルなんて言われた時期もありましたがメタルコアやポップスなど幅広く音を動かせる彼ららしい見事なリブートですぐさまこのEPの虜になりました。音作りも特に素晴らしくその世代にはきっちり刺さる音色やブレイクダウンなど盛りだくさんです。YUNGBLUDとのフィーチャリング『Obey』や話題をかっさらったBABYMETALとの『KINGSLAYER』などもこちらに収録されています。

何を使ったか。ギア一覧。

・VPS Metrum(イントロキック部分)
・VPS Avenger(パッド、リードシンセ全般)
・Superior Drummer 3(2つ立ち上げて別々のプリセットを使っています)
・uJAM Beatmaker VOID(Cメロ一部で使っています)
・Ample Metal Eclipse(中盤ギターリフのブレイクダウンまで/えぐみのあるリードサウンドなど4台立ち上げてます)
・Ample Bass TR6(歪み用途ではない音源ですが低音域が太いため)
・DjinBass2(ハイパスをかけてローを徹底的に削ってTR6を補完)
・7弦ギター(Ibanez/Iron Label RGIXL7)
・Keyscape

まあ正直ハーモニクスやFX系で脚色しているところもあるのですが基本的にはこんな感じです。元々Kornのプリセットを作るために用意していたプリセットから魔改造してこんな感じになりました。元々Kornも最近はシンセサウンドが多いのとBMTH的なアプローチもしたかったので今の編成は悪くはないかなと思います。

さて、何が大事といえば今あげた全部が大事だったりするのですが、
取っ掛かりのMetrum、これはキックを位相のめんどくさいあれこれ考えずにレイヤーできる優れものです。今回の場合3つのキックをレイヤーしていて、低音がかなりファットなので60hz以下を切るという形でオチとしました。

次にAvenger、かなり大事です。これはHardstyleエクスパンションに入っているリードシンセを使っています。本家のシンセというかはクワイアシンセっぽいのですがこれに合うクワイア音源を手持ちでは持っていないので完全にシンセリードで振り切りました。またパッド類が2種類重なっているのとベーストラックにもレイヤーしています。

Ample Metal Eclipseについてはギターが上手い人とドロップC対応の6弦をお持ちの場合は必要ないです。私は6弦を持ってないのとド下手なのでリズムキープ等、2番直後からブレイクダウンまでタイトにやらなければならないところは完全に任せています。またリードギターの一部で本来はコーラストーンでかかっているトラックがあるのですがこれはKornっぽくえぐいコーラスとフェイザーをかけてぐにゃぐにゃさせています。

ベース

ベースは常套手段とも、サンプルにおいては少し特殊なやり方をしています。というのが今回使っているAmple Bass TR6はジョン・パティトゥッチのモデルというだけあり、ジャズやフュージョン向けのクリーンで太い音なのですが、これを無理やり引っ張ってきてるんです。その為まずやったことは、メインのTR6はParallaxで適度に歪ませておく(ミッドもしっかり出しておく)、でも音源の特性柄、中々上が抜けてこないです。なので、ここで、DjinBass2を使います。Djinbass2の音量とローをがっつり削って中高域のみにしたところにAmplitubeで適度に音にドライブをかけるとぱきぱきのミッド~ハイが出来上がります。これをTR6にれいやーしてやると動画のようなベースになります。何故TR6を使うのかは仕方なくなのですが、例えばKontaktライブラリで動くライブラリやベースライブラリの多くは意図的なのかローエンドがかなり無い印象でHPFで削るまでもなく最初から音が出てない感じがあって不満でその分、ジャズベなどにしてもStingrayにしてもぶっとい音が出るAmplesoundはかなり強みでした。ただA0まで出るのはこれかMetal Rayのほかなく、これからの汎用性を考えると、手間ですがTR6をメインに使おうかなと思った感じです。

・uJAMのBeatmakerのうちVOIDを使っています。
BMTHといえばあのDnB的なリズムに味が結構あるので、こういうビートマシン系はあるとそれだけで便利というのもあり、後半の少しの間ですが使っています。Kingslayerとかカバーするならもっと使うことになりそうですね。

・Superior Drummer 3は作った2つのプリセットでスネアとキック部分、他とで2つ立ち上げて分けています。どうしても同じキックやスネアに満足してもタムだとか金物で満足しないとかそういう事が起きやすいので、仕方ないメモリを消費しても立ち上げる感じです。

7弦ギター
IronLabelで発売された27インチの物を使っています。純正のFusion Edge7はニューメタルには向かないのですが、テンション感自体はその構造上良いので、今回採用です。ただ、本来のBMTHは6弦ホールダウン+ドロップCなので、パワーコードが多いとはいえ、部分的に1オクターブ上がったり下がったりしているのと、隠し味にハーモナイザーを少しだけ1オクターブ下でかけて音が破綻しきらない程度に潰しています。
アンシミュはTH-U、Mesa Boogie Dual Rectifierモデルです。

あとはエフェクトルーティンとピアノだけなので特にいう事は無いのですが、気を付けるべきはBMTHは結構シビアなリズムメタルバンドの側面があるという所で、私の場合ルーズになってしまいましたが、本家はTeardropsに限らずかなりタイトですよね。今回の『Nex Gen』でもかなりきっちりした2バスのリズムと弦楽器隊がドコドコやって、急に静かになるとかもありましたし、これまでの曲もそういう傾向があります。なので今回やむなくEclipseが登場したわけですね。

レイヤーの大切さ。

ミックスの難敵であるレイヤーではあるのですが、ハイファイな音作りをしているBMTHだけにここは欠かせない所です。例えばベースにさらにオク下のシンセリードを挟むだけでも印象は変わってきます。ギターなどもワーミーやオクターバーを使うのもとてもいい手段だと思われます。

オルタナティブメタルの旗手として。

多少なりとは参考になりましたでしょうか。
オルタナメタルもミクスチャーとか色々言われていましたがついにかなりの領域にきて、なおかつ人気もどんどん出ていてうれしいです。所謂前時代のラウド・ニューメタルシーン、死んだと言われたカルチャーが好きな人間としてはそこで育った世代が今の技術と組み合わせてやっているのだと思うと時代の賜物だと思いますし、同時に嬉しくも寂しくもある不思議な心地です。Bring Me The Horizon、これからも見逃せませんね!

短いですがこの辺で!









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